廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第19条の3(改善命令)
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- 次の各号に掲げる場合において、当該各号に定める者は、当該一般廃棄物又は産業廃棄物の適正な処理の実施を確保するため、当該保管、収集、運搬又は処分を行つた者(事業者、一般廃棄物収集運搬業者、一般廃棄物処分業者、産業廃棄物収集運搬業者、産業廃棄物処分業者、特別管理産業廃棄物収集運搬業者、特別管理産業廃棄物処分業者及び無害化処理認定業者(以下この条において「事業者等」という。)並びに国外廃棄物を輸入した者(事業者等を除く。)に限る。)に対し、期限を定めて、当該廃棄物の保管、収集、運搬又は処分の方法の変更その他必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。
- 一一般廃棄物処理基準(特別管理一般廃棄物にあつては、特別管理一般廃棄物処理基準)が適用される者により、当該基準に適合しない一般廃棄物の収集、運搬又は処分が行われた場合(第三号に掲げる場合を除く。)市町村長
- 二産業廃棄物処理基準又は産業廃棄物保管基準(特別管理産業廃棄物にあつては、特別管理産業廃棄物処理基準又は特別管理産業廃棄物保管基準)が適用される者により、当該基準に適合しない産業廃棄物の保管、収集、運搬又は処分が行われた場合(次号に掲げる場合を除く。)都道府県知事
- 三無害化処理認定業者により、一般廃棄物処理基準(特別管理一般廃棄物にあつては、特別管理一般廃棄物処理基準)又は産業廃棄物処理基準(特別管理産業廃棄物にあつては、特別管理産業廃棄物処理基準)に適合しない一般廃棄物又は産業廃棄物の当該認定に係る収集、運搬又は処分が行われた場合環境大臣
この条文の基本情報
改善命令とは何ですか?
定義改善命令とは、廃棄物の処理及び清掃に関する法律第19条の3に定められた規定で、「次の各号に掲げる場合において、当該各号に定める者は、当該一般廃棄物又は産業廃棄物の適正な処理の実施を確保するため、当該保管、収集、運搬又は処分を行つた者(事業者…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第19条の3(改善命令)は、日本の廃棄物の処理及び清掃に関する法律に含まれる条文です。
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第19条の3の条文原文は「次の各号に掲げる場合において、当該各号に定める者は、当該一般廃棄物又は産業廃棄物の適正な処理の実施を確保するため、当該保管、収集、運搬又は処分を行つた者(事業者…」で始まります。
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第19条の3は第四章 雑則に置かれています。
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の公布日は昭和45年12月25日です。
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月22日時点では廃止情報はありません。
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第19条の3の前の条は廃棄物の処理及び清掃に関する法律第19条の2です。
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第19条の3の次の条は廃棄物の処理及び清掃に関する法律第19条の4です。
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第19条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)第19条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000137 - 本サイト収録
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)第19条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月22日)https://lawplayer.com/jp/article/345AC0000000137/19_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点廃棄物処理法19条の3は、処理基準・保管基準に適合しない保管や処分を行った事業者等に対し、市町村長・都道府県知事・環境大臣が期限を定めて改善を命じられると定める。実害の発生は不要。
Q · 産廃の置き方が基準違反なだけで、実害がなくても改善命令は出るの?
