保険業法 第141条(保険契約の移転による入社)
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保険契約の移転がされた場合において、移転先会社が相互会社であるときは、当該保険契約の移転に係る移転対象契約者は、当該相互会社に入社する。ただし、移転先会社の定款において当該保険契約の移転に係る保険契約と同種の保険契約に係る保険契約者が社員とされていない場合は、この限りでない。
この条文の基本情報
保険契約の移転による入社とは何ですか?
定義保険契約の移転による入社とは、保険業法第141条に定められた規定で、「保険契約の移転がされた場合において、移転先会社が相互会社であるときは、当該保険契約の移転に係る移転対象契約者は、当該相互会社に入社する。ただし、移転先会社の定款…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第141条(保険契約の移転による入社)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第141条の条文原文は「保険契約の移転がされた場合において、移転先会社が相互会社であるときは、当該保険契約の移転に係る移転対象契約者は、当該相互会社に入社する。ただし、移転先会社の定款…」で始まります。
- 保険業法第141条は第一節 保険契約の移転に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第141条の前の条は保険業法第140条です。
- 保険業法第141条の次の条は保険業法第142条です。
- 保険業法第141条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第141条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第141条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/141
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法141条は、移転先会社が相互会社のとき移転対象契約者は当該相互会社に入社すると定める。ただし定款で同種契約者が社員とされていない場合は入社しない。
Q · 保険契約が別の会社に移されたら、自分の立場は何か変わるんですか?
移転先が相互会社なら、原則として社員になります
保険業法141条により、保険契約の移転がされ移転先会社が相互会社であるときは、移転対象契約者は当該相互会社に入社します。入社は雇用ではなく、相互会社の構成員(社員)になることを意味し、社員総会(実務上は社員総代会)を通じた経営関与や剰余金分配の対象となる地位が生じます。申込書の提出や個別の同意は不要で、移転の効力発生と同時に効果が生じます。ただし移転先会社の定款において、当該移転に係る保険契約と同種の契約に係る契約者が社員とされていない場合は入社しません(同条ただし書)。定款は本店で閲覧できます(保険業法64条)。
解説
契約していた保険会社が経営難で他社に契約を売り渡した。届いた通知は「保険契約の移転」の一言だけ。だが移転先が相互会社だった場合、あなたの身分そのものが変わる。保険業法141条は、移転先が相互会社であれば、移転された契約者は「その相互会社に入社する」と定める。入社とは就職ではない。相互会社の構成員、つまり社員になるということだ。株式会社でいう株主に近い立場で、社員総会(または社員総代会)を通じて経営に関与する権利、剰余金の分配を受ける権利が生じる。あなたは申込書を書いていない。同意もしていない。それでも法律の効力で社員になる。ただし但書がある。移転先の定款で、その種類の保険契約者を社員としない扱いにしている場合は入社しない。つまりあなたが社員になるかどうかは、あなたが一度も読んだことのない他社の定款一枚で決まっている。
法的な位置づけ
保険業法141条は、保険契約の移転に伴う社員資格の取得を定める規定である。移転先会社が相互会社である場合、移転対象契約者は当該相互会社に入社し、社員として社員総会(社員総代会)における議決権や剰余金分配の対象となる地位を取得する。ただし移転先会社の定款で同種の保険契約に係る契約者が社員とされていないときは、入社の効果は生じない。
手順
- 1.移転通知・公告で移転先の法人形態を確認 届いた移転通知や公告で、移転先会社の商号と法人形態(相互会社か株式会社か)を特定する。保障内容の欄より先にここを読む。株式会社なら141条の入社は起きず、相互会社なら次のステップへ進む
- 2.移転先会社の定款で社員資格条項を確認 移転先が相互会社の場合、その定款において自分の契約種類と同種の保険契約に係る契約者が社員とされているかを確認する。定款は本店に備え置かれ閲覧・謄本請求ができる(保険業法64条)。窓口の口頭説明ではなく、定款の条項番号を示すよう求める
- 3.社員に該当する場合、登録住所と連絡先を点検 社員に該当するなら、社員総代選挙の案内や剰余金分配の通知が届く宛先が最新かを点検する。登録住所が古いままだと通知が届かず、権利があること自体に気付かないまま推移する
- 4.移転自体に納得できなければ異議申述期間内に申し出る 移転に異議がある場合は、公告で定める異議申述期間内に書面で異議を述べる(保険業法137条)。その期間は1か月を下ることができないが、締切を過ぎれば身分変動を検討する時間も失われる
よくある質問 AI による整理
Q1保険契約の移転とは何ですか?
