要点特定商取引に関する法律 34 条は、連鎖販売取引の勧誘で商品・特定負担・解除・特定利益について嘘や故意の不告知を禁じる。威迫して困惑させる行為や目的を隠した密室勧誘も違反となる。
Q · マルチ商法の勧誘で「絶対儲かる」「いつでも辞められる」と言われた場合、法律違反になりますか?
事実と異なれば不実告知として違法です
特定商取引に関する法律 34 条は、連鎖販売取引の勧誘において、商品の種類・性能、特定負担、契約の解除に関する事項、特定利益などについて、故意に事実を告げないこと及び不実のことを告げることを禁じています。また、契約を締結させ又は解除を妨げるために人を威迫して困惑させる行為、勧誘目的を告げずに呼び止めて同行させ、公衆の出入りしない場所で勧誘する行為も禁止されます。違反は行政処分(38 条・39 条)の対象となるほか、相手方には契約の取消権(40 条の 3)が認められます。
SNS で久しぶりに連絡してきた学生時代の友人。「いい副業がある」「初期費用さえ払えば誰でも稼げる」とカフェに呼び出される。これが連鎖販売取引、いわゆるマルチ商法・ネットワークビジネスだ。特定商取引に関する法律 34 条は、その勧誘の現場を丸ごと規制している。統括者や勧誘者が、商品の品質、あなたが払う特定負担(登録料・初期在庫・会費など)、解約の条件、儲けの仕組み(特定利益)について、故意に事実を隠したり嘘を言ったりすることを禁じる。「絶対儲かる」「すぐ元が取れる」「いつでも辞められる」、この手のセリフが事実と違えば、それだけで違法だ。さらに威迫して困惑させる行為、目的を告げずに呼び止めて同行させ密室で勧誘する行為も禁止。違反すれば行政処分だけでなく刑事罰の対象になり、あなたの側は契約を取り消せる。友人からの誘いだからと油断した瞬間、あなたはこの条文が守ろうとしている当事者そのものになる。
特定商取引に関する法律 34 条は、連鎖販売取引に係る禁止行為を定める規定である。統括者及び勧誘者による重要事項の故意の不告知・不実告知(1 項)、一般連鎖販売業者による不実告知(2 項)、契約の締結又は解除妨害を目的とする威迫困惑(3 項)、勧誘目的を告げない誘引による公衆の出入りしない場所での勧誘(4 項)を禁止する。
特定負担を伴い、特定利益(下位会員の獲得等による収益)を得られると誘引して、商品販売や役務提供を連鎖的に拡大する取引です。いわゆるマルチ商法・ネットワークビジネスが該当します。
消費者庁・都道府県による指示や業務停止命令等の行政処分(38 条・39 条)の対象となり、罰則規定による刑事責任も問われ得ます。相手方は 40 条の 3 により契約を取り消せます。
勧誘時の録音、LINE や DM のやり取り、配布資料、収入シミュレーション画像などです。契約書面より勧誘の場で何を言われたかを示す資料が決め手になります。
投資アプリやオンラインサロンの紹介であっても、役務の提供やあっせんに特定負担と特定利益が伴えば連鎖販売取引に該当し得ます。商品の実体の有無だけで対象外にはなりません。
規制されます。34 条 1 項・2 項の不実告知や故意の事実不告知は勧誘の手段を問いません。DM の文面がそのまま証拠として残る点で、むしろ立証しやすい類型です。
法定代理人の同意がなければ民法 5 条により取り消せます。加えて勧誘時に不実告知があれば 40 条の 3 の取消権、書面受領から 20 日以内なら 40 条のクーリング・オフも併用できます。
契約前でも相談できます。消費者ホットライン 188 で最寄りの窓口につながり、勧誘手口の違法性の確認、解除通知の書き方、事業者への申し出方法まで助言を受けられます。
連鎖販売取引に伴って支払う金銭的負担で、登録料、初期在庫の購入代金、年会費、研修費などが典型です。この内容を偽ったり隠したりすれば 34 条 1 項 2 号違反となります。
そうとは限りません。連鎖販売取引のクーリング・オフは 20 日ですが(40 条)、勧誘時に嘘の説明や解約条件の不告知があれば、その 20 日はそもそもスタートしていません。業界裏話ヒント:多くの人が「期間切れ」で諦めますが、実務では勧誘トークの不実告知を主張して期間経過後に解除するのが定石。「絶対儲かる」と言われた記録が一つでもあれば、数ヶ月後でも戦える余地がある
なります。34 条が禁じるのは商品の良し悪しではなく、勧誘時に事実を偽ったり特定負担・解約条件を隠したりする行為です。優良な商品でも勧誘が嘘なら違反。業界裏話ヒント:業者は「ちゃんとした商品だから合法」と会員に信じ込ませますが、行政処分の理由の大半は勧誘方法(不実告知・威迫)であって商品の質ではない。ここを混同させるのが常套手段だ
中途解約(40 条の 2)なら、引渡しから 1 年以内に購入した未使用の商品は返品でき、事業者が請求できる違約金にも法定の上限があります。クーリング・オフ期間を過ぎても使える権利です。業界裏話ヒント:業者は「開封したら返せない」と言いがちですが、法律上は引渡しから一定期間内・未使用が条件で、開封の有無だけで一律拒否はできない。仕入れ値の請求根拠を出させると相手は引くことが多い
違法の可能性が高いです。34 条 4 項は、目的を告げずに呼び止めて同行させ、公衆の出入りしない場所で勧誘することを明確に禁じています。業界裏話ヒント:この「キャッチ型」の勧誘は、断りにくい密室を作ること自体が違反。カフェの個室やビルの一室に連れ込まれた時点で、契約前でも消費生活センターに通報できる。相手はそれを知られたくないので、条文を口にすると勧誘を止めることがある
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 34 条:勧誘時及び解除妨害時の言動そのもの(不実告知・不告知・威迫・密室勧誘) | — |
| 違反の効果 | 行政処分+罰則の対象、相手方に取消権(40 条の 3)が発生 | — |
| 時間的な位置 | 契約締結前の勧誘段階+解除を申し出た段階 | — |
| 義務を負う主体 | 統括者・勧誘者・一般連鎖販売業者(末端会員も含む) | — |
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