要点民事保全法 13 条は、保全命令の申立てで申立ての趣旨・保全すべき権利・保全の必要性を明らかにすべきと定め、権利と必要性は証明ではなく疎明で足りるとする。
Q · 裁判に勝つ前に相手の財産を押さえるには、どこまで証拠を固めればいいの?
証明より軽い「疎明」で足り、本案前に財産を押さえられます
民事保全法 13 条により、保全命令の申立てでは申立ての趣旨・保全すべき権利・保全の必要性を明らかにする必要がありますが、権利と必要性については「証明」ではなく一段軽い「疎明」で足ります。疎明とは、裁判官に「一応確からしい」と思わせる程度の立証をいい、即時に取り調べられる書証(契約書・請求書・振込履歴など)でこれを行います。この軽い入口が、本案訴訟を待たずに仮差押え・仮処分で相手の財産を押さえる速さの正体です。ただし代償として担保の提供(14 条)が求められます。
あなたに 300 万円を借りたまま音信不通になった相手が、こっそり不動産を売り、車を手放し始めた。裁判で勝つのは半年先。そのとき相手の手元に何も残っていなければ、勝訴判決はただの紙切れになる。ここで効くのが民事保全法 13 条だ。保全命令、つまり仮差押えや仮処分の申立てでは、あなたは三つを示せばよい。申立ての趣旨、保全すべき権利、そして保全の必要性。しかも権利と必要性は「証明」ではなく「疎明」で足りる。証明が裁判官に確信を抱かせることなら、疎明は「一応確からしい」と思わせれば足りる、一段軽いハードルだ。この一段の差が、本案訴訟を待たずに相手の口座を今すぐ凍結できる速さの正体である。完璧な証拠がなくても動ける、それが保全の力だ。
民事保全法 13 条は、保全命令の申立要件と立証の程度を定める規定である。申立てにあたっては申立ての趣旨、保全すべき権利または権利関係、および保全の必要性を明らかにする必要があり、このうち権利と必要性については証明より軽い「疎明」で足りるとされる。疎明とは、裁判官に一応確からしいとの心証を抱かせる程度の立証をいう。
AI 輔助整理,以條文原文為準
本案訴訟の判決を待たずに、相手の財産を暫定的に押さえたり現状を維持したりする裁判所の命令です。仮差押えと仮処分の総称で、民事保全法 13 条が申立ての基本要件を定めます。
仮差押えは金銭債権の保全のため相手の財産を凍結する手続(20 条)、仮処分は金銭以外の権利や争いのある地位を暫定的に守る手続(23 条)です。どちらも 13 条の疎明を基礎とします。
相手が財産を売却・隠匿・移転している具体的な兆候を、書証で示します。不動産の売り出し、退職、資産の名義変更、破産検討のメールなど、即時に出せる客観資料が有効です。
即時に取り調べられる書証に限られます。契約書、請求書、振込履歴、LINE や メールのスクリーンショット、登記事項証明書などです。証人尋問など時間を要する立証は疎明には使えません。
本案の管轄裁判所、または仮に差し押さえる物・係争物の所在地を管轄する地方裁判所に申し立てます(民事保全法 12 条)。相手の取引銀行の支店所在地も基準になり得ます。
申立手数料(収入印紙、通常 2,000 円程度)と予納郵券のほか、担保金(14 条)が必要です。担保は請求債権額の 2〜3 割が一つの目安で、勝訴後に取り戻せます。
疎明が整っていれば、仮差押えは債務者への審尋なしに即日〜数日で発令されることもあります。密行性が原則のため、相手に知られる前に暫定的な凍結がかかります。
できます。仮差押えは密行性が原則で、債務者に告げないまま審理・発令され、送達と同時に効力が生じます。資産を移す隙を与えないための不意打ちの仕組みです。
証明は裁判官に「間違いない」と確信を抱かせる水準、疎明は「一応確からしい」と思わせれば足りる一段軽い水準です(民事保全法 13 条 2 項)。業界裏話ヒント:疎明は即時に取り調べられる証拠に限られます(民事訴訟法 188 条)。証人を法廷に呼んで調べる時間はないので、契約書・請求書・LINE のスクショといった、その場で出せる書面こそが命。書面が薄いと、事実が正しくても疎明で足りない
できます。金銭債権の保全なら仮差押え(民事保全法 20 条)で、疎明さえ通れば本案訴訟の前に口座を押さえられます。業界裏話ヒント:仮差押えは密行性が原則で、債務者に知られないまま発令され、送達と同時に凍結がかかります。ただし対象口座の金融機関と支店(第三債務者)を特定して申し立てる必要がある。相手の取引銀行を先に把握しているかどうかで、成否が分かれる
事案によりますが、仮差押えでは請求債権額の 2〜3 割程度が一つの目安です(民事保全法 14 条)。誤った差押えで相手が受ける損害の保証という位置づけです。業界裏話ヒント:担保は本案で勝てば取り戻せます(担保取消し)。しかも現金一括でなくても、銀行との支払保証委託契約で代替できる場合が多い。まとまった現金がないから無理、と諦める前に、代替手段を確認する
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 13 条:申立ての要件と立証の程度(疎明で足りる) | — |
| 立証の水準 | 権利と必要性は疎明(一応確からしい程度) | — |
| 債権者の負担 | 軽い入口だが代償として担保(14 条)が必要 | — |
| タイミング | 本案訴訟の前または並行して申立可能 | — |
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