廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第32条
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- 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
- 一第二十五条第一項第一号から第四号まで、第十二号、第十四号若しくは第十五号又は第二項三億円以下の罰金刑
- 二第二十五条第一項(前号の場合を除く。)、第二十六条、第二十七条、第二十七条の二、第二十八条第二号、第二十九条又は第三十条各本条の罰金刑
- 2.前項の規定により第二十五条の違反行為につき法人又は人に罰金刑を科する場合における時効の期間は、同条の罪についての時効の期間による。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第32条は、日本の廃棄物の処理及び清掃に関する法律に含まれる条文です。
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第32条の条文原文は「法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その…」で始まります。
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第32条は第五章 罰則に置かれています。
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の公布日は昭和45年12月25日です。
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月22日時点では廃止情報はありません。
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第32条の前の条は廃棄物の処理及び清掃に関する法律第31条です。
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第32条の次の条は廃棄物の処理及び清掃に関する法律第33条です。
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第32条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)第32条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000137 - 本サイト収録
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)第32条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月22日)https://lawplayer.com/jp/article/345AC0000000137/32
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点廃棄物処理法32条は、従業者が業務に関し違反した場合に行為者と法人の双方を罰する両罰規定である。不法投棄等では法人の罰金上限が3億円に加重される。
Q · 社員が勝手に産廃を不法投棄したら、会社も罰金を払うの?
原則払う。監督に落ち度なしと証明できない限り会社も処罰
廃棄物処理法32条1項により、従業者が「業務に関し」不法投棄などの違反をすると、行為者本人に加えて法人にも罰金刑が科されます。不法投棄・不法焼却・無許可営業・名義貸し・措置命令違反では、法人の罰金上限は3億円です。判例は、会社が従業者の選任・監督に過失がなかったことを証明すれば免責される余地を認めますが、その立証は容易ではありません。また2項により、法人への公訴時効は行為者と同じ5年となります。
解説
トラックの運転手が夜の山林に産業廃棄物を捨てた。捕まるのは運転手だけだと思うなら、それは会社側の甘い見通しである。本条は典型的な「両罰規定」(実際に違反した従業員に加えて、雇っている会社や事業主も同時に罰する仕組み)であり、従業員が「業務に関し」違反すれば、行為者本人を罰するほか、会社にも罰金刑を科す。しかも不法投棄、不法焼却、無許可営業、名義貸し、措置命令違反といった重い類型では、会社への罰金の上限は本人の1000万円ではなく3億円まで跳ね上がる。本人と会社で上限が30倍違うのだ。さらに2項により、会社に対する公訴時効(起訴できる期限)は、罰金刑の短い時効ではなく、行為者本人と同じ5年に合わせられる。社長が知らなかったことは、原則として逃げ道にならない。判例は、会社が従業員の選任・監督に落ち度がなかったことを証明しない限り責任を負うという立場をとる。つまり、防御の材料は事件が起きた後ではなく、起きる前に作っておくしかない。
法的な位置づけ
廃棄物処理法32条は両罰規定であり、法人の代表者、代理人、使用人その他の従業者が法人または事業主の業務に関し同法所定の違反行為をしたとき、行為者を罰するほか法人または事業主にも罰金刑を科す旨を定める。特定の重大類型では法人の罰金上限を3億円に加重し、2項で法人等に対する公訴時効期間を25条の罪の時効期間に揃える。
よくある質問 AI による整理
Q1両罰規定とは何ですか?
従業者が業務に関して違反したとき、行為者本人に加えて雇い主である法人や事業主も罰する規定です。廃棄物処理法では32条が定めています。
Q2廃棄物処理法の法人重課とは?
不法投棄・不法焼却・無許可営業などの重大類型について、法人の罰金上限を行為者の1000万円ではなく3億円に引き上げる仕組みです(32条1項1号)。
Q3不法投棄 会社 罰金 いくら?
行為者個人は5年以下の拘禁刑または1000万円以下の罰金(併科あり)、会社は3億円以下の罰金です。未遂でも会社の上限は3億円です。
Q4個人事業主も両罰規定の対象になる?
対象になります。条文の「人」は個人事業主を指します。ただし3億円の加重は法人のみで、個人事業主には各本条の罰金刑が科されます。
Q5両罰規定の公訴時効は何年?
