要点民事保全法 32 条は、保全異議の申立てに対し裁判所が保全命令を認可・変更・取消のいずれかで決定すると定める。命令維持の条件として債権者への担保増額を命じることもできる。
Q · 仮差押えで口座を凍結されたら、もう覆せないんですか?
保全異議で認可・変更・取消を争えます
民事保全法 32 条により、保全異議の申立てを受けた裁判所は、その決定で保全命令を認可・変更・取消のいずれかを必ず選びます。保全命令はあなた抜きに疎明だけで出された暫定的な決定なので、変更・取消は珍しくありません。ただし異議を申し立てても執行は自動では止まらず、止めるには保全執行の停止(27 条)を別に打つ必要があります。裁判所は命令維持の条件として債権者に担保の増額を命じることもできます(32 条 2 項)。
ある朝、取引先への振込をしようとしたら、銀行口座が凍結されていた。仮差押えだ。あなたは何も言っていないし、裁判所に呼ばれた覚えもない。それもそのはず、保全命令は債権者の言い分と「疎明」(一応確からしいという程度の、本証より緩い証明)だけで、あなた抜きに発令される。そこで登場するのが民事保全法 32 条だ。あなたが保全異議を申し立てると、裁判所はその決定で必ず三つのうち一つを選ばなければならない。認可(そのまま維持)、変更(一部手直し)、取消(白紙に戻す)。つまりこの条文は、あなたが初めて自分の言い分を述べられる土俵であり、裁判所が一方的に下した仮の決定を正面から覆せる唯一の入口だ。しかも命令の土台は疎明にすぎないから、本案訴訟の高い立証ハードルより崩しやすい。さらに裁判所は、命令を維持する代わりに債権者へ担保の積み増しを命じることもできる。凍結された側にも、握れる手札は一枚ではない。
民事保全法 32 条は保全異議の決定を定める規定であり、裁判所は保全異議の申立てについての決定において、保全命令を認可・変更・取消のいずれかとしなければならない。命令維持の条件として債権者への担保増額を、取消決定の条件として債務者の担保提供を付すこともできる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
債務者の言い分を聞かずに出された保全命令に対し、債務者がその取消・変更を求めて争う不服申立てです。民事保全法 26 条が根拠で、命令が効力を持つ限りいつでも申し立てられます。
保全異議(26 条)で命令の取消を求めると同時に、審理中の執行を止めるため保全執行の停止(27 条)を申し立てます。取消決定が出れば凍結は解けます。
保全異議とは別に、審理中の執行を止めてもらう申立てです(27 条)。異議だけでは執行は続くため、口座凍結や差押えを止めるにはこの申立てが必要です。
認可(そのまま維持)・変更(一部手直し)・取消(白紙に戻す)の 3 つです。民事保全法 32 条 1 項により、裁判所は必ずこのいずれかで決定します。
申立手数料の収入印紙と郵券が必要です。金額は事案や裁判所により異なるため、管轄裁判所または弁護士に確認してください。捏造値は避けます。
口頭弁論を経ないで決定できますが、当事者双方が立ち会える審尋期日が開かれるのが通常です。ここで債権者の疎明に反証します。
民事保全法 32 条 2 項により、裁判所は命令を維持する代わりに、債権者に担保の積み増しを命じることができます。相手に追加のキャッシュ負担を課す仕組みです。
保全命令が取り消された場合に、執行前の状態へ戻すための裁判です(33 条)。取消の決定と併せて申し立てることで、財産を元に戻せる余地があります。
出訴期間はありません。保全命令が効いている限り、いつでも申し立てられます(26 条)。混同しやすいのは、異議の決定に不服なときの保全抗告で、こちらは送達から 2 週間の不変期間です(41 条)。業界裏話ヒント:期限がないからと油断すると、その間も執行は進みます。実務で本当に効くのは「いつまでに出すか」より「執行が財産を削る前に、異議と同時に執行停止を打てるか」。動き出しの一日が凍結解除の可否を分ける
止まりません。保全異議には執行停止の効力がなく、審理中も執行は続きます。止めるには保全執行の停止(27 条)を別に申し立て、裁判所の判断を得る必要があります。業界裏話ヒント:この「異議と停止は別物」を知らずに異議だけ出し、審理の数か月で資金が尽きるケースが後を絶ちません。弁護士は必ず二つをセットで打ちます。停止には担保を求められることも多いので、その原資も同時に用意しておく
取消の決定が確定すれば、不当な保全による損害賠償を債権者に請求できます。原状回復の裁判(33 条)で執行前の状態に戻す道もあり、債権者が積んだ担保は賠償の引き当てになります。業界裏話ヒント:取消を勝ち取っただけで満足して賠償請求を忘れる人が多い。相手が命令を得るために積んだ担保の存在と金額を、異議の段階で確認しておくと、後の回収可能性が読める
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 手続の性質 | 32 条:保全異議についての決定(認可・変更・取消) | — |
| 執行への効力 | 決定内容により執行の維持・停止が確定 | — |
| 期間制限 | 決定手続。出訴期間の定めなし | — |
| 担保の扱い | 2 項:命令維持に債権者の担保増額/3 項:取消に債務者の担保 | — |
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