要点特定商取引法 37 条は、連鎖販売業を行う者に概要書面と契約書面の交付を義務づける。契約書面を受け取った日がクーリング・オフ 20 日間の起算日となり、書面が未交付または法定記載に不備があれば期間は進行しない。
Q · マルチ商法の契約から 20 日以上経ったら、もうクーリング・オフはできないの?
書面に不備があれば、20 日はまだ始まっていない
特定商取引法 37 条は、連鎖販売業を行う者に概要書面(契約締結前)と契約書面(契約後遅滞なく)の交付を義務づけています。クーリング・オフ 20 日間(同法 40 条 1 項)の起算日は、法定事項を満たした契約書面を受け取った日です。したがって書面が未交付だったり、解除に関する事項(40 条・40 条の 2)の記載が欠けていたりする場合、契約から何か月経過していても期間は進行していません。期限を数える前に、まず受け取った書面の記載内容を確認してください。
友人に誘われて説明会に行き、その場の熱気に押されて 30 万円分の健康食品を仕入れる契約をした。特定商取引法 37 条は、こういう連鎖販売取引(いわゆるマルチ商法、MLM)を勧誘する業者に、二種類の書面を渡す義務を課している。契約前に事業の全体像を書いた「概要書面」、契約後に取引条件を明記した「契約書面」だ。ここがあなたの生命線になる。なぜなら、やめる権利(クーリング・オフ、20 日間)の起算日は、法定事項をすべて満たした契約書面を受け取った日から数えるからだ。もし業者が書面を渡していない、あるいは記載漏れ・虚偽がある場合、20 日はいつまでも走り出さない。半年後でも、一年後でも、あなたはまだ「初日」に立っている。多くの被害者は「もう 20 日過ぎたから無理」と諦めるが、確認すべきはカレンダーではなく、あの日渡された紙の中身だ。
特定商取引に関する法律 37 条は、連鎖販売取引における書面交付義務を定める規定である。連鎖販売業を行う者は、店舗等によらないで販売等を行う個人と特定負担の契約を締結するまでに概要書面を、連鎖販売契約の締結後は遅滞なく商品の種類・再販売の条件・特定負担・契約の解除等を記載した契約書面を交付しなければならない。相手方の承諾を得た場合は電磁的方法による提供も認められる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
連鎖販売業の概要を記載した書面で、特定負担の契約を締結するまでに交付が義務づけられます(特商法 37 条 1 項)。契約後に渡される契約書面とは別の書類です。
商品の種類・性能、再販売や販売あっせんの条件、特定負担、契約の解除に関する事項(40 条・40 条の 2 を含む)、その他主務省令で定める事項です(37 条 2 項)。
商品の再販売や販売あっせんを行う個人を、特定利益で誘引し特定負担を伴う取引をさせる仕組みです。いわゆるマルチ商法・MLM が該当し、特商法 33 条が定義します。
加入にあたって負担する商品購入代金、取引料、登録料などの金銭的負担です。この負担についての契約前に概要書面の交付が必要になります。
電磁的方法での提供は相手方の承諾が前提です(37 条 3 項)。政令で定める方式に沿った承諾がなければ、書面を交付したとはみなされません。
指示(38 条)や業務停止命令(39 条)の対象となり、罰則も定められています。加えてクーリング・オフ期間が進行しないという民事上の不利益も残ります。
クーリング・オフは 20 日以内の無条件解除(40 条)。中途解約は期間経過後でも将来に向かって退会・解約できる制度(40 条の 2)で、商品返品にも一定の条件があります。
書面または電磁的記録で通知します。発信した時点で効力が生じるため、内容証明郵便など発信日を証明できる方法が実務上推奨されます。
諦めるのは早い。クーリング・オフの 20 日は「法定事項をすべて満たした契約書面」を受け取った日から数える(40 条 1 項)。中途解約の説明(40 条の 2)や解除条件が書かれていない書面なら、起算日は到来していない。業界裏話ヒント:業者の書面が法定記載を満たしていないことは実務上かなり多い。消費生活センターや弁護士は真っ先に書面の不備を探す。過ぎたと言われても、まず紙の中身を見せるのが正解だ
あなたが電磁的方法での提供に明確に承諾していれば、37 条 3 項で書面交付とみなされる。だが一方的に送りつけただけ、あるいは承諾のプロセスがなければ、交付があったとは言えない。業界裏話ヒント:2023 年 6 月から電子交付が解禁されたが、承諾要件が厳格なため、業者が形だけ PDF を送るケースでは交付無効を主張できる余地が残る。承諾した覚えがなければ、そこを突く。(最新の改正状況をご確認ください)
負う。連鎖販売業を行う者(勧誘して特定負担の契約をさせる側)には、37 条の書面交付義務がそのまま課される。渡し忘れれば、あなた自身が指示(38 条)や業務停止(39 条)の対象になりうる。業界裏話ヒント:「自分は末端の会員だから関係ない」と思う人が多いが、勧誘して契約を取った時点で法的には義務者側。被害者であると同時に加害者にもなりうる二重構造が、マルチの本当の怖さだ
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|---|---|---|
| 規律の対象 | 特商法 37 条:連鎖販売業者の書面交付義務(概要書面・契約書面) | — |
| タイミング | 概要書面は契約締結前、契約書面は締結後遅滞なく | — |
| 違反・不行使の効果 | 指示・業務停止処分(38 条・39 条)+起算日が到来しない | — |
| 前提となる定義 | 特商法 33 条の連鎖販売取引に該当することが前提 | — |
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