25条の違反については、2項により法人・事業主への時効も行為者と同じ5年です。罰金刑単独の3年時効は適用されません。
Q6両罰規定で会社が免責されることはある?
判例上、従業者の選任・監督について注意を尽くしたと会社側が証明すれば免責の余地があります。ただし実務で認められる例はまれです。
Q7廃棄物処理法違反で罰金刑を受けると許可はどうなる?
罰金刑確定は欠格要件に当たり、産廃処理業者の許可は原則として取り消されます(14条の3の2)。罰金額の大小は関係ありません。
Q8両罰規定の罰金は経費にできる?
できません。法人税法上、罰金は損金に算入されないため、税引後の利益から支払うことになります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1社員が勝手にやったことでも、会社が罰金払わなきゃいけないんですか?
原則として払うことになります。本条は「業務に関し」行われた違反について、行為者と並んで会社も罰します。判例(最判昭和40.3.26)は、会社が従業員の選任・監督に過失がなかったことを証明すれば免責される余地を認めていますが、この証明は容易ではありません。実務のポイント:実務で免責が認められるのはごくまれです。争うかどうかより、事前の監督記録を日常業務に組み込むことに投資した方が、はるかに費用対効果が高い
Q23億円って、どんな違反でも会社に来るんですか?
いいえ。3億円以下の罰金になるのは、25条1項1号から4号(無許可営業や名義貸しなど)、12号(措置命令違反)、14号・15号(不法投棄・不法焼却)、2項(不法投棄・不法焼却の未遂)に限られます。それ以外の違反は各本条の罰金額です。実務のポイント:金額より怖いのは、罰金刑が確定すると処理業の許可が原則として取り消されることです。取消は「3億円か1000万円か」に関係なく起きます
Q3排出した側の会社も、業者が捨てたら罰せられるんですか?
業者の不法投棄そのものについて自動的に両罰が及ぶわけではありません。ただし無許可業者に委託した場合は、排出事業者自身の違反になり(12条5項)、担当した従業員の行為を通じて本条で会社も罰せられます。さらに、適正な対価を払っていないなどの事情があれば、刑事責任とは別に撤去の措置命令(19条の6)を受けることもあります。実務のポイント:相場から極端に安い処分費は、後で捜査当局が「知りえた」と判断する材料になります
間違えやすい点 AI による整理
- 「罰金を払えば終わり」と考える経営者は多いが、本当の打撃は罰金の後にやってくる。廃棄物処理法違反で罰金刑を受けると許可の欠格要件に当たり、処理業者であれば許可取消は原則として義務的である。3億円より、事業継続の道が断たれることの方がはるかに重い
- 問いの立て方そのものが違う。「社長が指示したかどうか」ではなく、「会社が従業員の選任・監督で注意を尽くしたと証明できるか」が争点になる。判例(最判昭和40.3.26)は、会社側の過失を推定し、その推定を覆す証明責任を事実上会社に負わせている
- 排出事業者から見れば「処理はプロに任せたのだから、後は業者の責任」。しかし法律から見れば、無許可業者に委託したこと自体が排出事業者の違反になる(12条5項)。その委託手続を担当した従業員の行為で、あなたの会社が本条の罰金対象になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 32条:行為者の違反を法人・事業主にも帰属させる両罰規定 | 25条:行為者本人に対する基本罰則(5年以下の拘禁刑・1000万円以下の罰金) 16条:不法投棄の禁止という行為規範そのもの |
| 処罰対象 | 法人および事業主(個人) | 違反行為をした自然人 何人も(禁止規範で、罰則は25条に委ねる) |
| 罰金の上限 | 重大類型は法人3億円、その他は各本条の罰金 | 1000万円(拘禁刑との併科あり) 本条自体に罰則なし |
| 排出事業者との関係 | 委託担当者の違反を通じて排出事業者の法人も処罰 | 委託基準違反等の行為者を処罰 12条:排出事業者の処理責任・委託基準(違反は両罰の入口) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も法人・自然人の従業者が業務執行中に犯した罪について、行為者のほか法人等にも各条の罰金を科す両罰規定を置く。日本のような法人重課の特別上限は設けていない
韓国も両罰規定を置き、法人が違反防止のため相当の注意・監督を怠らなかった場合の免責ただし書を条文上明記する点が特徴
ドイツには法人の刑事責任がなく、行為者は刑法で処罰し、法人には秩序違反法による過料を科す二元構造をとる