出る。基準に適合していなければ実害ゼロでも対象になる
廃棄物処理法19条の3は、処理基準や保管基準に適合しない保管・収集・運搬・処分があれば、それだけで改善命令を出せると定めています。生活環境への支障は要件ではありません。命令権者は一般廃棄物なら市町村長、産業廃棄物なら都道府県知事、無害化処理認定業者なら環境大臣です。期限内に従わなければ命令違反として刑事罰の対象となり、処理業者は許可取消へ連鎖するおそれがあります。
解説
廃棄物行政の処分には階段がある。行政指導、改善命令、事業停止、許可取消、措置命令。多くの事業者は、一段目の指導票を「注意された」程度に受け止め、二段目の改善命令が来て初めて事の重さに気付く。本条の要件は驚くほど軽い。処理基準や保管基準(ごみの置き方・運び方・処分の仕方について政省令が定めた細かいルール)に一つでも適合しない保管・収集・運搬・処分があれば、それで足りる。川が汚れた、住民が苦情を入れた、といった実害は要らない。命令を出すのは、一般廃棄物なら市町村長、産業廃棄物なら都道府県知事(政令市などでは市長)、無害化処理認定業者なら環境大臣である。宛先は処理業者だけではない。自社の敷地で産廃を保管している排出事業者も含まれる。そして命令に期限内に従わなければ、刑事罰の対象になる。業者であれば、罰金刑から欠格要件、許可取消へと一気に連鎖していく。改善命令は罰ではない。自分の力で引き返せる最後の分岐点である。
法的な位置づけ
廃棄物処理法19条の3に基づく改善命令とは、一般廃棄物処理基準、産業廃棄物処理基準・保管基準等に適合しない保管・収集・運搬・処分が行われた場合に、市町村長・都道府県知事・環境大臣が当該行為者である事業者等に対し、期限を定めて処理方法の変更その他必要な措置を講ずるよう命じる行政処分である。生活環境保全上の支障の発生を要件としない点で措置命令と区別される。
手順
- 1.命令書・指導票の違反基準を条文単位で特定 命令書や指導票に書かれた違反内容が、施行令の処理基準か施行規則の保管基準のどの規定に当たるかを特定する。一般廃棄物・産業廃棄物・特別管理廃棄物のどれかで適用基準が変わるため、ここを曖昧にしない
- 2.弁明の機会に是正計画を提出 命令前に弁明の機会の通知が来たら、すでに着手した是正の事実と完了予定日を写真付きで弁明書に記載して提出する。命令の内容や期限を現実的なものに近づける最も効果的な段階である
- 3.期限内に是正措置を実施 囲い・掲示板・飛散防止シートの設置、保管量の削減、運搬車両の荷台カバー徹底など、命令が求める方法の変更を実施する。期限に間に合わない見込みなら期限前に行政と協議する
- 4.完了報告書を証拠付きで提出 是正完了後、写真・マニフェスト・作業記録を添付した完了報告書を命令権者に提出する。書面で残すことが、命令違反の疑いを断つ唯一の証拠になる
- 5.不服がある場合は期限内に審査請求・取消訴訟を検討 命令に不服があれば、知った日の翌日から3か月以内に審査請求、6か月以内に取消訴訟を検討する。争っても命令の効力は原則として止まらないため、是正と並行して進める
よくある質問 AI による整理
Q1廃棄物処理法の改善命令とは?
処理基準や保管基準に違反した保管・収集・運搬・処分について、行政が期限を定めて方法の変更などを命じる処分です。根拠は廃棄物処理法19条の3です。
Q2改善命令は誰が出す?
一般廃棄物は市町村長、産業廃棄物は都道府県知事(政令市などでは市長)、無害化処理認定業者の認定に係る処理は環境大臣が命令権者です。
Q3排出事業者も改善命令の対象になる?
なります。自社の敷地内で産業廃棄物を保管している段階は排出事業者自身が行為者なので、保管基準違反があれば本条の名宛人になります。
Q4産廃の保管基準違反とは具体的に何?
囲いがない、所定事項を記載した掲示板がない、飛散・流出・悪臭の防止措置がない、保管量の上限を超えている、などが典型例です。
Q5改善命令の期限はどのくらい?
法律で一律に決まってはおらず、命令書ごとに個別に定められます。物理的に間に合わない場合は、期限前に理由を添えて行政と協議するのが実務です。
Q6改善命令は公表される?
自治体によっては行政処分の情報をウェブサイト等で公表する運用があります。取引先の与信調査で見られることもあるため、事業上の影響は小さくありません。
Q7改善命令を受けたら許可は取り消される?
命令自体で即取消しにはなりません。ただし命令違反で罰金刑以上を受けると欠格要件に該当し、処理業の許可取消しにつながるおそれがあります。
Q8特別管理産業廃棄物の改善命令は違う?
仕組みは同じですが、特別管理産業廃棄物処理基準・保管基準という一段厳しい基準が適用されます。感染性廃棄物などが典型です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1改善命令と措置命令って、何が違うんですか?