保険会社が保有する保険契約を他の保険会社等に包括的に引き継がせる手続です。保険業法135条以下が枠組みを定め、移転の決議(136条)と公告・異議申述(137条)を経て効力が生じます。
Q2移転先が株式会社の場合はどうなりますか?
141条は移転先が相互会社である場合のみを規定しているため、株式会社への移転では入社は起きません。契約者は契約上の地位を引き継ぐだけで、身分は変わりません。
Q3保険契約の移転に異議を述べる期限はいつまでですか?
移転の公告で定められた異議申述期間内です。その期間は法律上1か月を下ることができません(保険業法137条)。公告を見落とすと異議を述べる機会そのものを失います。
Q4移転先会社の定款はどこで確認できますか?
保険業法64条により、定款は会社の本店に備え置かれ、閲覧や謄本・抄本の交付請求ができます。141条ただし書に当たるかどうかは、この定款の条項で決まります。
Q5相互会社の社員になると何ができますか?
社員総会(実務上は社員総代会)を通じて経営に関与する権利と、剰余金分配(契約者配当)の対象となる地位が生じます。株式会社の株主に近い立場ですが、持分を市場で売買することはできません。
Q6元の会社の社員資格はどうなりますか?
移転元が相互会社で契約者が社員だった場合、契約が移転すればその社員資格は失われます。移転は契約の承継と同時に身分の切り替えでもあり、どちらの会社の社員かが入れ替わります。
Q7相互会社が株式会社になったら社員はどうなりますか?
相互会社が株式会社へ組織変更する局面では、社員に株式または金銭が割り当てられる扱いがとられます。移転によって社員になっていたかどうかが、その場面での取扱いを分けます。
Q8保険契約の移転で保障内容は変わりますか?
原則として契約内容はそのまま引き継がれ、変わるのは契約の相手方と、相互会社への移転では契約者の身分です。ただし破綻処理に伴う移転では契約条件が変更される場合があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保険会社が変わるって通知が来たんですけど、私は何か手続きしないといけないんですか?
入社自体に申込みは要りません。141条は移転先が相互会社であれば移転対象契約者は当該相互会社に入社すると定めており、法律上当然に効果が生じます。手続不要ですが、確認すべきは移転先の定款です。実務のポイント:社員になると社員総代選挙の通知が届きますが、登録住所が古いままだと通知が届かず、権利があること自体に気付かないまま何年も過ぎる。移転通知が来た時点で住所と連絡先を更新しておくと、その後の権利行使の入口が確保される
Q2相互会社の「社員」って、株主みたいなものと考えていいんですか?
位置付けとしては近いものです。相互会社に株主はおらず、保険契約者である社員が構成員として社員総会(実務上は社員総代会)を通じて経営に関与し、剰余金分配の対象にもなります。ただし株式のように市場で売買できる持分ではありません。実務のポイント:相互会社が株式会社へ組織変更する局面では、社員に株式や金銭が割り当てられる扱いがとられた例がある。自分が社員かどうかは、その局面で初めて金額の差になって現れる
Q3移転先が相互会社なのに社員にならないケースって、実際にあるんですか?
