民事執行法 第14条(費用の予納等)
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- 執行裁判所に対し民事執行の申立てをするときは、申立人は、民事執行の手続に必要な費用として裁判所書記官の定める金額を予納しなければならない。予納した費用が不足する場合において、裁判所書記官が相当の期間を定めてその不足する費用の予納を命じたときも、同様とする。
- 2.前項の規定による裁判所書記官の処分に対しては、その告知を受けた日から一週間の不変期間内に、執行裁判所に異議を申し立てることができる。
- 3.第一項の規定による裁判所書記官の処分は、確定しなければその効力を生じない。
- 4.申立人が費用を予納しないときは、執行裁判所は、民事執行の申立てを却下し、又は民事執行の手続を取り消すことができる。
- 5.前項の規定により申立てを却下する決定に対しては、執行抗告をすることができる。
この条文の基本情報
費用の予納等とは何ですか?
定義費用の予納等とは、民事執行法第14条に定められた規定で、「執行裁判所に対し民事執行の申立てをするときは、申立人は、民事執行の手続に必要な費用として裁判所書記官の定める金額を予納しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事執行法第14条(費用の予納等)は、日本の民事執行法に含まれる条文です。
- 民事執行法第14条の条文原文は「執行裁判所に対し民事執行の申立てをするときは、申立人は、民事執行の手続に必要な費用として裁判所書記官の定める金額を予納しなければならない。」で始まります。
- 民事執行法第14条は第一章 総則に置かれています。
- 民事執行法の公布日は昭和54年3月30日です。
- 民事執行法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
- 民事執行法第14条の前の条は民事執行法第13条です。
- 民事執行法第14条の次の条は民事執行法第15条です。
- 民事執行法第14条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第14条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004 - 本サイト収録
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第14条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/354AC0000000004/14
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事執行法14条は、民事執行の申立人が手続費用を裁判所書記官の定める額で予納すべきと定める。予納しなければ申立ては却下され、又は手続が取り消される。
Q · 強制執行を申し立てるのに、どうして先にお金を払わなきゃいけないの?
手続費用の予納が法律上の義務だからです(民執14条)
民事執行法14条により、民事執行の申立人は手続に必要な費用を裁判所書記官の定める金額であらかじめ予納しなければなりません。給料や預金の差押えなら数千円で済みますが、不動産競売では数十万円から百万円超の予納金が必要です。予納しなければ申立ては却下され、又は手続が取り消されます(4項)。書記官が定めた額に納得できなければ告知から一週間の不変期間内に異議を申し立てられ(2項)、却下決定には執行抗告で争えます(5項)。
解説
判決で勝訴が確定した。それでも相手が一円も払わないとき、次の一手が強制執行だ。ところが裁判所の窓口であなたを待っているのは、まず費用の前払いという壁である。民事執行法14条は、執行の申立てをする者に対し、手続に必要な費用を裁判所書記官の定める額であらかじめ納めることを義務づける。給料や預金の差押えなら数千円で済むが、相手の不動産を競売にかけるとなると話は別だ。現況調査、不動産鑑定、競売公告、これらの費用として数十万円から、請求額が大きければ百万円を超える予納金を、まず自腹で立て替える。この金を積まなければ、書記官の予納命令のあと、あなたの申立ては却下される(4項)。ただし救済の窓は二つある。書記官が定めた金額に納得がいかなければ、告知から一週間の不変期間内に執行裁判所へ異議を申し立てられる(2項)。却下決定そのものには執行抗告で争える(5項)。前払いという壁は、越え方まで条文に書いてある。
法的な位置づけ
民事執行法14条は費用の予納を定める規定であり、民事執行の申立人が手続に必要な費用として裁判所書記官の定める金額を予め納付すべき旨を規律する。予納を怠れば執行裁判所は申立てを却下し又は手続を取り消すことができ、書記官の処分の当否は異議及び執行抗告により審査される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.執行前に相手の財産を特定する 不動産なら登記事項証明書、預金なら金融機関名と支店、給料なら勤務先を確認する。財産の種類によって予納金額が桁違いに変わるため、まず何を差し押さえるかを決める
- 2.執行裁判所に予納金の基準額を事前確認する 申立て先の執行裁判所に、対象財産に応じた予納金の目安を問い合わせる。不動産競売は数十万円から百万円超、債権執行は数千円が目安。金額次第で執行方法の選択を見直す
- 3.予納金の安い執行方法への切替えを検討する 不動産競売にこだわらず、相手の預金や給料が分かれば債権執行に切り替える。予納金が数千円で済み、回収も速いことが多い。財産の見当がつかなければ財産開示手続の利用も検討する
- 4.予納命令が届いたら額を精査し、必要なら異議を出す 書記官の予納命令が届いたら金額を精査し、過大と感じれば告知を受けた日から一週間の不変期間内に執行裁判所へ異議を申し立てる。期限は通知が届いた当日に動くのが鉄則
よくある質問 AI による整理
Q1予納金とは何ですか?