改善命令(19条の3)は処理基準や保管基準に適合していなければ出せ、宛先は実際に処理を行った者である。措置命令(19条の4、19条の5)は、生活環境の保全上の支障やそのおそれが要件で、支障の除去や原状回復まで命じられ、違反の罰則も重い(25条)。実務のポイント:改善命令の段階は、方法を変えれば済む段階である。措置命令になると、撤去費用が数千万円単位に膨らむことが珍しくない。同じ違反でも、どの段階で止めるかで桁が変わる
Q2改善命令に従わなかったら、実際どうなるんですか?
命令違反は26条により3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその併科の対象となり、法人にも両罰規定(32条)で罰金が科される(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:処理業者にとって本当に怖いのは罰金の額ではない。廃掃法違反で罰金刑を受けると欠格要件に該当し、許可の取消しは原則として必要的(14条の3の2)になる。数十万円の罰金一つで事業そのものが終わりかねない。だから業界では、命令違反を絶対に越えてはいけない一線として扱っている
Q3行政指導だけで終わることもありますか?
実務では、いきなり改善命令が出ることは少なく、口頭指導や指導票(文書による行政指導)が先に来るのが通例である。行政指導には法的拘束力がなく、原則として取消訴訟の対象にもならない。実務のポイント:指導票は行政側の記録に残る。「前回の指導に応じなかった」という経緯が、改善命令へ進む判断や命令内容の厳しさの根拠になる。拘束力がないからといって無視するのは、次の処分の材料を自分から渡しているのと同じである
Q4命令の内容に納得できない場合、争えますか?
改善命令は行政処分(役所があなたに直接下す、法的効果を持つ具体的な決定)なので、審査請求や取消訴訟の対象になる。実務のポイント:争っていても命令の効力は原則として止まらず(行政不服審査法25条1項)、期限を過ぎれば命令違反の状態になる。実務では、是正はひとまず期限内に済ませ、争点は命令の範囲や方法に絞るのが定石である。全面対決して期限を越えるのは、勝っても負けても損をする選び方である
間違えやすい点 AI による整理
- 「実害は出ていないから、命令までは来ない」と思われがちだが、法律の見方は違う。事業者は結果を見るが、本条は基準に適合しているかどうかだけを見る。生活環境に支障が出ているかどうかが問われるのは、一段上の措置命令(19条の4、19条の5)である。改善命令は、被害が出る前に介入するための道具として設計されている
- 「改善命令は行政上の注意であって、罰ではない」。命令そのものは確かに刑罰ではない。だが命令違反は刑事罰の対象になり(26条、3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその併科。最新の改正状況をご確認ください)、法人にも両罰規定(32条)が及ぶ。さらに処理業者が罰金刑を受ければ欠格要件に該当し、許可取消へ連鎖する。本当の重さは命令の後ろに続く連鎖にある
- 「処理は業者に委託しているから、改善命令はうちには関係ない」という問いの立て方自体がずれている。本条の宛先は実際に保管・収集・運搬・処分を行った者なので、自社内で保管している段階については排出事業者も宛先になる。一方、委託した後の違反について排出事業者が問われるのは、本条ではなく措置命令(19条の5、19条の6)の場面である。どの段階の話をしているのかを切り分けなければ、正しい対策は見えてこない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発動要件 | 19条の3:処理基準・保管基準への不適合(実害不要) | 19条の5:処理基準不適合+生活環境保全上の支障またはそのおそれ 14条の3:法令違反行為等を理由とする事業停止命令 |
| 命じられる内容 | 期限付きの保管・収集・運搬・処分方法の変更その他必要な措置 | 支障の除去・発生防止のための措置(撤去・原状回復等) 期間を定めた事業の全部または一部の停止 |
| 名宛人 | 実際に保管・収集・運搬・処分を行った事業者等 | 処分者等に加え、一定の場合は委託した排出事業者等も含む 産業廃棄物処理業の許可業者 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では事業廃棄物の貯存・処理方法の基準違反に対し、罰鍰と「限期改善」を組み合わせる構造。期限内に改善しなければ按次処罰となる点で、日本の改善命令→命令違反罰の二段構えと発想が近い
ドイツでは所管官庁が個別事案において法令遵守のための必要な命令を発することができるという一般授権規定で対応し、日本のように基準違反専用の命令類型を細かく分けない
