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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 最終改正 収録時点 令和8年10月9日読了 7 分7 分7 分

民事執行法 第138条(有価証券の裏書等)

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執行官は、有価証券を売却したときは、買受人のために、債務者に代わつて裏書又は名義書換えに必要な行為をすることができる。

この条文の基本情報

有価証券の裏書等とは何ですか?

定義有価証券の裏書等とは、民事執行法第138条に定められた規定で、「執行官は、有価証券を売却したときは、買受人のために、債務者に代わつて裏書又は名義書換えに必要な行為をすることができる。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 民事執行法第138条(有価証券の裏書等)は、日本の民事執行法に含まれる条文です。
  2. 民事執行法第138条の条文原文は「執行官は、有価証券を売却したときは、買受人のために、債務者に代わつて裏書又は名義書換えに必要な行為をすることができる。」で始まります。
  3. 民事執行法第138条は第二節 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行に置かれています。
  4. 民事執行法の公布日は昭和54年3月30日です。
  5. 民事執行法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
  6. 民事執行法第138条の前の条は民事執行法第137条です。
  7. 民事執行法第138条の次の条は民事執行法第139条です。
  8. 民事執行法第138条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第138条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004
  • 本サイト収録民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第138条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/354AC0000000004/138

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点民事執行法138条は、執行官が差し押さえた有価証券を売却したとき、買受人のため債務者に代わって裏書・名義書換えを代行できると定める。債務者の協力は不要である。

Q · 相手が手形や非上場株の裏書を拒んだら、差し押さえても売れないの?

拒んでも執行官が代わりに裏書して売却できます

民事執行法138条により、執行官は差し押さえた有価証券を売却したとき、買受人のために債務者に代わって裏書や名義書換えに必要な行為をできます。債務者本人のハンコも同意も不要で、買受人は本人が裏書したのと同じ効力で権利を取得します。手形も非上場株券も動産執行の対象となり(同法122条)、執行官が現地で占有して差し押さえます。相手の「協力しない」という抵抗は、この条文の前では意味を持ちません。

解説

「勝訴判決を取ったのに、相手は財産なんてないと開き直る」。この壁にぶつかる債権者は驚くほど多い。だが相手が金庫にしまう非上場会社の株券や、取引で受け取った約束手形は、立派な差押えの対象になる。民事執行法では有価証券を「動産」として扱い、執行官が物理的に占有して差し押さえ、競売にかける。ここで多くの人が足を止める。「株や手形を売っても、本人が裏書やハンコを押さなければ買い手に渡らないのでは」と。138条はその常識を覆す。執行官が有価証券を売却したとき、債務者本人に代わって裏書や名義書換に必要な行為をできると定めている。債務者が「協力しない」と突っぱねても無意味だ。買受人は、本人が署名したのと同じ効力で権利を手にする。相手の見えない財産と非協力という二枚の壁を、この一条が同時に崩す。

法的な位置づけ

民事執行法138条は、執行官による有価証券の権利移転代行を定める規定である。差し押さえた有価証券が売却された場合、執行官は買受人のために、債務者に代わって裏書または名義書換えに必要な行為をすることができる。これにより権利移転の効力は債務者の意思に依存せず、動産執行における有価証券の換価が実効的に完結する。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.債務名義を確保する 確定判決・和解調書・執行証書などの債務名義を用意する。これがなければ動産執行は申し立てられない。判決確定から10年の消滅時効(民法166条・169条)に注意し、期間内に動く
  2. 2.有価証券の所在を特定する 財産開示手続や第三者からの情報取得、取引関係の聞き取りで、相手が保有する手形・非上場株券の所在をつかむ。有価証券は物理的占有で押さえるため、隠匿・譲渡される前に位置を把握することが分岐点
  3. 3.動産執行を申し立てる 有価証券の所在地を管轄する執行官に動産執行を申し立てる。執行官が現地で有価証券を占有し、差押えの効力を生じさせる。差押禁止動産(131条)や超過差押えの禁止(128条)の範囲を意識する
  4. 4.売却と裏書代行で権利移転を完成させる 執行官が民事執行法134条以下の方法で有価証券を売却し、138条により買受人のため裏書・名義書換えを代行する。債務者の協力は不要。手形は満期や呈示期間を逃さないよう、執行官による提示と連動させて権利を保全する

よくある質問 AI による整理

Q1有価証券の差押えとは何ですか?

