要点民事保全法 27 条は、保全異議中に保全執行を止める規定。取消原因が明らかで償えない損害が生ずる旨を疎明し担保を積めば、異議の決定までの間、執行停止や執行処分の取消しを命じてもらえる。
Q · 口座を仮差押えされたので保全異議を出しました。これで凍結は止まりますよね?
止まりません。27 条で別に執行停止を申し立てる必要があります
止まりません。保全異議(民事保全法 26 条)には執行を止める効力がなく、異議の結論が出るまで差押えは続きます。止めたい場合は民事保全法 27 条により、(1)保全命令の取消原因が明らかであること、(2)保全執行により償えない損害が生ずるおそれがあること、この二つを疎明し、担保を立てて、執行停止又は既にした執行処分の取消しを別途申し立てる必要があります。この 27 条の裁判に対しては不服を申し立てることができません(4 項)。
取引先から突然、あなたの銀行口座が仮差押えで凍結された。売掛金の入金は入っても引き出せず、支払いも止まり、事業が回らなくなる。あなたは「不当だ」と保全異議を申し立てる。ここで多くの人が命取りの誤解をする。異議を出せば凍結が止まると思い込むのだ。止まらない。保全異議には執行を止める効力がない。異議の審理が終わるまで、口座は凍結されたままだ。その空白を埋めるのが 27 条である。裁判所に別途申し立て、(1)保全命令が取り消される見込みが明らかであること、(2)このままでは取り返しのつかない損害が出ること、この二つを疎明(一応確からしいと裁判官に思わせる程度の立証、本証よりハードルが低い)し、担保を積めば、異議の決定が出るまでの間だけ、執行の停止や既にされた差押えの取消しを命じてもらえる。証明ではなく疎明でよい、この一段低い壁が、緊急の場面であなたを救う。
民事保全法 27 条は保全執行の停止に関する規定であり、保全異議の申立てを前提として、保全命令の取消原因が明らかであること及び償えない損害のおそれがあることの疎明と担保を条件に、異議についての決定までの暫定的な執行停止又は既にした執行処分の取消しを裁判所が命じ得ることを定める。当該裁判に対しては不服申立てが認められない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
保全異議の審理中に、保全命令に基づく差押え等の執行を暫定的に止める制度です。民事保全法 27 条が根拠で、取消原因が明らかであることと償えない損害の疎明、そして担保が必要です。
保全異議の申立てを受けている裁判所に申し立てます。抗告裁判所が保全命令を発した場合で事件記録が原裁判所にあるときは、その原裁判所も判断できます(27 条 2 項)。
できません。民事保全法 27 条 4 項が、1 項の執行停止の裁判及び 3 項の取消し・変更・認可の裁判に対する不服申立てを認めていません。一発勝負なので疎明の作り込みが重要です。
保全異議(26 条)は債権者の同一手続内で命令の当否を争うもの、保全取消し(37 条以下)は本案不提起や事情変更を理由に取消しを求めるものです。27 条の停止はいずれの局面でも問題になります。
証明は裁判官に確信を抱かせる立証、疎明は「一応確からしい」と思わせる程度の立証で、証明よりハードルが低く、即時に取り調べられる証拠に限られます。27 条は疎明で足ります。
金銭賠償によっては事後的に回復できない損害を指します。凍結による資金ショートで倒産する、事業の信用が失墜するなど、後で担保から填補しても取り返しがつかない損害が典型です。
執行停止はこれから進む執行を止めるもの、執行処分の取消しは既にされた差押え等の処分を解くものです。27 条 1 項は状況に応じて両方を命じ得ます。
保全異議についての決定で 3 項の裁判(取消し・変更・認可)がされるまでの暫定的な効力です。異議の決定が出た瞬間に整理されるため、動くなら異議申立てと同時期が定石です。
止まりません。保全異議(民事保全法 26 条)には執行を止める効力がなく、異議の結論が出るまで差押えは続きます。止めたければ 27 条で執行停止を別に申し立て、取消しの見込みと償えない損害を疎明し、担保を積む必要があります。業界裏話ヒント:この「異議に停止効なし」を知らずに異議だけ出して安心し、その間に口座凍結で資金ショートする中小企業は珍しくない。弁護士は異議と停止をセットで申し立てるのが常道だが、本人申立てだと停止を出し忘れて自滅する
法律に定額はなく、裁判所が事案ごとに、停止で相手方(債権者)が被る損害を目安に定めます(27 条 1 項、担保の一般規定は民事保全法 4 条・14 条)。差押えの対象額そのものではなく、停止期間中に生じうる損害の相当額が基準です。業界裏話ヒント:担保は現金の供託だけでなく、支払保証委託契約(銀行等のボンド)で立てられる場合が多い。手元現金がなくても銀行保証で担保を用意できることがあり、資金繰りが苦しい債務者こそこの選択肢を知っておくと停止のハードルが下がる
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| 目的 | 27 条:異議の決定までの暫定的な執行停止・執行処分の取消し | — |
| 執行への効果 | 疎明と担保があれば執行を止められる(能動的な一手が必要) | — |
| 要件 | 取消原因が明らか+償えない損害の二重疎明+担保 | — |
| 不服申立て | 27 条 4 項によりできない(一発勝負) | — |
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