要点労働者派遣法 61 条は、許可申請の虚偽記載、届出懈怠、台帳・就業条件明示義務違反、報告拒否、立入検査の拒否など 6 類型に 30 万円以下の罰金を科す。
Q · 派遣会社で台帳の不備や届出忘れがあったら、すぐに罰金になるの?
条文上は罰金対象だが、悪質性がなければ行政指導で済む場合が多い
労働者派遣法 61 条は、許可申請書への虚偽記載、届出の懈怠・虚偽、就業条件明示(34 条)や派遣元管理台帳(37 条)等の義務違反、報告拒否、立入検査の拒否・妨害・忌避という 6 類型に 30 万円以下の罰金を科します。実務では単純な失念は行政指導で収まることが多く、悪質・反復・隠蔽があると刑事立件されます。両罰規定により行為者個人だけでなく法人も処罰され、罰金前科は派遣事業許可の欠格事由に直結します。
派遣会社を経営しているあなたが、ある日労働局の職員から立入検査を告げられる。気が進まず「今日は忙しい」と追い返したとする。その瞬間、検査で何かが見つかるより先に、あなたはもう犯罪を犯している。労働者派遣法 61 条は、6 種類の違反行為に 30 万円以下の罰金を科す。許可・更新の申請書への虚偽記載、変更届出の懈怠や虚偽届出、派遣元管理台帳(第 37 条)や就業条件の明示(第 34 条)など各種義務への違反、報告の拒否、そして立入検査の拒否・妨害・忌避。一見すると事務手続のミスに見えるが、これらはすべて刑事罰の構成要件だ。しかも両罰規定により、行為者個人だけでなく法人にも罰金が科される。さらに罰金刑の前科は、派遣事業許可の欠格事由に直結する。30 万円という金額の小ささに油断すると、許可そのものを失いかねない
労働者派遣法第 61 条は、同法が定める許可手続・届出・就業条件明示・派遣元管理台帳・報告・立入検査に関する比較的軽微な 6 類型の義務違反について、30 万円以下の罰金を定める罰則規定である。両罰規定により、行為者個人と法人の双方が処罰の対象となる。
派遣事業に関する 6 類型の義務違反に 30 万円以下の罰金を科す罰則規定です。許可申請の虚偽記載、届出懈怠、台帳・明示義務違反、報告拒否、検査拒否が対象です。
第 37 条違反として 61 条 3 号の構成要件に該当し、30 万円以下の罰金の対象です。社内文書と侮らず、記載事項の欠落そのものが刑事罰になりえます。
罰金刑の前科は派遣事業許可の欠格事由に直結し、更新・新規取得が困難になります。金額より前科がつくこと自体が事業継続の急所です。
第 34 条の就業条件明示を怠ると 61 条 3 号に該当し、30 万円以下の罰金の対象です。口頭のみで書面・電子データの交付がない場合も違反となります。
第 50 条の報告をせず又は虚偽報告をすると、61 条 5 号により 30 万円以下の罰金です。本体の違反がなくても拒否自体が処罰対象になります。
罰金にあたる罪の公訴時効は 3 年です(刑事訴訟法 250 条 2 項)。起算点は犯罪行為が終わった時で、継続的な不備は状態解消時から起算されえます。
できます。就業条件明示の不交付などに気づいたら、書面で会社に請求しつつ管轄労働局の需給調整事業課に申告し、61 条違反として調査を求められます。
第 11 条等の届出懈怠・虚偽届出は 61 条 2 号に該当します。一回の単純な失念は行政指導で収まりやすいですが、反復・隠蔽があると罰金の対象です。
条文上は届出の懈怠も第 61 条の対象です。ただ実務では、一回の単純な失念なら多くは行政指導や是正勧告で収まり、いきなり罰金になるのは悪質・反復・隠蔽があった場合が中心です。業界裏話ヒント:分かれ目は『労働局が来る前に自分で気づいて直したか』。検査で指摘される前の自主是正は悪質性を否定する強い材料になり、刑事立件を避けやすい。気づいた時点で追完届と経緯メモを残すかどうかで、結末が変わります
正当な理由のない拒否・妨害・忌避や虚偽の答弁は第 51 条第 1 項に違反し、第 61 条第 6 号で 30 万円以下の罰金です。検査の結果に関係なく、拒んだ行為そのものが処罰されます。業界裏話ヒント:『顧問に確認してから』という先延ばしも、長引けば忌避と評価されかねません。現場でやるべきは拒否ではなく、検査には応じつつ、その場の質問への回答は確実な事実に限り、不確かな点は『確認のうえ後日回答する』と切り分けることです
罰金刑も刑事罰なので前科として記録されます。問題は金額より、その前科が労働者派遣事業の許可の欠格事由に該当しうる点です。代表者や法人に前科がつくと、許可の更新・新規取得が困難になります。業界裏話ヒント:略式命令で安易に罰金を受け入れると前科が確定します。事業許可への影響が大きい事案では、正式裁判で争うか不起訴を目指すかを、刑事と労働の双方に強い弁護士と相談してから判断するのが鉄則です(最新の許可基準をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 61 条:6 類型の違反に 30 万円以下の罰金を科す罰則 | — |
| 違反の効果 | 刑事罰(罰金)+ 両罰規定で法人も処罰 | — |
| 許可への影響 | 罰金前科は許可の欠格事由に直結 | — |
| 立入検査との関係 | 検査拒否(51 条違反)自体が 61 条 6 号の別罪 | — |
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