執行官が手形・小切手・株券などの有価証券を物理的に占有して差し押さえる動産執行の一種です。民事執行法122条で有価証券は動産として扱われ、現地占有によって差押えの効力が生じます。

Q2手形は差し押さえできますか?

できます。他社振出の約束手形も動産執行の対象で、執行官が占有して差し押さえ、売却後は138条で裏書を代行します。ただし満期や呈示期間の管理が必要で、期間を逃すと権利が消えます。

Q3民事執行法138条をわかりやすく言うと?

差し押さえた手形や株券が競売で売れたとき、執行官が債務者の代わりにサイン(裏書・名義書換え)をしてくれる規定です。本人が拒否しても買受人へ権利が移ります。

Q4動産執行で有価証券を換価する手続は?

執行官が有価証券を占有・差押えし、民事執行法134条以下の方法で売却します。売却後、執行官が138条により買受人のため裏書・名義書換えを代行して権利移転を完成させます。

Q5執行官の裏書代行にはどんな効力がありますか?

債務者本人が裏書したのと同じ効力を持ちます。買受人は本人の署名なしに正当な権利者となり、会社は名義書換えの請求を拒めません(会社法130条・133条)。

Q6差押えできない有価証券はありますか?

差押禁止動産(民事執行法131条)や裏書が法律上禁止された証券は対象外です。また株券不発行会社の株式は物としての券がないため、動産執行ではなく債権執行のルートになります。

Q7非上場株の換価方法は?

株券発行会社なら株券を占有して動産執行し、売却後に執行官が名義書換えを代行します。株券不発行会社なら株式差押命令(債権執行)で処理し、手続が根本から変わります。

Q8裏書禁止の手形は差し押さえられますか?

裏書が禁止された手形は138条の裏書代行になじまず、換価方法が制限される場合があります。差押え自体の可否や換価手続は個別に検討が必要で、事前に執行官・弁護士へ確認すべきです。

この条文についての質問 AI による整理

Q1相手が手形や株を持っていても、本人がハンコを押さなきゃ売れないんじゃないですか?

そこが最大の誤解です。執行官が差し押さえた有価証券を売却したとき、債務者に代わって裏書や名義書換を行えます(民事執行法138条)。本人のハンコも協力も不要で、買受人は本人が裏書したのと同じ効力で権利を得ます。実務のポイント:債務者側が「名義書換には応じないぞ」と強気に出ても、138条を知る債権者には通じません。その虚勢を見抜けるかどうかで、回収の粘り強さが変わります。

Q2非上場の会社の株って、そもそも差し押さえられるんですか?

差し押さえられます。有価証券は民事執行法122条で「動産」として扱われ、株券があれば執行官が占有して差押えできます。ただし株券を発行しない会社の株式は物としての券がないため、動産執行ではなく株式差押命令(債権執行)のルートになります。実務のポイント:相手の会社が株券発行会社か不発行会社かで手続が全く変わる。最初に登記で発行の有無を確認するのが分かれ道です。

Q3執行官が名義書換をしてくれても、会社が株主として認めなかったらどうなりますか?

執行官の行為は債務者本人が名義書換を請求したのと同じ効力を持つので、会社は正当な請求を拒めません(会社法130条・133条)。不当に拒めば名義書換請求訴訟や過料の対象になります。実務のポイント:同族会社は外部の買受人を株主に入れたくないため名義書換を渋りがちですが、執行官の代行行為が介在する以上、会社の拒否は法的根拠を欠く。渋られても引かないことです。

間違えやすい点 AI による整理

  • 「相手が裏書を拒めば手形も株券も売れない」と考えて対策を練ること自体が、前提から間違っている。差し押さえた有価証券の裏書・名義書換は、債務者の意思に一切左右されず執行官が代行する。相手が拒否できるかどうかを心配する局面ですらない
  • 「有価証券は証券なのだから、不動産のように登記で差し押さえる」と思われがちだが、有価証券は民事執行法上「動産」として扱われ(122条)、執行官が現地でその紙を物理的に占有して差し押さえる。押さえ方が根本から違う
  • 執行官が裏書を代行できること自体は知っていても、その効果の重さを見落としている人が多い。この代行によって、買受人は債務者本人が裏書したのと同じ法的地位を得る。つまり権利移転の効力が、本人の署名なしに完成してしまうということだ
比較の観点この条文ほかの条文
条文の役割138条:売却後の裏書・名義書換えを執行官が代行122条:有価証券を動産執行の対象に含める
134条:差押物(有価証券)の売却方法
適用の局面売却が済んだ後の権利移転段階差押えの入口(対象適格の決定)
差押えと権利移転の間の換価段階
債務者への配慮本人の意思を国家機関の代行で代替差押禁止動産(131条)で生活・生業を保護
超過差押えの禁止(128条)で範囲を限定

