要点著作権法 97 条の 3 は、レコード製作者に発売後一定期間(原則 1 年)の貸与権を認め、期間経過後は貸与を許す代わりに相当な額の報酬請求権を残すと定める。
Q · 新譜CDがレンタル店にすぐ並ばないのは、なぜ?
最初の 1 年はレコード会社が貸与を独占できるから
著作権法 97 条の 3 により、レコード製作者は商業用レコードの貸与を独占する貸与権を持ちます。ただしこの独占は発売から政令で定める期間(原則 1 年)に限られ、この期間経過商業用レコードになると貸与権は消えます。その代わり貸レコード業者は、レコード製作者に相当な額の報酬を支払う義務を負います(報酬請求権)。つまり最初は「貸すな」と言える強い権利、その後は「貸してもいいが金を払え」という弱い権利へと切り替わります。
TSUTAYA や GEO でCDを借りるたび、あなたが払うレンタル料の一部は、目に見えない配管を通って二手に分かれて流れている。一方は作詞作曲家の側、もう一方がレコード会社、つまりレコード製作者だ。その後者の取り分を法的に支えているのが本条である。仕組みはこうなっている。新譜が出た直後の一定期間(政令で原則1年)は、レコード製作者が貸与を独占できる(1項、貸与権)。だからレンタル店は発売直後の邦楽新譜をすぐには貸し出せない。期間が過ぎると独占は消え、代わりに店は「相当な額の報酬」を払う義務を負う(3項、報酬請求権)。つまり最初の1年は「貸すな」と言える強い権利、その後は「貸してもいいが金を払え」という弱い権利へと姿を変える。あなたが新譜をすぐ借りられないのは、棚の都合ではなく、この権利の切り替えスイッチが効いているからだ。
著作権法 97 条の 3 は、レコード製作者の貸与権及び報酬請求権を定める規定である。レコード製作者は商業用レコードの貸与により公衆へ提供する権利を専有するが、発売から政令で定める期間を経過した期間経過商業用レコードにはこの独占が及ばず、貸レコード業者は当該レコード製作者に相当な額の報酬を支払う義務を負う。
AI 輔助整理,以條文原文為準
レコード製作者が商業用レコードの貸与を独占できる著作隣接権です。著作権法 97 条の 3 が根拠で、発売から政令期間(原則 1 年)に限って独占が認められます。
発売から政令で定める期間(原則 1 年)を過ぎた商業用レコードのことです。この期間を過ぎると貸与権の独占は消え、報酬支払義務に切り替わります。
貸レコード業者がレコード製作者(レコード会社)に払います。利用者が店に払うレンタル料とは別の財布で、実務では指定団体を通じて集中管理されています。
期間内はレコード製作者または日本レコード協会等の指定団体に許諾を求めます。期間経過後は許諾ではなく相当な額の報酬を団体経由で支払う枠組みです。
貸与権及び報酬請求権が及ぶのは著作隣接権の存続期間内に限られます。レコードは発行後 70 年が原則で、最新の改正状況の確認が必要です。
貸与権は貸与そのものを禁止できる絶対的権利、報酬請求権は貸与を止められず金銭を請求できるだけの権利です。同じCDでも発売からの期間で扱いが変わります。
適法に運営できますが、期間経過レコードでもレコード製作者に相当な額の報酬を支払う義務があります。無許諾かつ無報酬で回すと著作隣接権侵害になります。
期間内の無許諾貸与は貸与権侵害として差止め及び損害賠償(112 条・114 条)の対象です。期間経過後の無報酬貸与は報酬未払いとして請求されます。
適法です。レンタルしたCDを自分で聴くために取り込む行為は私的使用のための複製(30条)にあたり、本条の貸与権とは別の話です。ただし取り込んだデータを友人に渡したりネットに上げれば、複製権や公衆送信権の侵害になります。業界裏話ヒント:レンタル店が新譜をすぐ貸せないのは「リッピングされるから」と思われがちですが、法的な理由は本条の貸与権、つまり期間内の独占です。リッピング対策ではなく、レコード会社が最初の販売機会を守る仕組み。だから洋楽は権利者の方針次第ですぐ借りられるのです
貸与権の独占期間は政令で原則1年とされていますが(97条の3第1項及び著作権法施行令)、実際の解禁時期はレコード会社が許諾でコントロールしています。邦楽は発売から数週間から1年と幅があり、洋楽は権利者方針で発売直後から借りられることもあります。業界裏話ヒント:「発売後◯週間で解禁」は法律ではなく、レコード会社とレンタル業界団体の取り決めです。法律上は最大1年止められるが、各社が販売状況を見て早期解禁することも多い。完全に商業判断の世界です
公共図書館など非営利かつ無料の貸与は、別の権利制限規定(38条4項)で許されているからです。本条の貸与権及び報酬請求権は、あくまで営利または有償の貸与を前提にしています。業界裏話ヒント:ただし図書館でも視聴覚資料の貸出には別途の配慮がなされる場合があり、すべてが完全無償の前提で動いているわけではありません。図書館に流通する音源は、市販品とは別の業務用ルートで権利処理されていることも多いのです
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 権利者 | 97 条の 3:レコード製作者(レコード会社) | — |
| 権利の性質 | 期間内は貸与権(独占)、期間経過後は報酬請求権 | — |
| 適用場面 | 商業用レコードの営利・有償貸与 | — |
| 金銭の要否 | 期間経過後は相当な額の報酬が必要 | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。