要点特定商取引法 12 条の 3 は、通信販売の電子メール広告を相手方の承諾なしに送ることを原則禁止し(オプトイン)、承諾の記録保存と配信停止方法の表示を義務付ける。
Q · 自社ショップで買ってくれたお客さんに、セール告知メールを一斉送信してもいいの?
承諾がなければ原則違法。購入履歴だけでは承諾になりません
特定商取引法 12 条の 3 第 1 項により、通信販売の電子メール広告は相手方の承諾を得ないで送ることが原則禁止されています。過去に購入した事実そのものは承諾ではなく、例外として認められるのは、相手からの請求に基づく場合、契約内容や履行に関する通知に付随して主務省令の方法で送る場合などに限られます。承諾を得て送る場合も、その記録の作成保存(第 3 項)と配信停止方法の表示(第 4 項)が必要で、拒否の意思表示を受けた後の送信は第 2 項違反となります。
自社の EC サイトで一度でも買ってくれた客のメールアドレスがリストにある。新商品のセール告知を一斉配信したい。担当者としては当然の一手に見える。だがそのボタンを押した瞬間、あなたは特定商取引法 12 条の 3 の射程に入っている。この条文が定めるのは、通信販売の電子メール広告について「相手の承諾を得ずに送ってはならない」という、オプトイン規制だ。かつては「いらないなら解除してね」というオプトアウトで足りた。2009 年 12 月以降、原則は逆転した。事前に「送っていいですよ」という承諾を取っていなければ、その広告メールは違法配信になる。しかも承諾を取った記録を作って保存する義務、メール本文に配信停止方法を表示する義務、相手が「もう要らない」と言ったら二度と送らない義務まで、一本の条文に束ねられている。あなたが売り手なら、これは配信システムの設計そのものを縛る。あなたが受け手なら、望まない広告メールを止める法的な足場がここにある。
特定商取引法 12 条の 3 は、通信販売の電子メール広告についてオプトイン規制を定める規定である。販売業者又は役務提供事業者は、相手方からの請求に基づく場合、契約内容等の通知に付随する場合その他主務省令が定める場合を除き、承諾を得ずに通信販売電子メール広告をしてはならず、承諾・請求の記録の作成保存及びオプトアウトに必要な事項の表示を義務付けられる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
通信販売の電子メール広告について、相手方の承諾を得ない送信を原則禁止するオプトイン規制の条文です。承諾記録の作成保存、配信停止方法の表示、拒否後の送信禁止も同条に定められています。
通信販売の広告を含むなら必要です。相手からの請求に基づく場合や、契約内容の通知に付随して省令の方法で送る場合などの例外を除き、事前の承諾なしに送ると 12 条の 3 第 1 項違反になります。
平成 20 年改正で本条が新設され、平成 21 年(2009 年)12 月から施行されました。それ以前は送信後に拒否させるオプトアウト方式で足りるとされていましたが、原則が逆転しました。
主務大臣による指示(14 条)の対象となり、是正されない場合や悪質な場合は業務停止命令(15 条)に進みます。刑事罰より先に、行政処分と社名公表による信用毀損が実務上の打撃になります。
反復継続して販売していれば「販売業者」に当たり得るため、対象になります。副業や趣味の延長でも、顧客への一斉告知メールには承諾取得と記録保存の義務が生じます。
第 4 項が、オプトアウトの意思表示に必要な事項の表示を義務付けています。11 条の広告表示事項に加えて表示が必要で、付け忘れたまま配信すれば表示義務違反として指示の対象になり得ます。
電磁的方法で送信し画面に表示させる広告であれば、電子メール広告として本条の射程に入り得ます。加えて特定電子メール法のオプトイン規制も並行して適用されるため、両方の確認が必要です。
主務省令が定める事項を記録し、省令の定めるところにより保存します。実務ではフォームの表示画面、同意日時、同意方法、IP や送信ログを組で保存し、後から再現できる状態にしておく運用が取られます。
有効な承諾と認められにくいです。12 条の 3 の承諾は、相手が広告を受け取ることを『積極的に』意思表示したといえる必要があり、消費者庁のガイドラインは、あらかじめチェックが入った状態(デフォルトオン)を原則として不適切としています。業界裏話ヒント:実務では『チェックボックスは初期状態オフ、かつ承諾文言を容易に認識できる位置に置く』のが安全ラインとされます。この一点を外すと、集めた承諾リストが丸ごと使えない砂上の楼閣になる。フォーム公開前のたった一回のレビューで防げる話です
第 1 項 2 号が、契約内容や履行に関する通知に付随する広告を例外として認めています。ただし主務省令の定める方法に従っていることが条件で、広告部分が主で通知が名目だけ、という構成にすると通常の広告扱いに転落します。業界裏話ヒント:この『付随』の線引きは実務上グレーで、通知本文と広告の分量バランスや表示位置が問われます。攻めるほどリスクが上がるので、注文確認メールを広告の抜け道にするのは筋が悪い。素直に承諾を取る導線を別に作る方が結局安い
第 5 項は、承諾取得・記録作成保存・停止表示の『全ての業務を一括して』委託した場合に限り、記録と表示の義務(第 3 項・第 4 項)を委託先に移すとしています。逆に言えば、一部だけの委託では義務は自社に残ります。業界裏話ヒント:『全部丸投げ』のつもりでも、契約書上は承諾取得だけ自社、という中途半端な切り分けが非常に多い。委託契約の業務範囲の書きぶり一つで、行政処分を受けるのが自社か委託先かが変わる。契約書の業務範囲欄をこの条文の三業務と突き合わせて確認すべきです
第 2 項違反にあたります。相手から広告を受け取らない旨の意思表示を受けたら、その相手への通信販売電子メール広告は禁止されます(再度の請求・承諾があれば別)。業界裏話ヒント:多くの事業者は配信停止処理を日次バッチで回しており、押した直後から翌処理までの数時間から一日、既に予約済みの配信が飛んでしまう。この『処理タイムラグ』が典型的な違反パターンで、事業者に指摘すると、単なるクレームではなくコンプライアンス案件として社内で扱いが変わります
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規制対象の主体・媒体 | 特商法 12 条の 3:販売業者・役務提供事業者本人による電子メール広告 | — |
| 承諾の要否 | 原則オプトイン。請求に基づく場合、契約通知に付随する場合等が例外 | — |
| 記録・表示義務 | 承諾・請求の記録の作成保存(3 項)とオプトアウト事項の表示(4 項) | — |
| 一括委託の効果 | 三業務の全てを一括委託した場合に限り 3 項・4 項が適用されない(5 項) | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。