事業者は、労働者の作業行動から生ずる労働災害を防止するため必要な措置を講じなければならない。
要点労働安全衛生法 24 条は、労働者の作業行動から生ずる労働災害を防止するため、事業者に必要な措置を講じる義務を課す。転倒や腰痛など人の動きに起因する災害が対象で、違反は罰則の対象となる。
Q · 仕事中に転んだり腰を痛めたりしたら、それって会社の責任になるの?
措置義務違反があれば会社の責任になりうる
労働安全衛生法 24 条により、事業者は労働者の作業行動から生ずる労働災害を防止する措置を講じる義務を負います。転倒や腰痛は「自分の不注意」と思われがちですが、床の滑り止め、重量物取扱い手順、通路整理、照明確保といった措置を会社が怠っていれば、24 条違反として責任を問われます。労災保険給付(労災保険法)に加え、安全配慮義務違反(労働契約法 5 条・民法 415 条)による損害賠償も別途請求できます。
労災と聞いて頭に浮かぶのは、プレス機に手を挟まれる、足場から墜落する、そんな「機械や設備の派手な事故」だろう。だが日本の労働災害でいちばん多い型は「転倒」であり、次に「動作の反動・無理な動作(腰痛など)」が続く。つまりあなたを倒すのは、濡れた床で滑る、重い荷物を中腰で持ち上げる、そういう「作業中の動き」そのものだ。労働安全衛生法24条は、まさにこの「作業行動から生ずる労働災害」を防ぐ措置を事業者に義務づけている。20条から23条までが機械、爆発物、有害物といった「モノ」の危険を扱うのに対し、24条は「人の動き」に焦点を当てた珍しい条文だ。床の滑り止め、重量物の取扱い手順、適切な照明や通路の確保、こうした措置を怠った事業者は、労災が起きたときこの一条を根拠に責任を問われる。あなたが従業員なら、自分の腰痛や転倒が「自己責任」ではなく会社の措置義務違反になりうると知っておくべきだ。
労働安全衛生法 24 条は、労働者の作業行動から生ずる労働災害の防止を事業者の措置義務として定める規定である。機械・設備(20 条)や有害物(22 条)といった「モノ」の危険を扱う規定と対をなし、転倒・腰痛など「人の動き」に起因する災害に焦点を当てる。床面・通路・照明の整備や重量物取扱い手順の整備がその内容となる。
転倒、無理な動作による腰痛など、機械ではなく「人の動き」に起因する災害です。日本の労働災害で最も件数が多い類型で、労働安全衛生法 24 条がその防止を事業者に義務づけています。
同法 119 条により、6 月以下の懲役または 50 万円以下の罰金の対象となります。労基署の是正勧告を受け、放置すれば書類送検に至るリスクもあります。
事案により数百万〜数千万円に及びます。労働契約法 5 条・民法 415 条を根拠に、労災保険給付とは別に会社へ請求できます(二階建て)。
療養補償給付・休業補償給付は 2 年、障害補償給付・遺族補償給付は 5 年で時効です(労災保険法 42 条)。起算点は受傷時または症状固定時です。
労働安全衛生法 28 条の 2 が定める努力義務で、化学物質など一定の事項は実質的に必須です。措置義務(24 条)の前提手続として重要です。
床の滑り止め、通路の整理整頓(4S)、十分な照明、段差解消、重量物用の台車・補助器具の整備などです。これらが 24 条の措置内容に含まれます。
期限内に是正報告をしないと書類送検(119 条)のリスクが現実化し、企業名公表に至る場合もあります。是正勧告は早期対応が鉄則です。
業務に起因すると認められれば労災になりうります。会社が在宅作業環境への配慮を怠っていれば 24 条の射程に入り、「自宅だから自己責任」とは限りません。
なります。業務遂行中に、業務に起因して負傷すれば労災(労働者災害補償保険法7条)です。転倒は日本の労働災害で最も件数の多い類型で、認定実務でも珍しくありません。業界裏話ヒント:転倒や腰痛は「自分の不注意」と思って申請すらしない人が多いが、現場の床・通路・照明の不備が絡めば事業者の24条違反が背景にあり、会社は労災隠しをしたがる。湿布で済ませず、まず現場の写真を撮っておくことが後で効く
改善要望を理由にした不利益取扱いは別の問題として争えますし、要望自体は正当な権利です。事業者には安全配慮義務(労働契約法5条)があり、あなたの指摘はその履行を促すものです。業界裏話ヒント:口頭で頼むと「言った言わない」になる。メールやチャットなど日付の残る形で要望しておくと、万一労災が起きたとき「会社は危険を知っていた」という安全配慮義務違反の動かぬ証拠になる。これは弁護士が真っ先に探す資料だ
腰痛は認定基準があり、重量物を持った瞬間など原因がはっきりした「災害性腰痛」は比較的認められやすい一方、慢性的な「非災害性腰痛」は業務起因性の立証が難しい傾向です。業界裏話ヒント:厚生労働省の業務上腰痛の認定基準(通達)があり、災害性か非災害性かで判断ルートが分かれる。重い物を持った日時・状況をその場でメモしておくと災害性として扱われやすく、認定の可否が大きく変わる(最新の認定基準をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律対象 | 24 条:人の作業行動(転倒・腰痛など)に起因する災害 | — |
| 義務の主体 | 24 条:事業者 | — |
| 違反の制裁 | 24 条:119 条の刑事罰(6 月以下の懲役 / 50 万円以下の罰金) | — |
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