民事執行法 第167条の5(差押処分)
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- 裁判所書記官は、差押処分において、債務者に対し金銭債権の取立てその他の処分を禁止し、かつ、第三債務者に対し債務者への弁済を禁止しなければならない。
- 2.第百四十五条第二項、第三項、第五項、第七項及び第八項の規定は差押処分について、同条第四項の規定は差押処分を送達する場合について、それぞれ準用する。この場合において、同項中「第百五十三条第一項又は第二項」とあるのは「第百六十七条の八第一項又は第二項」と、同条第七項及び第八項中「執行裁判所」とあるのは「裁判所書記官」と読み替えるものとする。
- 3.差押処分の申立てについての裁判所書記官の処分に対する執行異議の申立ては、その告知を受けた日から一週間の不変期間内にしなければならない。
- 4.前項の執行異議の申立てについての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
- 5.民事訴訟法第七十四条第一項の規定は、差押処分の申立てについての裁判所書記官の処分について準用する。この場合においては、前二項及び同条第三項の規定を準用する。
- 6.第二項において読み替えて準用する第百四十五条第八項の規定による裁判所書記官の処分に対する執行異議の申立ては、その告知を受けた日から一週間の不変期間内にしなければならない。
- 7.前項の執行異議の申立てを却下する裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
- 8.第二項において読み替えて準用する第百四十五条第八項の規定による裁判所書記官の処分は、確定しなければその効力を生じない。
この条文の基本情報
差押処分とは何ですか?
定義差押処分とは、民事執行法第167条の5に定められた規定で、「裁判所書記官は、差押処分において、債務者に対し金銭債権の取立てその他の処分を禁止し、かつ、第三債務者に対し債務者への弁済を禁止しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事執行法第167条の5(差押処分)は、日本の民事執行法に含まれる条文です。
- 民事執行法第167条の5の条文原文は「裁判所書記官は、差押処分において、債務者に対し金銭債権の取立てその他の処分を禁止し、かつ、第三債務者に対し債務者への弁済を禁止しなければならない。」で始まります。
- 民事執行法第167条の5は第二節 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行に置かれています。
- 民事執行法の公布日は昭和54年3月30日です。
- 民事執行法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
- 民事執行法第167条の5の前の条は民事執行法第167条の4です。
- 民事執行法第167条の5の次の条は民事執行法第167条の6です。
- 民事執行法第167条の5には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第167条の5 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004 - 本サイト収録
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第167条の5(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/354AC0000000004/167_5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事執行法167条の5は、少額訴訟債権執行で裁判所書記官が差押処分を出し、債務者の取立てと第三債務者の弁済を禁止すると定める規定である。執行異議は告知から一週間内に限られる。
Q · 少額訴訟で勝ったのに相手が払わない。弁護士なしで相手の口座を差し押さえられる?
はい。簡易裁判所の書記官に申し立てれば差押処分で押さえられます
民事執行法167条の5により、少額訴訟で得た債務名義があれば、簡易裁判所の裁判所書記官に少額訴訟債権執行を申し立て、差押処分で相手の給与や預金口座を押さえられます。裁判官や弁護士は必須ではありません。差押処分は債務者の取立てと第三債務者(銀行・勤務先)の弁済を禁止し、第三債務者に送達された時点で効力が動き出します。押さえられた側が争うには、告知を受けた日から一週間の不変期間内に執行異議を申し立てる必要があります。
解説
少額訴訟で勝訴判決を取った、だが相手は一円も払ってこない。ここで多くの人が「弁護士を雇って地方裁判所で差押えか、面倒だ」と回収を諦める。それが情報の非対称だ。民事執行法167条の5は、簡易裁判所の裁判所書記官が、裁判官を通さずに『差押処分』を出せると定める。この処分一本で、相手は自分の債権を取り立てられなくなり、相手の取引銀行はその口座から相手への払い戻しを禁止される。あなたが動かすのは執行裁判所ではなく、書記官だ。手続は速く、費用も低い。そして相手側から見れば、この差押処分に文句をつける『執行異議』の期限は、たった一週間の不変期間。この一週間を逃せば、原則として処分は覆せない。攻める側にも守る側にも、時計はすでに動いている。
法的な位置づけ
民事執行法167条の5は、少額訴訟債権執行における差押処分を定める規定である。裁判所書記官は差押処分により、債務者に対して金銭債権の取立てその他の処分を禁止し、第三債務者に対して債務者への弁済を禁止しなければならない。この処分に対する執行異議は、告知を受けた日から一週間の不変期間内に限られる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.債務名義と相手の財産を特定する 少額訴訟の確定判決や仮執行宣言付き判決など債務名義を用意し、相手の財産を特定する。預金口座なら取引銀行の支店名まで、給与なら勤務先を控える。支店名が分からないと口座の差押えは空振りしやすい
- 2.簡易裁判所の書記官に少額訴訟債権執行を申し立てる 判決を出した簡易裁判所の裁判所書記官に少額訴訟債権執行を申し立て、差押処分を求める(民事執行法167条の2・167条の5)。地方裁判所や弁護士は必須ではなく、費用も低い
- 3.相手に気取られる前に第三債務者へ送達させる 差押処分は第三債務者(銀行・勤務先)に送達された時点で効力が生じる。相手本人に予告する前に手続を進め、口座を空にされる前に押さえるのが鉄則。ここはタイミングが全て
- 4.取立てまたは回収へ進める 差押え後は167条の8以下の取立て手続で実際の回収へ進める。預金なら第三債務者から直接取り立て、給与なら差押可能額の範囲で回収する。空振りなら通常の債権執行への移行も検討する
よくある質問 AI による整理
Q1差押処分とは何ですか?