強制執行の申立人が手続費用として裁判所に前払いするお金です。民事執行法14条が根拠で、額は裁判所書記官が定めます。不動産競売では数十万円、債権執行では数千円が目安です。
Q2強制執行の費用は誰が負担しますか?
最終的には債務者の負担です(民事執行法42条)。ただし申立人がまず予納金として立て替え、配当や取立てから優先的に回収します。配当がなければ持ち出しになります。
Q3予納金を払わないとどうなりますか?
執行裁判所は申立てを却下し、又は既に始まった手続を取り消すことができます(民事執行法14条4項)。追納命令が出た場合、期限内に納めなければ手続全体が取り消されます。
Q4予納金の額に納得できないときはどうしますか?
書記官の処分(予納命令)に対し、告知を受けた日から一週間の不変期間内に執行裁判所へ異議を申し立てられます(民事執行法14条2項)。期限を過ぎると額が確定します。
Q5不動産競売の予納金はいくらですか?
裁判所ごとに請求債権額に応じた基準があり、現況調査・鑑定・公告費用として数十万円から、規模が大きければ百万円を超えることもあります。少額請求でも数十万円になる場合があります。
Q6給料や預金の差押えの予納金はいくらですか?
債権執行の予納金は数千円程度で済むことが多く、不動産競売より桁違いに低いハードルです。相手の勤務先や口座が分かれば、費用面では債権執行が有利です。
Q7予納命令への異議はいつまでに出せますか?
告知を受けた日から一週間の不変期間内です(民事執行法14条2項)。この期間は一日でも過ぎると処分が確定し(3項)、命じられた額を積むしかなくなります。
Q8申立て却下の決定に不服があるときは?
却下決定に対しては執行抗告をすることができます(民事執行法14条5項、10条)。抗告期間も裁判の告知から一週間の不変期間です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1予納金って、勝ったら返ってくるんですよね?
配当があれば戻ります。予納金は執行費用として債務者負担とされ(民事執行法42条)、競売代金や差し押さえた債権から優先的に回収されます。ただし不動産が売れ残ったり無剰余で手続が取り消されると、立て替えた分は持ち出しのままです。実務のポイント:不動産競売の予納金は請求債権額に応じて裁判所ごとに基準があり、少額の請求でも数十万円かかることがある。回収見込みが予納金を下回るなら、そもそも競売を選ばないという判断も、プロは平然と下す
Q2予納金が高すぎて払えないとき、分割とか免除はできますか?
