要点特定商取引法 15 条の 2 は、通信販売の業務停止命令に際し、責任ある役員・使用人に対し同一期間の業務禁止を命じられると定める。命令の日前 1 年以内の元役員・元使用人も対象となる。
Q · 会社が業務停止命令を受けたら、役員や社員個人まで処分されるんですか?
会社だけでなく責任ある役員・使用人個人も禁止対象になります
特定商取引法 15 条の 2 により、主務大臣は通信販売の業務停止命令(同法 15 条)を出す際、命令の理由となった事実と責任の程度を考慮して主務省令で定める役員・使用人に対し、停止と同一期間の業務禁止を命じられます。対象には命令の日前 1 年以内に役員・使用人であった退職者も含まれます。禁止された者が特定関係法人などで同一業務を行っていれば、その業務の停止も命じられ(2 項)、命令の事実は公表されます(3 項)。
通信販売の会社が悪質だと認定され、主務大臣から業務停止命令が出た。ここまでは会社の話だ。ところが特商法15条の2は、その刃を個人に向け直す。停止命令の理由となった行為に責任があった役員、そして使用人(従業員)を、会社とは別に名指しで「同じ業務を新たに始めるな」と禁止できる。恐ろしいのは時間軸だ。命令の日にいた役員だけでなく、命令日の1年前までさかのぼって、かつて役員・使用人だった者も対象になる。つまり「ヤバくなる前に辞めておこう」という先回りの逃げが通用しない。しかも禁止された役員が別の関連法人(特定関係法人)で同じ商売を続けていれば、そちらの業務も止められる(2項)。狙いは明快だ。悪質業者が会社をたたんで別会社で再起する「使い捨て法人」の手口を、個人ごと封じること。あなたがEC・通信販売の会社で役職に就くとき、この条文はあなた個人の名前を、将来の業務禁止リストに載せる引き金になりうる。
特定商取引法 15 条の 2 は、通信販売に係る業務停止命令の実効性を確保するための役員等業務禁止命令を定める規定である。主務大臣は、命令の理由となった事実および当該事実に関する責任の程度を考慮し、主務省令で定める役員・使用人(命令日前 1 年以内の元役員・元使用人を含む)に対し、停止と同一の期間、当該業務を新たに開始することを禁止できる。命令をしたときは公表が義務づけられる。
業務停止命令の実効性を確保するため、責任ある役員・使用人個人に対し、同一期間その業務を新たに開始することを禁じる行政処分です。特商法 15 条の 2 が根拠です。
法人の場合は役員・使用人および命令の日前 1 年以内にその地位にあった者、個人事業の場合は使用人および同期間の元使用人のうち、主務省令で定める者です。
禁止されるのは命令の範囲の業務を新たに開始すること(その業務を担当する役員就任を含む)です。無関係な業種への就職まで一律に禁じられるわけではありません。
会社に対する業務停止命令と同一の期間が定められます。業務停止命令の上限は平成 28 年(2016 年)改正で 1 年から 2 年に延長されました。
命令の理由となった行為をした事業者と資本・人的関係で密接につながる法人です。禁止対象者がそこで同一業務を行っていれば、その業務も停止を命じられます(2 項)。
公表されます。特商法 15 条の 2 第 3 項は、主務大臣が命令をしたときはその旨を公表しなければならないと定めています。氏名が消費者庁サイトに残ります。
あります。業務禁止命令は不利益処分にあたるため、行政手続法に基づく聴聞が行われます。ここで関与の程度と責任の軽さを主張することが最大の防御機会です。
役員でない従業員も含まれます。ただし全従業員が自動的に対象になるのではなく、命令の理由となった事実への関与と責任の程度を考慮して主務省令で絞られます。
本当です。15条の2は、命令の理由となった行為に責任があった役員・使用人を個人として名指しで禁止できます。ただし全役員が自動的に対象になるわけではなく、『責任の程度』を考慮し主務省令で定める者に絞られます。業界裏話ヒント:名目だけの社外取締役や、違反行為に関与していない部門の役員は、聴聞で関与の薄さを立証できれば対象から外れる余地があります。取締役会議事録や決裁ラインの記録が、その分かれ目になります。
逃げられません。条文は命令の日の1年前までさかのぼり、その間に役員・使用人だった者を対象にします。『ヤバくなったら辞める』という先回りの退職は封じられています。業界裏話ヒント:逆に、違反行為が始まるより前にすでに退職していた事実を時系列で示せれば、対象外を主張できます。退職日と違反行為の時期の前後関係が生命線です。
行政処分にとどまらず刑事罰の対象になります。禁止命令に違反して同じ業務を行うと、拘禁刑または罰金が科されます(特定商取引法の罰則規定、最新の改正状況をご確認ください)。さらに命令の事実は公表されます(3項)。業界裏話ヒント:実務では刑罰より『公表』の打撃が長く残ります。名前が消費者庁サイトや報道に残ると、金融機関の与信、取引先審査、再就職で恒久的に不利になる。制裁の本体は罰の日数ではなく、消えない経歴だと考えるべきです。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 名宛人 | 特商法 15 条の 2:責任ある役員・使用人(個人) | — |
| 措置の内容 | 当該業務を新たに開始することの禁止(担当役員就任を含む) | — |
| 対象の販売形態 | 通信販売 | — |
| 遡及・波及の範囲 | 命令日前 1 年以内の元役員・元使用人まで遡及、特定関係法人での同一業務も停止(2 項) | — |
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