少額訴訟債権執行で裁判所書記官が出す処分で、債務者の金銭債権の取立てを禁止し、第三債務者(銀行・勤務先)の弁済を禁止するものです。裁判官の差押命令に代わる簡易な入口です。
Q2少額訴訟債権執行はどこに申し立てますか?
判決を出した簡易裁判所の裁判所書記官に申し立てます(民事執行法167条の2)。地方裁判所や弁護士を通す必要はなく、費用も比較的低く抑えられます。
Q3差押処分への執行異議はいつまでに出せますか?
告知を受けた日から一週間の不変期間内です(167条の5第3項)。この期間は延長も事後救済も原則きかず、一日過ぎれば言い分が正しくても門前払いになります。
Q4不変期間とは何ですか?
裁判所が延長できず、うっかり過ぎた者を後から救済することも原則できない鉄の期限です。差押処分への執行異議はこの不変期間内でなければ受け付けられません。
Q5差押処分はいつ効力が生じますか?
第三債務者である銀行や勤務先に送達された時点で効力が動き出します。相手本人への予告は不要で、勘づかれて口座を空にされる前に押さえるのが実務の鉄則です。
Q6給与を全額差し押さえられますか?
全額はできません。給与や年金には差押禁止の範囲があり、生活費部分は守られます。167条の8で差押禁止債権の範囲変更を申し立てれば手取りを取り戻せる場合があります。
Q7執行抗告と執行異議はどう違いますか?
差押処分にはまず執行異議を出して裁判官の判断を仰ぎ、その裁判に不服ならさらに執行抗告に進みます(167条の5第4項)。いきなり執行抗告はできず、二段構えです。
Q8書記官の差押処分と裁判官の差押命令はどう違いますか?
少額訴訟債権執行では裁判官ではなく裁判所書記官が差押処分を出します(167条の5)。通常の債権執行は執行裁判所(裁判官)が差押命令を出す点(145条)が根本的な違いです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1少額訴訟で勝ったのに相手が払いません。弁護士を頼まないと差押えはできませんか?
できます。60万円以下の少額訴訟で得た債務名義なら、簡易裁判所の裁判所書記官に少額訴訟債権執行を申し立て、差押処分(民事執行法167条の5)で相手の給与や口座を押さえられます。弁護士は必須ではありません。実務のポイント:相手の取引銀行と支店名が分からないと、口座の差押えは空振りしやすい。訴訟中のやり取りや過去の振込明細から支店名を控えておくと、勝訴後の差押えが一気に現実味を帯びる。
Q2口座を差し押さえられました。書記官が出したものなら、すぐ取り消してもらえますか?