予納金そのものの分割や免除の制度は基本的にありません。払えなければ申立ては却下されます(4項)。ただし、財産の種類を変えて予納金の安い債権執行を選ぶ道が残されています。実務のポイント:不動産競売にこだわらず、給料や預金の差押えに切り替えれば予納金は数千円で済むことが多い。「競売しか手がない」と思い込む前に、相手の預金口座や勤務先が分かれば、そちらの方が速くて安い。財産の見当がつかない場合でも財産開示手続(民事執行法196条以下)という手がある(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「判決さえ取れば裁判所が勝手に取り立ててくれる」と思われがちだが、日本の民事執行は申立て主義である。あなたが動き、費用を立て替え、財産を特定しなければ、裁判所は一歩も進めない。予納金もその第一歩の自己負担だ
- 予納金が「いずれ返ってくる立替金」であることは、ある程度知られている。だが盲点はその先だ。返ってくるのは競売が成立して配当があった場合の話であり、無剰余で手続が取り消されたり買受人が現れなければ、その数十万円は持ち出しのまま消える。返還の前提条件こそが本当の急所である
- 「予納金の額は決まっているものだ」という前提で問いを立てた時点で、すでにずれている。額を定めるのは裁判所書記官の処分であり、争える対象である(2項の異議)。問うべきは「いくらか」ではなく「この額は妥当か、異議を出す余地はあるか」だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 扱う場面 | 民執14条:執行費用の予納(入口の自己負担) | 民執42条:執行費用の最終的な債務者負担 民執11条:手続上の瑕疵を争う執行異議 |
| 誰の負担か | 申立人がまず立替え予納 | 最終的に債務者が負担 負担ではなく不服申立ての手段 |
| 争う手段 | 書記官処分への異議(2項)・却下決定への執行抗告(5項) | 配当・取立てから優先回収 執行裁判所への執行異議 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も執行費用を債務者負担としつつ、申立時に執行費を徴収・予納させる点で日本と同様の受益者負担・前払い構造を採る。
韓国民事執行法も集行費用の予納を定め、予納がなければ申立却下となる点で日本と近い設計。
ドイツは裁判所費用法(GKG)が費用前払い(Kostenvorschuss)を定め、予納がなければ手続が進行しないという同種の仕組みを持つ。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 書記官から「予納金が不足しているので相当期間内に追納せよ」という通知が届いたら、どうする? 期限内に納めなければ、それまで積み上げてきた執行手続がまるごと取り消される(4項)。追納するか、金額に異議を出すか。判断できる猶予はわずかしかない
- 貸した300万円の判決を取った。相手名義の一戸建てを競売にかけようと申立てに行くと、予納金80万円と言われる。手元にその現金がなければ、勝訴判決は紙のままだ
- あなたが債務者側で、預金を差し押さえられたとする。悔しいが、債権者が立て替えた予納金や執行費用は最終的にあなたの負担に上乗せされる(民事執行法42条)。放置するほど回収されるべき総額は膨らんでいく
取るべき行動
被害を受けた側:1. 執行の前に相手の財産を特定:不動産なら登記、預金なら金融機関名と支店。財産の種類で予納金額が桁違いに変わる2. 申立て先の執行裁判所に予納金の基準額を事前確認、不動産競売は数十万から百万円超を覚悟する3. 予納命令が届いたら金額を精査し、過大と感じれば告知から一週間以内に異議申立て(2項) 4. 予納金は執行費用として債務者負担(民事執行法42条)だが、配当がなければ持ち出しになる点を最初に織り込む
訴えられた側:1. 予納金を含む執行費用は最終的に自分の負担に上乗せされる(民事執行法42条)ので、放置するほど総額が膨らむと理解する2. 競売や差押えに手続上の瑕疵があれば執行異議(民事執行法11条)や執行抗告で争う余地を検討3. 支払能力があるなら、競売前に任意売却や分割和解を持ちかけた方が、競売の安値処分より双方に有利なことが多い4. 生活に必要な財産の差押禁止範囲(民事執行法131条・152条)を確認し、行き過ぎた執行には異議を出す
時効(請求できる期限):書記官の予納命令(処分)への異議は、告知を受けた日から一週間の不変期間内(民事執行法14条2項)。却下決定への執行抗告は、裁判の告知から一週間の不変期間(民事執行法10条2項)。いずれも一日でも過ぎると争えなくなる
学説
通説:民執14条の費用予納は、執行によって利益を受ける申立人に手続費用を先行負担させることで、回収見込みのない濫用的申立てを抑止し、司法資源の適正配分を図る趣旨に立つと解される。書記官処分への異議と却下決定への執行抗告が、権利者の裁判を受ける権利との緊張を手続的に調整する。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和54年(1979年) 新設:民事執行法(昭和54年法律第4号)の制定に伴い、旧競売法・旧民事訴訟法に分散していた執行費用の予納規律を統合し、費用予納義務と不服申立ての回路を明文化した。
- 民事執行法 第10条執行抗告の一般規定、5項の抗告の根拠
- 民事執行法 第11条執行異議、手続上の瑕疵を争う一般手段
- 民事執行法 第20条民事訴訟法の準用、費用関係規定の橋渡し
- 民事執行法 第42条執行費用の債務者負担、予納金の最終的帰属
- 民事訴訟費用等に関する法律 第11条手続費用の予納に関する具体的定め(現行効力を要確認)
- 民事訴訟法 第82条訴訟上の救助、資力不足者の費用負担の緩和法理
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