民事執行法 第15条(担保の提供)
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- この法律の規定により担保を立てるには、担保を立てるべきことを命じた裁判所(以下この項において「発令裁判所」という。)又は執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所に金銭又は発令裁判所が相当と認める有価証券(社債、株式等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二百七十八条第一項に規定する振替債を含む。)を供託する方法その他最高裁判所規則で定める方法によらなければならない。ただし、当事者が特別の契約をしたときは、その契約による。
- 2.民事訴訟法第七十七条、第七十九条及び第八十条の規定は、前項の担保について準用する。
この条文の基本情報
担保の提供とは何ですか?
定義担保の提供とは、民事執行法第15条に定められた規定で、「この法律の規定により担保を立てるには、担保を立てるべきことを命じた裁判所(以下この項において「発令裁判所」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事執行法第15条(担保の提供)は、日本の民事執行法に含まれる条文です。
- 民事執行法第15条の条文原文は「この法律の規定により担保を立てるには、担保を立てるべきことを命じた裁判所(以下この項において「発令裁判所」という。」で始まります。
- 民事執行法第15条は第一章 総則に置かれています。
- 民事執行法の公布日は昭和54年3月30日です。
- 民事執行法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
- 民事執行法第15条の前の条は民事執行法第14条です。
- 民事執行法第15条の次の条は民事執行法第15条の2です。
- 民事執行法第15条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第15条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004 - 本サイト収録
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第15条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/354AC0000000004/15
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事執行法15条は、執行停止などのために立てる担保を、発令裁判所または執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の区域内の供託所へ、金銭または有価証券で供託する方法を定める。管轄を外すと無効になる。
Q · 強制執行を止めたいとき、担保はどこにどうやって預ければいいの?
管轄内の供託所に金銭か有価証券で供託する
民事執行法15条により、担保は発令裁判所または執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所(法務局)に、金銭または相当と認められる有価証券(振替債を含む)を供託する方法、その他最高裁判所規則で定める方法(銀行との支払保証委託契約など)で立てます。管轄区域を外れた供託所に預けると担保は無効となり、用意した資金が手続上ゼロ扱いになります。事件が終われば民事訴訟法79条の準用により担保取消しで取り戻せます。
解説
判決で負けても、控訴すれば執行が止まる。あなたもそう信じているかもしれない。違う。控訴は執行を自動で止めない。あなたの給料も預金も、差し押さえられ続ける。それを止める鍵の一つが「担保を立てる」ことだ。民事執行法15条は、その担保をどこに、どう預けるかを定める。金銭か有価証券(振替債を含む)を、担保を命じた裁判所か執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の区域内の供託所に供託する。ここで見落とされがちなのが「どの供託所か」だ。管轄区域を外れた供託所に預ければ、その担保は効力を持たない。せっかく用意した資金が、手続的にゼロ扱いされる。さらに2項は民事訴訟法の規定を準用し、担保を取り戻す道(担保取消し)まで用意している。預けたら終わりではない、案件が終われば返ってくるあなたの金だ。
法的な位置づけ
民事執行法15条は担保提供の方法を定める規定であり、当事者が同法の規定により担保を立てる場合、発令裁判所または執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所に金銭または相当と認められる有価証券を供託する方法その他最高裁判所規則で定める方法によるべきこと、および特別の契約があればそれによることを規定する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.執行停止の根拠と申立てを確認 執行を止める根拠(執行抗告・執行異議・請求異議の訴え・第三者異議の訴えなど)を特定し、対応する執行停止の申立て(民事執行法10条・11条・36条・38条等)を裁判所へ行う
- 2.裁判所が命じる担保額を把握 裁判所は事案ごとに担保額を決める。請求額や執行停止で相手が被る損害を基準にした一定割合が目安だが固定式はない。実損が小さいことを疎明すれば額が下がる余地がある
- 3.管轄内の供託所を特定 発令裁判所または執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所(法務局)を特定する。管轄区域を外すと担保が無効になるため、ここが最重要の分岐点
- 4.担保の方法を選択して供託 現金がなければ有価証券(振替債を含む)または銀行との支払保証委託契約を選ぶ。取引銀行に相談すれば数日で担保の後ろ盾を用意できる場合がある
- 5.停止決定を得て執行機関へ提出 供託後に発せられる執行停止決定を執行機関へ提出する。差押命令の第三債務者(勤務先・銀行)への送達前なら差押えを空振りにできる。送達後は口座解除に余計な時間がかかる
- 6.事件終了後に担保取消しで返還請求 事件が確定・取下げ等で終わったら、民事訴訟法79条の準用による担保取消しを申し立てて供託金を取り戻す。確定直後は相手の同意を得やすく返還が早い
よくある質問 AI による整理
Q1執行停止の担保はどこの供託所に預けますか?
