法人を代表する者その他法人の役員として登記された者について、その職務の執行を停止し、若しくはその職務を代行する者を選任する仮処分命令又はその仮処分命令を変更し、若しくは取り消す決定がされた場合には、裁判所書記官は、法人の本店又は主たる事務所の所在地(外国法人にあっては、各事務所の所在地)を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。
要点民事保全法 56 条は、役員の職務執行停止・職務代行者選任の仮処分が出されると、裁判所書記官が職権で登記所へ登記を嘱託すると定める。仮処分の変更・取消しの際も同様に嘱託される。
Q · 会社の乗っ取り争いで社長を止めたら、それって登記簿に載るんですか?
はい。裁判所書記官が職権で職務執行停止の登記を嘱託します。
民事保全法 56 条により、法人の役員について職務執行停止や職務代行者選任の仮処分命令が出されると、裁判所書記官が職権で登記所へその登記を嘱託します。当事者が自分で登記申請する必要はありません。この登記によって、止められた役員の権限喪失が取引先・銀行・すべての第三者に公示され、対抗できる状態になります。仮処分が変更・取消しされた場合も、同じく書記官が登記を嘱託し直すため、役員の地位変動が登記簿上でリアルタイムに反映されます。
会社の登記簿に「取締役職務代行者」の文字が載った瞬間、その会社は内部で戦争状態にあると、取引先も銀行も一目で読み取る。民事保全法 56 条は、法人の代表者や役員について、職務の執行を停止する仮処分、あるいは職務を代行する者を選任する仮処分が出されたとき、裁判所書記官が職権でその登記を登記所に嘱託しなければならないと定める。ここが急所だ。あなたが同族会社の跡目争いで相手の社長を止めたいとき、裁判所の仮処分決定そのものは当事者間の紙にすぎない。だがこの 56 条によって、その凍結が登記簿という公の舞台に載り、世界中の取引相手に対抗できる力を持つ。逆にあなたが止められた側なら、登記された瞬間、あなたが結んだ契約の効力さえ揺らぐ。仮処分が変更・取消しされれば、その登記もまた書記官が嘱託し直す。地位の変動が、リアルタイムで公示され続ける仕組みだ。
民事保全法 56 条は、法人の代表者その他登記された役員の職務執行を停止し、又は職務代行者を選任する仮処分命令、及びその変更・取消しの決定について、裁判所書記官が職権で当該法人の本店又は主たる事務所の所在地を管轄する登記所へ登記を嘱託する義務を定めた手続規定である。役員の地位変動を公示し、第三者に対する対抗力を生じさせる機能を持つ。
AI 輔助整理,以條文原文為準
本案(取締役解任の訴え等)を見据え、争いのある役員の職務執行を暫定的に止める仮処分です。仮の地位を定める仮処分(民事保全法 23 条 2 項)として申し立てます。
当事者ではなく裁判所書記官が職権で嘱託します(民事保全法 56 条)。仮処分決定が出れば自動的に登記手続が進むため、勝った側が自分で登記申請する必要はありません。
申立手数料(収入印紙)のほか、保全の担保金が必要です。担保額は事案の規模や相手方の損害見込みで裁判所が決め、数十万〜数百万円になることもあります。
保全異議(民事保全法 26 条、期間制限なし)または保全抗告(同 41 条、送達日から 2 週間)で決定自体を争います。登記による信用毀損が広がる前に速やかに動くのが実務です。
裁判所が仮処分決定の中で選任します。多くは弁護士など中立的な第三者が選ばれ、会社の常務(日常業務)を暫定的に担います(会社法 352 条)。
確認できます。登記完了後は役員欄に職務執行停止・職務代行者の記載が載り、誰でも登記事項証明書を取得して会社が内部紛争中であることを読み取れます。
使えます。理事・監事・代表清算人など「登記された役員」全般が対象です。宗教法人・医療法人・一般社団法人などの理事の職務執行停止でも本条が適用されます。
書記官が改めて登記を嘱託し、職務執行停止・職務代行者の記載を抹消します(民事保全法 56 条)。地位の変動は登記簿上でリアルタイムに追随します。
いいえ。職務代行者の権限は原則として会社の「常務」、つまり日常的な業務に限られます(会社法 352 条 1 項)。新株発行や重要財産の処分など常務を超える行為には、裁判所の許可が必要です。業界裏話ヒント:代行者が許可なく常務外の行為をしても、善意の第三者には会社が責任を負う(同条 2 項)。「代行者は何もできない」と油断していると、越権行為で会社が縛られることがある。代行者の一挙手一投足は監視対象だ
職務執行停止の効力は決定時から生じますが、第三者への対抗は登記(民事保全法 56 条、会社法 908 条)が鍵になります。登記前に善意の相手方と結ばれた取引は、会社が「代表権はなかった」と主張しにくい場面があります。業界裏話ヒント:だからこそ実務では、仮処分決定が出たら登記完了を待たず、主要取引先へ内容証明で代表権の変動を通知する。個別に相手の「悪意」を作り込むことで、登記の空白期間の取引も争える余地が生まれる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 56 条:仮処分の登記嘱託(公示・対抗力の付与) | — |
| 手続の主体 | 裁判所書記官が職権で嘱託(当事者申請不要) | — |
| 効果のタイミング | 登記完了で第三者への対抗力が生じる | — |
| 期間制限 | 嘱託自体に期限なし(決定後に職権で実施) | — |
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