要点特定商取引法 11 条は、通信販売の広告に販売価格・送料、支払時期と方法、引渡時期、申込期間、返品条件の表示を義務づける。請求により書面を交付する旨の表示があれば一部省略できる。
Q · ネットショップの「特定商取引法に基づく表記」って、本当に全部書かないとダメなんですか?
必要です。表示がないと客に 8 日間の返品権が生じます
特定商取引法 11 条は、通信販売の広告に、販売価格及び送料、支払の時期及び方法、引渡時期、申込期間の定め、申込みの撤回又は解除に関する事項、その他主務省令で定める事項の表示を義務づけます。とくに 5 号の返品特約を書き忘れると、同法 15 条の 3 により購入者は商品の引渡しから 8 日間、理由を問わず契約を解除できます。表示義務違反は指示(14 条)や業務停止命令(15 条)といった行政処分の対象にもなります。
BASE や Shopify、あるいはメルカリShops でネットショップを開いた初日、あなたは『特定商取引法に基づく表記』というページを、どこかの店からコピペして埋めたはずだ。それが特商法11条の要求そのものである。この条文は、ネット通販・カタログ通販・テレビ通販といった通信販売で広告を出すすべての事業者に、価格、送料、支払の時期と方法、引渡しの時期、そして申込みの撤回・解除に関する事項の表示を義務づける。多くの人が読み飛ばすのが5号の『申込みの撤回又は解除に関する事項』だ。ここに返品ルールを書き忘れると、あなたが内心で『返品不可』のつもりでも、法律は客に商品到着後8日間の返品権を与える(15条の3)。しかも表示義務違反は、行政処分(役所があなたに直接下す業務改善の指示や業務停止命令)の引き金になる。テンプレの一行が、あなたの利益率と法的リスクを同時に決めている。
特定商取引法 11 条は、通信販売における広告表示義務を定める規定である。販売業者及び役務提供事業者は、通信販売の販売条件又は役務提供条件を広告する際、主務省令の定めに従い、販売価格及び送料、支払の時期及び方法、引渡時期、申込期間の定めの有無及び内容、申込みの撤回又は解除に関する事項等を表示しなければならない。
11 条は販売価格及び送料、支払の時期と方法、引渡時期、申込期間の定め、申込みの撤回又は解除に関する事項、その他主務省令で定める事項の 6 系統を求めます。省令で事業者の氏名・住所・電話番号等も加わります。
不十分です。11 条 1 号は、販売価格に送料が含まれない場合、販売価格及び送料の両方の表示を求めます。金額や算定方法が分からない「別途」の一語は、表示義務違反と評価されうります。
11 条ただし書により、請求があれば記載書面又は電磁的記録を遅滞なく交付・提供する旨を広告に表示すれば、主務省令の定めに従い一部を省略できます。省略できる範囲は省令が限定しています。
通信販売の広告では、11 条 6 号を受けた主務省令により事業者の氏名(名称)・住所・電話番号等の表示が求められます。非公開運用を採る場合でも、請求時に遅滞なく開示できる体制が前提になります。
11 条 4 号の申込期間の定めや 5 号の解除に関する事項に加え、支払総額・引渡回数などを申込みの最終確認画面で表示する 12 条の 6 の規制が別途かかります。両方を揃える必要があります。
条文は設置場所を特定していませんが、広告を見る消費者が申込み前に容易に到達できることが前提です。全ページのフッターからリンクし、商品ページの記載と食い違わせない運用が安全です。
まず 14 条の指示、従わなければ 15 条の業務停止命令という行政処分に進み、事業者名が公表されます。命令違反等には刑事罰も定められています。信用毀損の打撃が実務上は最大です。
いいえ。11 条の名宛人は販売業者・役務提供事業者本人です。モールが入力欄を用意していても、記載内容の正確さと商品ページとの整合は出店者自身の責任として残ります。
危険です。11条は6項目の表示を求めますが、4号の申込期間や5号の返品特約は店ごとに中身が違います。定期購入や期間限定販売があれば、コピペ元にない項目が必要になり、不備になります。業界裏話ヒント:消費者庁は2022年以降、定期購入まわりの表示を集中的に点検している。テンプレのまま定期購入を売っている店が、いま最も狙われやすい
原則は排除できます。15条の3ただし書は、広告に返品特約の表示があればそれに従うと定めます。ただし表示方法が主務省令の基準を満たさないと無効です。業界裏話ヒント:『返品不可』も、申込みの最終確認画面などで消費者が明確に認識できる形で示さないと効力を認められないことがある。ページの隅に小さく書いただけでは、書いていないのと同じ扱いになりうる
規模次第で必要になります。特商法上の『販売業者』該当は、反復継続性や営利性で『業として』かを判断します(11条の適用前提)。プラットフォーム越しでも、継続的・高額なら対象です。業界裏話ヒント:消費者庁は近年、法人でない個人セラーでも、継続的で規模のある取引を規制対象に取り込む姿勢を強めている。『個人だから関係ない』は通用しなくなりつつある
通常は段階を踏みます。まず指示(14条)、従わなければ業務停止命令(15条)という行政処分が先で、刑事罰は命令違反などで生じます。業界裏話ヒント:初回の軽微な不備は、多くが指示や行政指導で是正の機会が与えられる。ただし事業者名が公表されると、罰金以上に信用の打撃が大きい。処分そのものより『公表』を恐れるべき局面がある
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規制の対象 | 特商法 11 条:広告に何を書くか(表示事項の量的規制) | — |
| 典型的な違反 | 送料・引渡時期・返品特約の記載漏れ | — |
| 消費者側の効果 | 返品特約の表示がなければ 15 条の 3 で 8 日間の解除権 | — |
| 行政処分への接続 | 14 条の指示 → 15 条の業務停止命令 | — |
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