発令裁判所または執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所(法務局)に供託します。管轄区域を外れた供託所に預けると担保が無効になるため、管轄の確認が最優先です。
Q2担保として有価証券は使えますか?
使えます。民事執行法15条は金銭のほか、発令裁判所が相当と認める有価証券(社債株式等振替法の振替債を含む)による供託を認めています。銘柄や評価は裁判所の判断によります。
Q3供託した担保はいつ返ってきますか?
事件が確定・取下げ等で終われば、民事訴訟法79条の準用による担保取消しの手続で取り戻せます。放置すると供託所に眠ったままになるため、自分から申立てが必要です。
Q4支払保証委託契約で担保を立てられますか?
立てられます。最高裁判所規則で定める方法として、銀行等との支払保証委託契約が実務で広く使われます。手元現金を動かさずに担保を用意できる方法です。
Q5担保を別の担保に差し替えることはできますか?
できます。民事執行法15条2項が民事訴訟法80条を準用し、担保の変換(例:有価証券から金銭へ)が認められています。裁判所の決定が必要です。
Q6債権者は相手が供託した担保から回収できますか?
できます。民事執行法15条2項が民事訴訟法77条を準用し、担保権利者は他の債権者に優先してその供託物から権利を行使できます。担保は相手の防御原資であると同時に回収原資になります。
Q7供託所とは具体的にどこの役所ですか?
法務局・地方法務局が供託所として機能します。相続放棄の照会や遺言書保管で訪れる同じ役所の窓口が、執行を止める担保の受け皿にもなります。
Q8当事者間で担保の方法を別途取り決めできますか?
できます。民事執行法15条ただし書により、当事者が特別の契約をしたときはその契約が優先します。ただし裁判所が命じる担保では原則として本条の方法によります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1執行を止めたいんですが、担保っていくら積めばいいんですか?
金額は裁判所が事案ごとに決めます(民事執行法36条等の停止決定で提示)。目安は請求額や執行で相手が受ける損害を基準にした一定割合ですが、固定の計算式はありません。実務のポイント:担保額は疎明や交渉で下げられる余地があります。停止によって相手が被る実損が小さいことを具体的に示せば、裁判所が命じる額が下がることがある。言われた額をそのまま供託する前に、額の妥当性を争う一手がある
Q2現金がないと執行は止められないんですか?
いいえ。民事執行法15条は金銭のほか有価証券(振替債を含む)や、最高裁判所規則で定める方法での担保提供を認めています。実務では銀行との支払保証委託契約が広く使われ、現金を寝かせずに担保を立てられます。実務のポイント:この支払保証委託契約を知らずに、手元現金がないと諦めて執行を受け入れてしまう人が多い。取引銀行に相談すれば、数日で担保の後ろ盾を用意できる場合がある
間違えやすい点 AI による整理
- 「控訴すれば執行は止まる」と思われているが、止まらない。執行停止には別途、裁判所の停止決定と担保の供託が必要になる。控訴状を出しただけで安心していると、その間に給料も口座も差し押さえられ続ける
- 「担保を出す金がないから無理だ」と諦める人が多いが、問いの立て方が間違っている。担保は必ずしも現金ではない。有価証券でも、銀行との支払保証委託契約でも立てられる。手元資金がゼロでも、信用があれば担保は用意できる
- 担保を供託したことは覚えていても、それが「返ってくる金」だと知らない人が多い。事件が終われば民事訴訟法79条の担保取消しで取り戻せる。手続を踏まず放置され、供託所に眠ったままの担保は珍しくない。取り戻すのは、自分から動いた者だけだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 民執15条:担保の提供方法(供託所・供託物)を定める | 民執36条:執行停止の裁判で担保提供を条件とする 民訴79条(準用):担保の取消し・返還手続 |
| 場面 | 担保を立てる段階(どこに何を預けるか) | 執行を止める決定を得る段階 事件終了後に担保を取り戻す段階 |
| 誤ると起きること | 管轄外の供託所に預けると担保が無効になる | 申立てや疎明が不十分だと停止決定が出ない 手続を怠ると供託金が返還されず眠り続ける |