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国強制執行法 第59条以下

台湾も有価証券を動産執行の対象とし、執行機関が占有して換価する。権利移転に伴う書換えは執行手続の中で処理される点で日本と近い構造をとる。

韓国
대한민국 민사집행법(유체동산 집행 중 유가증권)

韓国も有価証券を有体動産執行の対象とし、換価後の権利移転を執行機関が支える。日本法を経由してドイツ的な執行構造を継受した点で類似する。

ドイツ
ZPO § 821, § 822

ドイツは有価証券の換価(§ 821)と記名証券の名義書換え(§ 822)を分けて規定し、Gerichtsvollzieher の権限を定める。日本138条の直接の母法にあたる。

アメリカ
UCC § 8-112(Article 8 Investment Securities)

米国は債権者の法的手続による証券への到達を UCC で規律。裁判所命令と州の執行手続の組合せで移転を実現し、大陸法系の執行官代行とは構造が異なる。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 貸したお金が返らず、裁判で勝った。だが相手は「うちには何もない」と言い張る。そんなとき、相手が経営する非上場会社の株券が金庫に眠っていたら、どうなる? それは差し押さえられ、競売にかけられ、執行官が相手に代わって裏書・名義書換をして買受人に渡る。相手の「協力しない」は通用しない
  • あなたが債務者側。取引先から受け取った他社振出の約束手形を持っている。あと数日で満期だ。その前に手形が差し押さえられれば、執行官が提示や裏書を代行し、あなたの手を離れる。満期や呈示期間の管理を怠れば、手形そのものの価値が消える時間との勝負になる
  • 執行の競売で非上場株を落札した。会社に名義書換を求めても拒まれた。だが執行官が債務者に代わって名義書換に必要な行為をするので、あなたは正当に株主の地位に立てる
  • 友人が「相手は手形しか持ってない、差押えなんて無理でしょ」とあなたに相談してきた。実は手形こそ動産執行の典型的な対象で、裏書が禁止されているものでない限り差し押さえられ、執行官が権利移転まで面倒を見る

取るべき行動

被害を受けた側:1. 債務名義(確定判決・執行証書等)を確保する2. 相手の有価証券の所在を特定する(財産開示手続、第三者からの情報取得、取引関係の聞き取り) 3. 動産執行を申し立て、執行官が現地で有価証券を占有・差押えする4. 売却後は執行官が138条で裏書・名義書換を代行するので、買受人への移転に債務者の協力は不要。手形は満期や呈示期間を逃さないよう、執行官による提示と連動させて権利を保全する

訴えられた側:1. 差し押さえられた有価証券が裏書禁止のものや差押禁止動産(131条)に当たらないか確認し、該当すれば執行の取消しを求める2. 過大な差押えなら超過差押えの禁止(128条)を根拠に範囲変更を申し立てる3. 有価証券の評価に不服なら評価に異議を出す4. 根本策は差押え前の弁済や分割和解で執行を止めること。いったん占有されれば裏書拒否は無意味になる

時効(請求できる期限):この代行権限自体に固有の期間制限はないが、手形・小切手には呈示期間や時効(手形法上、主債務者に対する請求権は満期から3年)があり、期間を逃すと有価証券の価値そのものが消える。動産執行の申立ては、債務名義で確定した権利の消滅時効(判決確定から10年、民法166条・169条)内に行う必要がある(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:138条による執行官の裏書・名義書換えは、私人の意思表示を国家機関が適法な執行手続を通じて代替する公法上の代替行為と解される。その正当化根拠は、適法な差押えと売却という手続の適正さにあり、手続を欠けば代行の効力も否定される。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和54年(1979年) 新設:民事執行法の制定により、旧民事訴訟法の強制執行編を分離独立させ、有価証券の換価に伴う執行官の裏書・名義書換え代行権限を138条として明文化した。

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民事執行法の全文を見る所属する編章節を開く:第二節 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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