要点民事保全法 14 条は、裁判所が担保を立てさせて、又は担保を立てさせないで保全命令を発令できると定める。担保は、不当な仮差押えで相手方が被る損害の引き当てとなる。
Q · 仮差押えって、被害者である自分の側が先にお金を預けないといけないんですか?
はい、原則として申立人が先に担保を積みます
民事保全法 14 条により、保全命令は担保を立てさせて発令するのが原則です。保全命令は「疎明」(一応確からしい程度の軽い証明)だけで相手の財産を凍結できる強力な処分のため、後で本案訴訟に負けたときに相手が被る損害の引き当てとして、申立人が先に担保を積みます。金額は裁判所の裁量で、実務上おおむね請求額の一〜三割前後が目安ですが、事案で大きく変動します。担保を立てさせないで発令される例外もあります。
取引先が代金を払わないまま資産を移して逃げようとしている。判決を待っていたら相手の財産は空になる。そこで仮差押えを申し立てる。ところが裁判所はこう言う。「担保を積んでください」。これが民事保全法 14 条の正体だ。保全命令は、正式裁判での勝訴ではなく「疎明」(一応確からしいという程度の軽い証明)で発令される。だからもしあなたが後で本案訴訟に負ければ、間違って財産を凍結された相手は損害を被る。その損害の引き当てとして、あなたが先に金を預ける。金額は裁判所の裁量で、請求額の一定割合(実務上おおむね一〜三割、事案により大きく変動)になることが多い。担保なしで発令されることもあるが例外的だ。被害者だから当然に守られる、ではない。まず自分が現金を用意できるかが、相手の財産を押さえられるかどうかの分かれ目になる。
民事保全法 14 条は保全命令の担保に関する規定であり、裁判所が保全命令を発するにあたり、担保を立てさせて発する、相当と認める一定の期間内の担保提供を保全執行の条件とする、又は担保を立てさせないで発するという三つの発令形態を認めるものである。担保は、疎明のみで発令される保全命令が後に不当と判断された場合に相手方が被る損害を担保する機能を有する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
疎明だけで相手の財産を凍結する保全命令が後に不当と判断された場合に、相手が被る損害を担保するため、申立人が裁判所の指定に従って供託する金銭等です(民事保全法 14 条)。
本案訴訟の確定など担保取消しの要件が整い、担保取消しの手続(民事訴訟法 79 条準用)を踏むまで戻りません。数か月〜数年供託所に眠ることもあり、一時的な出費では済みません。
本案の確定等の後、相手方の同意を得るか、権利行使の催告を経て担保取消しを申し立てます(民事訴訟法 79 条準用)。放置すると預けた担保が戻らないので注意が必要です。
どちらも 14 条で担保が原則ですが、処分禁止の仮処分や係争物に関する仮処分など、事案の性質と相手方が被る損害の見込みで担保額の水準は変わります。
あります。14 条 1 項は「担保を立てさせないで発することができる」と明記しており、被保全権利の疎明が極めて強い場合などに無担保発令の余地があります。ただし例外的です。
原則は必要ですが、賃金などの労働債権では担保額が低めに、あるいは無担保に近く設定される運用が実務上みられます(事案による)。相場感を弁護士に確認するのが有効です。
供託した金銭には供託金利息が付くことがありますが、極めて低率です。担保を長期間寝かせる資金繰り上のコストの方が実務では問題になります。
原則として担保を立てるべき地を管轄する地方裁判所所在地の供託所です。遅滞なく供託が困難な事由があれば、裁判所の許可を得て債権者の住所地等の供託所に供託できます(14 条 2 項)。
法律に固定額はなく、裁判所が事案ごとに裁量で決めます(民事保全法 14 条 1 項)。実務上は請求債権額のおおむね一〜三割前後が一つの目安ですが、被保全権利の疎明の強さや財産の種類で大きく上下します。業界裏話ヒント:同じ請求額でも、申立書で証拠を厚く固め必要性を具体的に書くほど担保は下がりやすい。担保額は「言い渡されて終わり」ではなく、申立ての作り込みで動かせる余地があると知る弁護士は、そこに力を入れる。(最新の運用状況をご確認ください)
現金がなくても、支払保証委託契約(銀行や保証会社に保証してもらい、その保証書を担保に代える方法)を使える場合があります(民事保全法 4 条・関連する裁判所規則)。これなら数百万円を供託所に寝かせずに済みます。業界裏話ヒント:この方法を知らずに「現金がないから無理」と諦める人が多い。申立てと同時に上申すれば認められることが多く、資金力のない側でも仮差押えを打てる。まず弁護士に「保証委託は使えますか」と聞く。
申立人が積んだ担保がありますから、その仮差押えが後に不当と判断されれば、担保から損害賠償を回収できます(14 条の担保はまさにこのためにある)。対抗手段として保全異議や、仮差押えなら仮差押解放金(民事保全法 22 条)の供託で執行を止める道もあります。業界裏話ヒント:債務者側は「担保がいくら積まれているか」を早く確認するのが鍵。担保額が自分の被る損害より小さいと感じたら、それ自体を保全異議で争える。凍結されたらまず担保額を見る。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 民保法 14 条:保全命令の担保(申立人が積む) | — |
| 誰が金を積むか | 申立人(債権者)が不当保全の損害担保として先払い | — |
| 時間の縛り | 相当と認める一定の期間内に担保を立てることが執行条件 | — |
| 関連する期間制限 | 保全執行は命令送達から 2 週間で原則不可(民保法 43 条 2 項) | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。