フランスでは廃棄物規制違反に対し、まず期限付きの督促(mise en demeure)を行い、従わない場合に行政制裁へ進む。督促が是正の最後の機会となる点で日本の改善命令と機能が近い
米国では EPA が有害廃棄物規制違反に対し是正期限付きの compliance order を発し、不遵守には日ごとの民事制裁金が科される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 工場の裏にある産廃置き場。囲いはあるが掲示板がない。雨の日はシートがめくれ、廃プラが敷地の外まで飛んでいく。県の立入検査で保管基準違反を指摘され、翌月には「〇月〇日までに保管方法を改善せよ」という改善命令書が届いた。処理を委託していても、自社で保管している段階の責任は自社が負う
- 収集運搬業者であるあなたの会社に改善命令が届いた。ドライバーが荷台カバーをかけずに走り、がれきを落としていたのが原因である。期限はあと10日。是正報告を出せなければ命令違反になる。この10日が、会社の許可を守れるかどうかの分かれ目になる
- 委託先の中間処理場が改善命令を受けたと業界紙で知ったら、排出事業者であるあなたの会社はどうなるのか。本条の命令はあなたには直接向かない。だが処理状況の確認を怠ったまま委託を続け、不法投棄に発展すれば、次は排出事業者自身が措置命令(19条の5、19条の6)の名宛人になりうる
- クリニックの注射針を段ボールに入れて廊下に置いていた。感染性廃棄物は特別管理産業廃棄物で、基準は一段厳しい
- 処分場の現場責任者として、あなたは受入れを止められずに保管量の上限を超えて積み上げてしまった。「処理が追いつけばすぐ減る」という言い訳は通らない。基準を超えた時点で改善命令の要件は満たされている
取るべき行動
被害を受けた側:近隣の産廃置き場で飛散、悪臭、野積みの山を見たら、1. 日時入りの写真と動画で基準違反の具体的な状態を記録する2. 都道府県(政令市などでは市)の産業廃棄物担当課に、場所・日時・状況を書面かメールで通報する3. 行政が動かない場合は、行政手続法36条の3の「処分等の求め」で、法令違反の是正のための処分をするよう正式に申し出る4. 生活環境への支障が明らかなら、より重い措置命令(19条の5)の発動も求める
訴えられた側:1. 指導票や命令書のどの基準違反が問題とされているかを条文単位で特定する2. 弁明の機会があれば、是正計画と着手した事実を写真付きで提出する3. 期限内に是正を終え、完了報告書を証拠付きで出す。期限が物理的に無理なら、理由を添えて事前に協議する4. 命令そのものに不服があれば審査請求や取消訴訟を検討する。ただし不服を申し立てても命令の効力は原則として止まらない(行政不服審査法25条1項)ので、争いながら是正も進めるのが鉄則である5. 処理業者なら、罰金刑から欠格、許可取消への連鎖を最優先で避ける
時効(請求できる期限):是正期限は命令書で個別に定められる。不服申立ては、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に審査請求(行政不服審査法18条)、取消訴訟は知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。命令違反の罪(26条)の公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号)。最新の改正状況をご確認ください
学説
実務上の一般的理解:条文が「命ずることができる」と定めることから、命令を出すか否か、期限や措置の内容をどう定めるかについて命令権者に裁量があると理解されている。そのため弁明段階での是正着手の提示が命令内容に影響しうる
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第12条事業者の産廃処理基準・保管基準遵守義務
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第19条の5生活環境上の支障を要件とする産廃措置命令
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第14条の3違反行為を理由とする事業停止命令
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第26条改善命令違反に対する刑事罰
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第32条法人に対する両罰規定
- 行政手続法 第13条不利益処分前の弁明の機会付与
- 行政手続法 第36条の3第三者による違反是正の処分等の求め
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