自動では取り消されません。差押処分への不服は、告知から一週間の不変期間内の執行異議(民事執行法167条の5第3項)で、その裁判に不服ならさらに執行抗告(同条4項)まで進めます。実務のポイント:給与や年金は原則として4分の3が差押禁止(民事執行法152条、最新の改正状況をご確認ください)。全額凍結されたように見えても、167条の8の範囲変更を申し立てれば生活費部分を取り戻せることが多い。慌てて全額を諦めないこと。
間違えやすい点 AI による整理
- 『差押えは裁判官が命じるものだ』という前提が、少額訴訟債権執行では崩れる。ここで差押処分を出すのは裁判所書記官であって、裁判官ではない。だから不服申立ての形も、いきなり執行抗告ではなく、まず『執行異議』を出して裁判官の判断を仰ぐ一段構えになる。ルートを取り違えると、貴重な期間を空費する
- 『異議はいつでも出せる』という感覚が命取りになる。差押処分への執行異議は、告知を受けた日から一週間の不変期間。『不変期間』とは、裁判所が延ばすことも、うっかり過ぎた者を後から救済することも原則できない鉄の期限だ。一日過ぎれば、言い分が正しくても門前払いになる
- あなたから見れば『たかが数十万円の争いをなぜ書記官が』と映るかもしれない。だが法律から見れば、少額だからこそ裁判官の手を煩わせず、書記官の簡易な処分で速く決着させる設計だ。この落差を理解しないまま『簡易だから軽い』と油断すると、口座凍結という重い現実に不意打ちされる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処分を出す主体 | 167条の5:裁判所書記官(差押処分) | 145条:執行裁判所=裁判官(差押命令) 167条の2:簡易裁判所(少額訴訟債権執行の開始) |
| 対象となる債務名義 | 少額訴訟の確定判決等(60万円以下の少額債権) | あらゆる金銭債権の債務名義 少額訴訟に係る債務名義 |
| 不服申立ての形 | まず執行異議(一週間の不変期間)→ 執行抗告 | 差押命令に対し直ちに執行抗告 手続全体の異議・移行の問題 |
| 手続の速さ・費用 | 書記官が処理し速く低廉 | 執行裁判所が審理、相対的に重い 簡易迅速を制度目的とする |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾も小額訴訟(10万元以下)と強制執行を制度化し、司法事務官が金銭債権執行を担う点で、裁判官を介さない簡易迅速な回収という設計思想が日本の少額訴訟債権執行に近い
ドイツでは Rechtspfleger(司法補助官)が Pfändungs- und Überweisungsbeschluss を発する。裁判官ではなく司法補助職が差押えを担う構造は、日本で書記官が差押処分を出す仕組みと機能的に対応する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- アパートの家賃を三か月滞納した元入居者に、少額訴訟で勝った。しかし判決後も無視。あなたは簡易裁判所の書記官に少額訴訟債権執行を申し立て、相手の給与を差し押さえる差押処分を得る。勤務先にその処分が届いた瞬間、相手の給料の一部があなたに回る道が開く。地裁も弁護士も通さずに、だ
- ある朝、銀行口座が凍結されていた。書記官の差押処分だ。取り消したいなら、告知を受けた日から一週間以内に執行異議を出すしかない。あと五日
- もし差し押さえられたのが、あなたの生活費そのものだったら? 給与や年金には差押禁止の範囲がある。書記官の差押処分でも、167条の8で差押禁止債権の範囲変更を申し立てて、手取りを守り直せる。凍結された全額を諦める必要はない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 少額訴訟の確定判決や仮執行宣言付き判決など債務名義を用意し、相手の財産(勤務先、取引銀行の支店名まで)を特定する2. 判決を出した簡易裁判所の裁判所書記官に少額訴訟債権執行を申し立て、差押処分を求める3. 相手に気取られる前に動く。差押処分は第三債務者(銀行、勤務先)に送達された時点で効力が生じる4. 差押え後は167条の8以下の取立て手続で実際の回収へ。空振りなら通常の債権執行への移行も検討する
訴えられた側:1. 差押処分の告知書を受け取ったら、まず日付を確認。執行異議の一週間の不変期間は待ってくれない2. 差押処分に手続上の違法(債務名義の不存在、送達の瑕疵など)があれば執行異議を申し立てる3. 差し押さえられたのが給与や年金など生活の原資なら、167条の8の差押禁止債権の範囲変更を申し立てて手取りを確保する4. 争う実益が薄いなら、早期に相手と分割弁済を交渉し、差押えの取下げを引き出す方が安く済むことも多い
時効(請求できる期限):差押処分に対する執行異議は、告知を受けた日から一週間の不変期間内(民事執行法167条の5第3項)。この期間は延長も事後救済も原則きかない。その裁判に対しては執行抗告ができる(同条4項)。読み替え準用される145条8項の書記官処分に対する執行異議も、同じく告知から一週間の不変期間(同条6項)
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)新設 少額訴訟債権執行の制度創設(民事執行法第167条の2から第167条の14の新設)に伴い、裁判所書記官による差押処分を定める本条が新設された。施行は平成17年(2005年)4月1日。これ以降のIT化関連改正等による文言修正の有無は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 新設:少額訴訟債権執行の制度創設(民事執行法第167条の2から第167条の14の新設)に伴い、裁判所書記官による差押処分を定める本条が新設された。施行は平成17年(2005年)4月1日。以降のIT化関連改正等による文言修正の有無は人的検証が必要
- 民事執行法 第145条差押命令の効力・送達、本条が準用する母規定
- 民事執行法 第167条の2少額訴訟債権執行の意義と手続の開始
- 民事執行法 第167条の8差押禁止債権の範囲変更(読み替え準用先)
- 民事執行法 第11条執行異議の一般規定、本条3項が特則を置く
- 民事執行法 第10条執行抗告の一般規定
- 民事執行法 第152条給与・年金等の差押禁止債権の範囲
- 民事訴訟法 第368条少額訴訟の要件、差押処分の基礎となる債務名義(現行効力を要確認)
- 民事訴訟法 第74条更正決定の準用、書記官処分の誤記訂正
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