要点特定商取引法 2 条は、訪問販売・通信販売・電話勧誘販売の三類型を定義する。クーリング・オフが付くのは訪問販売と電話勧誘販売のみで、通信販売は返品特約の内容に従う。
Q · ネットで買った物も 8 日以内ならクーリング・オフできますか?
できません。通信販売にクーリング・オフの制度はありません。
特定商取引法 2 条 2 項の通信販売には、法律上のクーリング・オフ制度がありません。無条件で解約できるのは、事業者が営業所等以外の場所で契約した訪問販売(2 条 1 項、9 条)と、事業者からの電話勧誘を契機とする電話勧誘販売(2 条 3 項、24 条)だけです。通信販売で返品できるかどうかは、業者が広告に表示した返品特約の内容によります。返品特約の表示が一切ない場合に限り、商品を受け取った日から 8 日以内に送料自己負担で返品できます(15 条の 3)。
ネット通販でうっかり高額な健康食品を買ってしまった。8 日以内ならクーリング・オフで白紙に戻せる、そう思い込んでいる人は驚くほど多い。だが特定商取引法 2 条を読むと、その思い込みは音を立てて崩れる。この条文は取引を訪問販売、通信販売、電話勧誘販売の三つに仕分ける仕分け機だ。無条件で契約を解約できるクーリング・オフが付くのは、訪問販売と電話勧誘販売だけ。あなたが自分でサイトを開いて注文した通信販売には、法律上のクーリング・オフは存在しない。境界線を分けるのは「誰が仕掛けたか」である。業者が家に来た、業者が電話をかけてきた、街で呼び止めて店に連れて行かれた。この不意打ちがあれば解約権が生まれる。あなたが自分から動いた取引には、それがない。同じ買い物に見えても、法律はまったく違う扱いをする。どの箱に入るかを最初に見抜けるかどうかで、あなたが握れる武器の数が変わる。
特定商取引に関する法律 2 条は、同法における取引類型の定義規定である。営業所等以外の場所での契約および特定顧客との契約を訪問販売、郵便等による申込みを受けて行い電話勧誘販売に当たらないものを通信販売、事業者の電話勧誘行為を契機とする取引を電話勧誘販売と定義し、さらに政令指定の施設利用権・社債その他の金銭債権・株式等を特定権利として列挙する。
訪問販売・通信販売・電話勧誘販売の三類型と特定権利を定義する規定です。どの類型に入るかで、クーリング・オフが使えるかどうかが決まります。
営業所等以外の場所で申込みを受け、または契約を締結した取引です。路上で呼び止めて店に同行させた特定顧客との契約は、店舗内で契約しても訪問販売に含まれます。
電話ではないため電話勧誘販売には当たらず、原則として通信販売として扱われます。連鎖販売取引や業務提供誘引販売に当たる場合は、別の章の規制が適用されます。
営業所等以外の場所で呼び止められて店に同行させられた人や、政令で定める方法で誘引された人を指します(2 条 1 項 2 号)。キャッチセールスの相手方が典型例です。
反復継続して利益目的で販売すると販売業者に該当しうると解されています。その場合、通信販売として広告表示義務や返品ルールが個人の取引にも及びます。
事業者が電話をかけ、または政令で定める方法で電話をかけさせて勧誘し、その結果として郵便等で申込みや契約に至った取引です(2 条 3 項)。
2016 年改正で社債その他の金銭債権や株式会社の株式等が特定権利に加わったため、訪問や電話勧誘による販売は本法の規制対象になります(2 条 4 項)。
営業所等以外の場所での契約なので訪問販売に該当します。ただし消費者が自ら訪問を要請した一定の場合は、クーリング・オフの適用除外となることがあります(26 条)。
返せません。通信販売にクーリング・オフの制度はなく(2 条 2 項)、あるのは返品制度(15 条の 3)だけです。業者が広告に「返品不可」と書いていればそれに縛られ、書いていなければ受領から 8 日以内に返品できます。業界裏話ヒント:定期購入トラブルの多くは、初回だけ安く見せて解約条件を小さく書いている手口。返品特約と解約条件は注文確定の直前画面に表示義務があるので、その画面のスクショを残しておくと、後で「聞いていない」と主張する強力な証拠になる
関係あります。街で声をかけて店に連れて行くキャッチセールスや、電話やメールで呼び出すアポイントメントセールスは、契約場所が店舗でも訪問販売に当たります(2 条 1 項 2 号、特定顧客)。業界裏話ヒント:業者は「店舗契約だからクーリング・オフはできない」と説明することがあるが、これは誤り。どうやってその店に来たのか、路上で呼び止められた経緯を思い出せるかどうかが勝負。連れて行かれた前後の LINE や通話履歴を確保しておくと、特定顧客該当性を立証しやすい
諦めるのは早いです。8 日は「契約日」ではなく「法定書面を受け取った日」から数えます(9 条、24 条)。書面をもらっていない、記載に不備がある、クーリング・オフの説明が虚偽だった場合は、8 日がそもそも始まっていません。業界裏話ヒント:クーリング・オフの告知は赤字・8 ポイント以上など様式が細かく法定されており、これを外している業者は実は多い。もらった契約書面を消費生活センターに見せると、素人では気づかない様式違反を指摘してもらえ、期間経過後でも解約できるケースがある
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 2 条:取引を訪問販売・通信販売・電話勧誘販売に振り分ける定義規定 | — |
| 適用対象 | 三類型すべて+特定権利の範囲 | — |
| 期間の起算点 | 定義規定のため期間の定めなし | — |
| 特約で排除できるか | 類型該当性は当事者の合意で変えられない | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。