要点特定商取引法 69 条の 3 は、主務大臣が外国執行当局へ情報を提供できると定める。刑事捜査への使用には主務大臣の同意が必要で、政治犯罪・双方可罰性の欠如・相互保証なしの場合は同意できない。
Q · 海外の消費者当局に自分の会社の情報を渡されたら、そのまま海外で刑事事件にされるんですか?
情報提供と刑事利用は別段階で、刑事利用には大臣の同意が要る
特定商取引法 69 条の 3 により、主務大臣は外国執行当局へ職務遂行に資する情報を提供できます(1 項)。ただし提供情報は当該当局の職務遂行以外に使用されず、主務大臣の同意なしに外国の刑事事件の捜査等に使用されないよう適切な措置がとられます(2 項)。同意は、政治犯罪に関する場合、その行為が日本の法令によれば罪に当たらない場合、相互保証がない場合には認められず(3 項各号)、事前に法務大臣・外務大臣の確認も必要です(4 項)。
越境ECであなたが海外の消費者に商品を売っているとする。ある日、その国の消費者保護当局があなたの販売手法を調べ始め、日本の主務大臣(消費者庁など)に「この事業者の情報をくれ」と要請する。本条はその情報提供を認めている。ここまでなら「監視される側」の話だ。だが読み進めると歯止めが見えてくる。提供された情報を外国の刑事事件の捜査に使うには、日本の主務大臣の同意が要る。しかもその同意には三つの関門がある。政治犯罪でないこと、日本の法令でも犯罪に当たること(双方可罰性)、相手国が日本の同種要請にも応じる保証があること。さらに一号・二号は法務大臣、三号は外務大臣が別々に確認する。つまりあなたの情報が海外で刑事的に使われる前に、複数の大臣がゲートを閉められる。監視の条文に見えて、実は個人と事業者を守る防波堤が組み込まれている。
特定商取引法 69 条の 3 は国際的な執行協力に関する規定であり、主務大臣が外国執行当局へ職務の遂行に資する情報を提供する権限と、その情報の使用制限を定める。提供情報を外国の刑事事件の捜査等に用いるには主務大臣の同意を要し、政治犯罪、双方可罰性の欠如、相互保証の不存在のいずれかに該当する場合には同意が認められない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
特定商取引法に相当する外国の法令を執行する外国の当局を指します(69 条の 3 第 1 項)。海外の消費者保護当局や取引監督機関が典型例で、日本の主務大臣が情報提供を行う相手方となります。
特定商取引法上の主務大臣であり、実務上は消費者庁を所管する内閣総理大臣のほか、取引の性質に応じ関係大臣が関与します。刑事利用の同意時には法務大臣・外務大臣の確認も必要です。
外国で捜査対象となっている行為が、日本国内で行われたと仮定した場合に日本の法令でも罪に当たることをいいます。これがなければ主務大臣は刑事利用に同意できません(3 項 2 号)。
まず当該行為が日本の法令でも罪に当たるかを検証します。双方可罰性がなければ情報の刑事利用は同意段階で止まります。並行して現地の行政処分対応を別建てで準備してください。
2 項により、当該外国執行当局の職務の遂行以外には使用されないよう適切な措置がとられます。刑事事件の捜査等への使用は、3 項の主務大臣の同意がなければ認められません。
刑事利用の同意が止まります。3 項 1 号は、対象犯罪が政治犯罪であるとき、または要請が政治犯罪の捜査目的と認められるときは同意できないと定め、法務大臣が確認します(4 項)。
3 項 3 号は、日本が行う同種の要請に応じる旨の要請国の保証がない場合を同意の拒否事由とします。一方的な協力を避け、対等性を担保する趣旨で、外務大臣が確認します(4 項)。
本条は国際的な執行協力の枠組みを定める適法な規定です。情報が刑事的に使われる場面には、政治犯罪除外・双方可罰性・相互保証という三つの拒否事由と省庁横断の確認が置かれています。
いいえ、情報提供と刑事利用は別段階です。本条2項は提供情報を当局の職務遂行以外に使わせず、3項は外国の刑事捜査への使用に主務大臣の同意を要求し、同意には双方可罰性など三つの拒否事由(3項各号)を課しています。業界裏話ヒント:多くの経営者は『情報が渡った=終わり』と諦めるが、実際は刑事利用の同意段階に第二の関門がある。ここに双方可罰性を突き付けられるかで結論が変わる
効きません。3項2号の双方可罰性は『外国の刑事事件の捜査等への使用』を止めるだけで、現地の行政的な制裁や課徴金には及びません。刑事と行政の防御は別建てで考える必要があります(本条3項)。業界裏話ヒント:弁護士は『刑事は双方可罰性で守れても、現地の行政処分は別枠』と分けて助言する。刑事の壁を過信して行政対応を怠ると、実損はそちらで出る
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 情報の流れ | 69 条の 3:主務大臣から外国執行当局へ提供(国外向け) | — |
| 相手方 | 外国執行当局(本法に相当する外国法令を執行する当局) | — |
| 歯止めの構造 | 使用制限(2 項)+刑事利用の同意(3 項)+法務・外務大臣の確認(4 項) | — |
| 事業者側の防御の軸 | 双方可罰性の不存在・政治犯罪該当・相互保証の欠如 | — |
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