要点民事保全法 37 条は、債務者の申立てにより裁判所が債権者へ 2 週間以上の期間内に本案提起を命じる起訴命令を定める。債権者が応じなければ保全命令は取り消される。
Q · 口座を仮差押えされたら、裁判で決着がつくまで凍結されたまま耐えるしかないの?
起訴命令で相手に本訴提起を迫れ、応じなければ保全は取り消せます
耐えるしかないわけではありません。相手がまだ本案の訴えを起こしていないなら、保全命令を発した裁判所に起訴命令を申し立てられます(民事保全法 37 条 1 項)。裁判所は債権者に 2 週間以上の期間を定めて本訴提起とその証明書面の提出を命じ、債権者が期間内に応じなければ、裁判所は債務者の申立てにより保全命令を取り消さなければなりません(3 項)。労働審判や家事調停などの申立ては本案の訴えとみなされますが(5 項)、その手続が成立によらず終了すれば、終了日から同一期間内の本訴提起が必要です(6 項)。
取引先から売掛金を争ったら、まだ裁判で負けたわけでもないのに、いきなりあなたの銀行口座が仮差押えされた。手元資金が動かせず、支払い予定表を前に頭が真っ白になる。多くの人はここで判決が出るまで耐えるしかないと諦めるが、民事保全法 37 条を知っている債務者は違う手を打つ。保全命令を出した裁判所に申し立てて、相手(債権者)に「相当と認める一定の期間内、しかも 2 週間以上の期間内に、本案の訴えを起こしてその証明書面を出せ」と命じさせるのだ。これを起訴命令という。相手が期間内に本訴を提起できなければ、裁判所はあなたの申立てにより保全命令を取り消さなければならない。仮差押えも仮処分も、本番の裁判までの「仮の措置」にすぎない。相手に本気で戦う準備がない、あるいは証拠不足で本訴を躊躇しているなら、この一手で凍結を溶かせる。押さえられた側が、逆に時計の針を相手に突きつける仕組みだ。
民事保全法 37 条にいう起訴命令とは、保全命令を発した裁判所が、債務者の申立てに基づき、債権者に対して相当と認める一定の期間(2 週間以上)内に本案の訴えを提起しその係属を証する書面の提出を命じる裁判をいう。債権者が期間内に書面を提出しなければ、保全命令は債務者の申立てにより取り消される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
保全命令を発した裁判所が、債務者の申立てにより、債権者へ 2 週間以上の期間内に本案の訴えを提起し証明書面を提出するよう命じる裁判です(民事保全法 37 条)。
保全命令を発した裁判所に申し立てます。仮差押え・仮処分の決定書に発令裁判所が記載されているので、まずそこを確認してください。
裁判所が相当と認めて定めますが、法律上 2 週間以上でなければなりません(37 条 2 項)。実務では 2 週間前後が多いとされます。
相手が本訴未提起なら起訴命令を申し立て、期間徒過後に保全取消しを申し立てます。ほかに事情変更(38 条)や特別事情(39 条)による取消しもあります。
本案の訴えが取り下げ・却下された場合、証明書面は提出しなかったものとみなされ(37 条 4 項)、保全取消しを狙えます。
申立手数料と予納郵券が必要です。金額は事件により異なるため、申立て前に管轄裁判所へ確認するのが確実です。
保全異議は発令の当否を争う手続、起訴命令は債権者に本案提起を強制し不提起なら取り消す手続です。狙いどころが異なります。
債権者が既に本案を提起し係属を証明している場合や、保全命令が存続していない場合は実益がありません。まず係属の有無を確認します。
いいえ。相手がまだ本訴を起こしていないなら、保全命令を出した裁判所に「起訴命令」を申し立てられます(民事保全法 37 条 1 項)。裁判所は相手に 2 週間以上の期間で本訴提起を命じ、相手が証明書面を出さなければ、あなたの申立てで取り消されます(3 項)。業界裏話ヒント:実務では、証拠が固まっていない段階で見切り発車の保全を打つ債権者が一定数いる。起訴命令はそういう相手に効く。申し立てた瞬間に、相手が慌てて和解を持ちかけてくることも珍しくない
潰せません。37 条 5 項で、労働審判・家事調停・仲裁・公害責任裁定の申立ては本案の訴えとみなされます。ただし、その手続が労働審判や調停の成立によらずに終わった場合、相手は終了日から同じ期間内に改めて本訴を起こす必要があり(6 項)、起こさなければそこで取消しを狙えます。業界裏話ヒント:代替手続が「どう終わったか」が分岐点。不成立や労働審判事件の終了で流れたのに相手が本訴を怠れば、そこが取消しの好機。終了形態を見逃さず追うのが勝負どころ
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 取消しの根拠 | 民保法 37 条:起訴命令に対する本案不提起 | — |
| 申立ての主導者 | 債務者(まず起訴命令を申立て) | — |
| 取消しの前提 | 債権者が期間内に本案提起の証明書面を出さないこと | — |
| 裁判所の裁量 | 要件を満たせば取消しは義務(3 項) | — |
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