要点特定商取引法 26 条は適用除外規定であり、営業のために又は営業として締結された契約や、国・地方公共団体が行う販売にはクーリング・オフ等の規定が適用されない。
Q · 契約書に個人事業主と書いたら、もうクーリング・オフはできないの?
契約書の肩書きではなく取引の実態で除外かが決まります
特定商取引法 26 条 1 項 1 号は、購入者が営業のために又は営業として締結した契約を適用除外としており、この場合クーリング・オフや書面交付義務は働きません。ただし除外に当たるかは契約書の肩書きではなく取引の実態で判断されます。稼げると勧誘された素人が形式的に個人事業主とされただけであれば、営業のためとは認められず保護が生き残る余地があります。特商法が使えない場合でも、消費者契約法 4 条や民法 96 条による取消しは別枠で検討できます。
特定商取引法は、訪問販売・通信販売・電話勧誘販売に巻き込まれた人へ、クーリング・オフ、書面交付義務、不実告知の取消しといった強力な武器を配る。ところが 26 条は、その武器のスイッチを切る条文だ。国や地方公共団体の販売、海外の相手への販売、会社が従業員に売る場合、弁護士業務、そして最も揉めるのが「営業のために又は営業として」契約した場合。つまり B2B なら消費者保護は外れる。ここに罠がある。副業や情報商材の勧誘で「個人事業主として契約してください」と書かせる業者は、この 1 号を使ってあなたのクーリング・オフを消しにきている。だが早合点しないでほしい。裁判所も消費者庁も、契約書の名目ではなく取引の実態を見る。稼げると誘われただけの素人が形式的に事業者にされた場合、営業のためとは認められず、保護が生き残る余地がある。
特定商取引に関する法律 26 条は、同法の訪問販売・通信販売・電話勧誘販売に関する規制の適用除外を定める規定である。1 項は営業のために又は営業として締結される契約、本邦外に在る者への販売、国又は地方公共団体が行う販売、従業者への販売、弁護士等の役務提供などを列挙し、2 項以下は個別の条文ごとに適用しない場面を政令および主務省令に委ねて限定する。
訪問販売等に該当する取引でも、特商法の規制を適用しない場面を定めたものです。26 条 1 項が営業のための契約や国・自治体の販売などを列挙しています。
使えません。26 条 1 項 1 号により、営業のために又は営業として締結された売買契約・役務提供契約は適用除外です。ただし除外の可否は取引の実態で判断されます。
適用されません。26 条 1 項 2 号は本邦外に在る者に対する商品・権利の販売や役務の提供を適用除外としています。国内向け販売とは規制の前提が異なります。
26 条 1 項 5 号により、事業者がその従業者に対して行う販売・役務提供は適用除外です。社内販売にクーリング・オフの規定は働きません。
一部適用されません。26 条 8 項から 10 項が、割賦販売等について 10 条・11 条・13 条・20 条等の適用を除外し、割賦販売法側の規律に委ねています。
原則できません。26 条 6 項 1 号は、自らの住居で契約の申込みや締結を請求した者に対して行う訪問販売を、4 条から 10 条の適用除外としています。
決まります。26 条は 3 項から 7 項で政令で定めるものを多用しており、実際の除外範囲は特定商取引法施行令と主務省令を併せて確認する必要があります。
あります。消費者契約法 4 条の不実告知等による取消しや、民法 96 条の詐欺・強迫による取消しは、特商法の適用除外とは別枠で主張できます。
諦めるのは早い。26 条 1 項 1 号の適用除外は「営業のために又は営業として」の実態を要求する。稼ぎたい素人が勧誘され形式的に事業者にされただけなら、除外に当たらずクーリング・オフが生きる余地がある。業界裏話ヒント:消費者庁も「名目上の事業者」を実質で判断する運用をしており、勧誘時の「誰でも稼げる」トークの記録があるほど有利。契約書の肩書きより、勧誘の音声や LINE の方が武器になる。
できない。26 条 1 項 3 号で、国又は地方公共団体が行う販売・役務提供は特商法の適用除外だ。行政のサービスは審査請求など別の行政法の枠組みで争うことになる。業界裏話ヒント:ただし「自治体が委託した民間事業者」が売る場合は、契約の主体が民間なので除外に当たらないことがある。相手が役所本体なのか委託業者なのかを、契約書の当事者欄でまず確認する。
特商法では難しい。26 条 1 項 7 号が弁護士の役務提供を適用除外にしているため、訪問での契約でもクーリング・オフの対象外だ。ただし委任契約は民法 651 条でいつでも解除できる(着手金の精算は別問題)。業界裏話ヒント:同じ士業でも、除外類型に明示されていない相手や契約態様があり、訪問・電話勧誘の態様なら特商法が生きる場合がある。相手の資格と契約の態様の組み合わせで結論が変わる。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 特商法 26 条:前三節の規制を適用しない場面を列挙する適用除外規定 | — |
| 働く方向 | 保護を外す(スイッチを切る) | — |
| 争点になりやすい部分 | 1 項 1 号の「営業のために又は営業として」の実態該当性 | — |
| 除外された場合の残る手段 | 消費者契約法 4 条・民法 96 条など特商法外の救済 | — |
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