保全命令の申立てを取り下げるには、保全異議又は保全取消しの申立てがあった後においても、債務者の同意を得ることを要しない。
要点民事保全法18条により、保全命令の申立ての取下げには、保全異議や保全取消しの申立て後であっても債務者の同意は不要である。ただし取下げは不当な保全の損害賠償責任までは免れさせない。
Q · 仮差押えに異議を出したのに、相手が勝手に取り下げるのは認められるの?
保全異議の後でも、債務者の同意なしに取り下げられます
民事保全法18条により、保全命令の申立ての取下げには、保全異議又は保全取消しの申立てがあった後であっても債務者の同意は必要ありません。応訴後の訴えの取下げに被告の同意を要する民事訴訟法261条2項とは扱いが異なり、債権者は単独で撤退できます。ただし取下げで手続が終了しても、不当な仮差押え・仮処分によって生じた損害の賠償責任(民法709条)まで消えるわけではありません。供託された担保金も取下げだけでは債権者に戻らず、債務者の同意又は権利行使催告の手続を経る必要があります。
取引先ともめて、ある朝あなたの会社の口座が凍結されていることに気づく。相手が裁判所に仮差押えを申し立てたのだ。あなたは保全異議で反撃する。審尋の期日が近づき、こちらが勝てそうだと弁護士も言う。その矢先、相手から一枚の取下書が届く。あなたは思う、こんな身勝手が許されるのか、と。許される。民事保全法18条は、保全命令の申立てを取り下げるのに、保全異議や保全取消しの申立てがあった後でも債務者、つまりあなたの同意は要らないと定める。通常の訴訟なら、相手が応訴した後の取下げには被告の同意が必要だ(民事訴訟法261条2項)。だが保全は違う。攻め込んだ側だけが、いつでも同意なしに引き上げられる。ここで多くの人が見落とすのは、取下げは債権者を免罪しないという一点だ。凍結された数週間の損害は、別の入口から取り返せる。
民事保全法18条は、保全命令の申立ての取下げに関する規定であり、保全異議又は保全取消しの申立てがあった後においても、債務者の同意を要しないことを定める。応訴後の取下げに被告の同意を求める民事訴訟法261条2項の特則として機能し、暫定的措置である保全手続において債権者の処分権を貫徹させる趣旨に基づく。
AI 輔助整理,以條文原文為準
取下げにより保全命令は効力を失いますが、執行裁判所に取下げが届き保全執行の取消手続がとられて初めて凍結が解けます。即日で解除されるとは限らない点に注意が必要です。
保全命令を発した裁判所に対し、債務者がその命令の当否を争う不服申立てです。申立てをした後でも、債権者は民事保全法18条により同意なく取り下げることができます。
取下げただけでは戻りません。債務者の同意、又は裁判所を通じた権利行使催告の手続を経て担保取消しの決定を得る必要があります(民事保全法4条、民事訴訟法79条の準用)。
取下げは債権者が自ら申立てを撤回する行為、保全取消しは債務者の申立てにより裁判所が命令を取り消す裁判です。取下げでは裁判所の判断が一切残りません。
請求できます。保全が不当であれば民法709条の不法行為として、凍結期間中の支払遅延・遅延損害金・信用毀損などの損害を独立の訴訟で請求します。取下げは責任を消しません。
民法724条により、損害及び加害者を知った時から3年(人の生命・身体の侵害は5年)、不法行為の時から20年とされています。最新の改正状況をご確認ください。
民事保全法18条は債務者の同意を不要とするのみで、許可を要件とする定めはありません。保全命令が効力を有する間、債権者はいつでも取下げができます。
保全と本案は別個の手続なので、保全の取下げだけで本案訴訟が終わることはありません。ただし早期の取下げが保全の必要性への自信のなさと受け取られる可能性はあります。
許されます。民事保全法18条が、保全異議の後でも債務者の同意は不要と定めているからです。通常の訴訟(民事訴訟法261条2項)と違い、保全では債権者が自由に撤退できます。業界裏話ヒント:取下げは債権者を免罪しません。仮差押えが不当だったなら、凍結期間の損害を民法709条で請求できる。弁護士はこれを積極的には言わない、立証に手間がかかるからだ。だが担保金が供託されていれば、そこから優先的に回収できる可能性がある
保全異議の手続の中では認めてもらえません。取下げで手続自体が終了し、判断を得る前に土俵が消えるからです。別途、独立した損害賠償訴訟で最初から不当性を立証することになります(民法709条)。業界裏話ヒント:本案訴訟で債権者が敗訴すると、判例上その保全にも過失が事実上推定されやすくなる(最判昭和43.12.24の系譜)。ただし取下げのみで過失を認めるかは実務上、解釈が分かれている。だから債務者は本案の帰趨も見据えて賠償請求のタイミングを計る
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 手続を終わらせる主体 | 民事保全法18条:債権者が自ら申立てを取り下げる | — |
| 適用の前提 | 保全命令が効力を有する間ならいつでも可能、要件なし | — |
| 相手方の同意・関与 | 債務者の同意は不要(保全異議・保全取消しの申立て後でも同じ) | — |
| 裁判所の判断が残るか | 残らない。保全の不当性は別訴で最初から立証し直す | — |
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