| 債権者側の視点 | 民訴77条準用で供託物に優先弁済的権利を持つ | 停止決定の要件不備を突いて異議を出せる 担保取消しの場面で自らの権利行使を怠らない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も執行停止には担保(供託)を要し、金銭のほか有価証券や保証書での供託を認める点で日本と近い構造をとる
韓国も担保提供・供託の方法を法定し、金銭・有価証券による供託や保証保険での代替を認める運用がある
ドイツは担保方法として金銭供託のほか銀行保証(Bankbürgschaft)を広く認め、執行停止も担保提供を条件とする
米国は上訴に伴う執行停止で supersedeas bond の提供を求め、通常は判決額をカバーする保証を要求する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 明日、給料日。差押命令が会社に届けば、手取りが直接債権者に渡る。あと24時間で執行停止の担保を供託できるか? 供託所は管轄内か、金額は足りるか、閉庁時間までに間に合うか。この三つが揃わなければ、来月の家賃は消える
- あなたが貸金を回収する債権者側。相手が執行停止のために担保を供託してきた。ここで知っておくべきは、民事訴訟法77条の準用で、あなたはその供託金に対し他の債権者に優先して権利を行使できるということ。担保は相手の防御であると同時に、あなたの回収原資になる
- 海外出張中に自宅の不動産へ強制競売が始まった。第三者異議の訴えを起こすには、執行停止の担保が要る。現金がなくても、銀行との支払保証委託契約で代替できる場合がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 執行を止めたい根拠(控訴、請求異議、第三者異議など)を確認し、対応する停止の申立て(民事執行法36条、38条等)を裁判所へ2. 裁判所が命じる担保額を把握3. 発令裁判所または執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の区域内の供託所(法務局)を特定、管轄を外すと無効になる4. 現金がなければ有価証券か銀行の支払保証委託契約を検討5. 供託後、停止決定を得て執行機関に提出、送達前なら差押えを空振りにできる
訴えられた側:1. 相手が担保を供託して執行停止を求めてきたら、供託の管轄と金額が要件を満たすか確認、不備があれば停止決定に異議2. 民事訴訟法77条の準用で、あなたはその担保物に対し優先弁済的な権利を持つ、事件で勝てば供託金から回収できる3. 相手が敗訴や取下げなら、担保取消し(民事訴訟法79条)の場面で自分の権利行使を怠らない4. 担保が過小と感じたら増額を求める余地も検討する
時効(請求できる期限):担保提供そのものに固有の時効はないが、停止の効果は申立てのタイミングが決定的(差押命令の送達や執行着手の前が有利)。供託した担保の取消し(返還)は、事件確定や取下げ後に権利行使の催告等を経て可能(民事訴訟法79条準用、最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:民事執行法15条の担保提供は、供託所の管轄と担保物の種類について定型的・厳格に解される。管轄区域を外れた供託所への供託は担保としての効力を欠き、当事者間の特別の契約がある場合を除き、本条所定の方法によることが求められると理解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和54年(1979年) 新設:民事執行法の制定により、従来民事訴訟法等に分散していた強制執行の規律を統合。担保提供の方法を定める規定として整備された。
- 2.平成13年(2001年) 改正:社債株式等の振替に関する法律の制定・整備に伴い、担保に供しうる有価証券に振替債が含まれることが明確化された。
- 民事執行法 第10条執行抗告に伴う執行停止で立てる担保
- 民事執行法 第11条執行異議に伴う執行停止で立てる担保
- 民事執行法 第36条執行停止の裁判で担保提供が条件となる
- 民事執行法 第38条第三者異議の訴えに伴う執行停止と担保
- 民事訴訟法 第77条担保物に対する権利者の優先権を準用
- 民事訴訟法 第79条担保の取消し(返還手続)を準用
- 民事訴訟法 第80条担保の変換を準用
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