米国は使用者責任(respondeat superior)により法人に刑事責任を広く帰属させ、法人への高額罰金を科しうる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 解体工事の現場責任者が、処分費を浮かせるために廃材を知人の空き地に埋めさせた。社長は報告を受けていない。それでも会社には最大3億円の罰金が向かってくる。「現場が勝手にやった」は、監督していた証拠がなければ言い訳として通らない
- もし従業員が、社内規程に反して廃棄物を燃やしていたとしたら、会社はどうなる? 規程があるだけでは足りない。研修記録、巡回記録、マニフェストのチェック履歴、そうした監督の実態を示す書類があるかどうかで結論が分かれる
- あなたは産廃処理業者の営業担当で、許可のない下請けに収集運搬を回していた。会社に罰金刑が確定すれば、会社の処理業許可は原則として取り消され、取引先はすべて離れていく。あなた一人の判断で、会社そのものの営業基盤が消えることになる
- 不法投棄から4年半。警察から会社に連絡が入った。会社への罰金だけなら時効3年で逃げ切れたはずだと思っていたが、2項により期限は5年。残りは半年、捜査は間に合う
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自分の土地に不法投棄された場合、写真・動画・日時を記録し、すぐに警察と都道府県(または政令市)の廃棄物担当部署へ通報する2. 廃棄物に残る伝票、社名入りの袋、車両ナンバーから排出元の会社を特定できれば、行為者だけでなくその会社も本条の対象になる3. 撤去費用は、行為者と会社に不法行為(民法709条、715条)として請求する。資力のある会社を相手にすることで回収の見込みが上がる
訴えられた側:1. 会社が捜査対象になったら、社内調査の前に弁護士を入れ、関係者の供述が食い違わないよう記録を保全する2. 選任・監督で注意を尽くした証拠(就業規則、研修記録、委託契約書、許可証の写し、マニフェスト照合記録)を揃え、過失推定を覆せるか検討する3. 原状回復に自主的に着手し、行政との協議記録を残す。量刑や起訴判断に影響しうる4. 許可の欠格要件に当たるかどうかを早い段階で確認し、事業継続の計画を立てる
時効(請求できる期限):第25条の罪(法定刑の上限が拘禁刑5年)は公訴時効5年(刑事訴訟法250条2項5号)。2項により、会社への罰金も同じ5年となる。起算点は犯罪行為が終わった時(同法253条)。第26条以下の罪は各本条の法定刑に応じた時効となる。行政の措置命令(撤去命令)には刑事の時効とは別の論理が働く(最新の改正状況をご確認ください)
学説
過失推定説(判例・通説):事業主処罰の根拠は従業者の選任・監督上の過失にあり、その過失は推定される。事業主は無過失を証明して免責されうるとし、責任主義との調和を図る。
無過失責任説(旧説):両罰規定は従業者の行為責任を事業主に転嫁するもので、事業主の過失を問わないとする見解。責任主義に反するとして判例により退けられた。
改正沿革 AI による整理
- 平成9年(1997年)改正(要確認) 不法投棄等について、法人に対し行為者より重い罰金(1億円以下)を科す法人重課が導入されたとされる。対象範囲と施行時期は人的検証が必要
- 平成22年(2010年)改正(要確認) 法人重課の上限を3億円に引き上げたとされる。2項の時効規定との関係を含め、条文の変更経緯は人的検証が必要
- 令和4年(2022年)刑法等改正、令和7年(2025年)6月1日施行 第25条などの行為者に対する「懲役」が「拘禁刑」に置き換えられた。本条の法人罰金の枠組み自体に変更はない
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第25条3億円重課の対象となる基本の罰則
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第16条不法投棄の禁止、最重要の違反類型
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第12条事業者の処理責任と委託基準
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第14条の3の2罰金刑確定による許可取消の根拠
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第19条の6排出事業者に対する措置命令
- 刑事訴訟法 第250条公訴時効の期間、2項の時効調整の前提
- 刑法 第8条刑法総則の他の法令の罪への適用
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