要点特定商取引法 33 条は、特定利益で誘引し特定負担を伴う取引を行う事業を連鎖販売業と定義する。該当すれば書面交付義務と契約書面受領日から 20 日間のクーリング・オフが適用される。
Q · 友人に誘われたマルチ商法、法律ではどう扱われているの?
違法ではないが、書面交付と 20 日クーリング・オフの対象になる
特定商取引法 33 条は、紹介報酬などの特定利益で人を誘引し、商品購入や取引料といった特定負担を伴う取引をする事業を「連鎖販売業」と定義します。定義に当てはまること自体は適法で、禁止されているのは商品実体のない無限連鎖講(ネズミ講)です。ただし該当すると事業者には概要書面・契約書面の交付義務(37 条)、勧誘時の不実告知の禁止(34 条)が課され、契約者には契約書面受領日から 20 日間のクーリング・オフ(40 条)と期間制限のない中途解約権(40 条の 2)が与えられます。
カフェで友人がスマホを見せてくる。「これ、権利収入。人を紹介すると報酬が入るんだ、一緒にやらない?」。この瞬間、あなたが足を踏み入れかけているのが特定商取引法 33 条の「連鎖販売業」だ。まず知っておくべき決定的事実は、これは違法ではないという点。テレビで聞く「ネズミ講」(無限連鎖講、こちらは全面禁止で刑事罰)とは別物で、実際に価値のある商品の販売を伴えば合法な事業になる。ただし「合法」は「無防備」を意味しない。人を勧誘して得る利益(特定利益)で誘い、あなたに商品購入や登録料(特定負担)を負わせる取引と定義された瞬間、事業者には重い義務が課される。書面交付、20 日のクーリング・オフ、そして中途解約権。この定義に当てはまるかどうかが、あなたの逃げ道が開くかどうかを決めている。
特定商取引に関する法律 33 条は連鎖販売業の定義規定であり、物品の販売又は有償で行う役務の提供の事業のうち、再販売・受託販売・販売のあっせん又は同種役務の提供等をする者を特定利益を収受し得ることで誘引し、特定負担を伴う取引をするものをいう。同条 2 項は統括者を、3 項は取引料を併せて定義し、本章の規制が及ぶ範囲を画定する。
特定商取引法 33 条 1 項が定義する事業形態です。商品販売や役務提供の事業のうち、紹介報酬などの特定利益で人を誘引し、商品購入や取引料といった特定負担を伴う取引をするものを指します。
連鎖販売業は商品や役務の実体を伴う適法な事業で、特商法の規制下に置かれます。ネズミ講(無限連鎖講)は商品実体がなく金銭配当だけで回す仕組みで、無限連鎖講防止法により全面禁止・刑事罰の対象です。
他の参加者が提供する取引料など、主務省令が定める要件に該当する利益をいいます(33 条 1 項)。「人を紹介すれば報酬が入る」という誘い文句の中身が、法律上この特定利益にあたります。
商品の購入、役務の対価の支払い、取引料の提供のいずれかをいいます(33 条 1 項)。初期費用として商品を仕入れさせる、登録料を払わせるといった行為がこれに該当します。
33 条 2 項の定義で、商品に自己の商標を付す、約款を定める、経営指導を継続的に行うなど、一連の連鎖販売業を実質的に統括する者を指します。書面交付義務などの中心的な名宛人です。
契約書面を受領した日から 20 日間です(40 条)。訪問販売の 8 日間より長く設定されています。法定書面が交付されていなければ起算されず、期間経過後でも行使できます。
勧誘自体は違法ではありません。違法になるのは、勧誘目的を告げない、「絶対儲かる」等の不実告知をする、威迫して困惑させるといった行為で、34 条の禁止行為として業務停止命令や刑事罰の対象です。
33 条 3 項により、取引料・加盟料・保証金その他名義を問わず、取引をする際または取引条件を変更する際に提供される金品すべてが含まれます。名称を変えても規制は免れません。
連鎖販売業そのものは違法ではありません(特商法 33 条)。違法なのは商品の実体がなく金銭の配当だけで回すネズミ講(無限連鎖講)で、こちらは無限連鎖講防止法で全面禁止・刑事罰です。業界裏話ヒント:見分ける鍵は「商品に実際の市場価値があるか」「報酬が販売ではなく紹介の連鎖だけで発生していないか」。勧誘者が商品説明より『何人誘えばいくら』の話ばかりするなら、ネズミ講に片足を突っ込んでいる可能性が高い
諦めるのは早い。クーリング・オフの 20 日は「法定の契約書面を受け取った日」から起算します(40 条)。概要書面や契約書面をきちんと渡されていなければ、1 ヶ月どころか半年後でも可能です。業界裏話ヒント:実際の連鎖販売の現場では、書面を渡さない・記載が不備という違反が非常に多い。だから『もう期間切れ』と言われても、渡された書面の中身が法定要件を満たすかを消費生活センターや弁護士に確認する価値がある
勧誘者として特商法の規制を負います。特に 34 条の不実告知(「絶対儲かる」等)や事実の不告知は、業務停止命令だけでなく刑事罰(懲役・罰金)の対象。SNS の DM 勧誘でも同じです。業界裏話ヒント:末端の勧誘者でも、統括者に言われた通りに喋っただけでも、自分の発言に責任が生じる。『会社に言われた通り説明しただけ』は免罪符にならない。誘う側に回る前に、何を言えて何を言えないかを 34 条で確認すべき
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 33 条:連鎖販売業・統括者・取引料を定義し規制対象を画定 | — |
| 名宛人 | 定義規定のため名宛人なし(章全体の適用範囲を決める) | — |
| 違反・行使の効果 | 該当すれば 34 条・37 条・40 条・40 条の 2 が一括して適用 | — |
| 期間制限 | なし(該当性は取引の実態で判断) | — |
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