あります。141条但書が、移転先会社の定款において当該移転に係る保険契約と同種の保険契約に係る契約者が社員とされていない場合を除外しています。相互会社でも定款上、社員とならない種類の契約(無配当契約など)を設けている例があります。実務のポイント:この判定は会社の裁量ではなく定款の条項で決まっている。窓口の口頭説明が曖昧なときは、定款の該当条項を示すよう求めれば、担当者は根拠に当たり直さざるを得ない
間違えやすい点 AI による整理
- 「保険契約の移転は契約が別会社に引き継がれるだけの手続」と理解している人は多いが、その理解では141条が見えない。移転先が相互会社なら、契約の承継と同時に社員資格の取得という別の法律効果が発生する。契約と身分、二つのものが同時に動いている
- 「入社」という言葉から雇用関係を想像する人がいるが、そもそも問いの立て方が違う。相互会社の社員は従業員ではなく、株式会社の株主に相当する構成員のこと。保険業法上の「社員」は日常語の社員とまったく別物であり、この用語の落差が条文を読みにくくしている本体である
- あなたから見れば「保険を買った客」だが、相互会社の法律構成から見れば「保険料を出し合って相互に保障する集団の一員」である。この落差が実務で効くのは、剰余金の分配(契約者配当)を受け取ったときだ。株式会社の配当と違い、相互会社の剰余金分配は社員としての地位に基づく。仕組みを知らないまま受け取っている人が大半だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律している事項 | 141条:移転に伴う相互会社への入社(身分の取得) | 137条:移転の公告と契約者の異議申述手続 21条:相互会社の社員資格と入社の一般規律 |
| 効果の発生タイミング | 移転の効力発生と同時に法律上当然に社員資格が生じる | 公告で定める期間内に異議を述べなければ手続が進行 保険契約の締結・引受に伴って社員資格が生じる |
| 契約者の関与 | 申込みも同意も不要(意思によらない身分取得) | 期間内の書面による異議申述という形で関与できる 契約の申込みという自らの意思が前提 |
| 確認すべき書面 | 移転先会社の定款(ただし書該当性の判定根拠) | 公告・移転通知書(異議申述期間の起算と締切) 定款および契約種類(無配当契約などの扱い) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は保険業の組織を株式有限公司または合作社に限定しており、合作社形態では社員(組合員)資格が問題となる。ただし営業譲渡に伴い契約者が当然に社員となる旨の明文規定は日本141条ほど明確ではない
韓国も相互会社形態と保険契約の移転手続を法定しており、構成員資格の扱いは日本法に近い構造を採る
ドイツは移転(Bestandsübertragung)を監督官庁の認可事項とし、VVaG では保険契約の締結が社員資格(Mitgliedschaft)と結び付く。移転後の社員資格は定款(Satzung)の定めに依存する
米国は州法ごとに扱いが分かれ、assumption reinsurance では契約者の同意手続を要求する州もある。mutual insurer の membership も州法と定款による
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 契約していた生保が事業再編で契約を相互会社に移転した。通知書には保障内容は変わらないと書いてある。だが同封の書面のどこにも「あなたは社員になります」とは大きく書かれていない。社員になれば社員総代選挙の投票権が発生し、剰余金分配の対象にもなる。知らないまま権利を放置している人が大半だ
- 移転先が相互会社なのに、自分は社員になっていないと言われた。そのときに確認すべきは141条但書、つまり移転先の定款だ。定款で「この種類の契約者は社員としない」と定めていれば入社しない。定款は本店で閲覧できる(保険業法64条)。会社の説明を鵜呑みにする必要はない
- もし移転先が株式会社だったら、あなたはどうなる? 141条は移転先が相互会社の場合しか規定していない。株式会社への移転なら入社は起きず、あなたは単なる契約者のまま。逆に、元の会社が相互会社であなたが社員だった場合、移転によってその社員資格は失われる。移転は身分の切り替えでもある
- 保険会社の再編案が公告された。移転に異議があるなら異議申述期間内に申し出る必要があり、期間は法定で1か月を下ることができない(保険業法137条)。公告を見落とせば、異議を述べる機会も、身分が変わることへの検討時間も失う。締切は待ってくれない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 移転通知・公告で移転先の商号と法人形態(相互会社か株式会社か)を確認する2. 相互会社なら、移転先の定款で自分の契約種類の契約者が社員とされているかを確認、定款は本店で閲覧可能(保険業法64条) 3. 社員に該当するなら、社員総代選挙の案内・剰余金分配の通知が届く宛先が正しいか登録住所を点検4. 移転自体に納得できない場合、異議申述の受付期間内に書面で異議を述べる(保険業法137条)
訴えられた側:移転を実施する側、または移転先の会社としては、1. 定款の社員資格条項と移転対象契約の種類を突き合わせ、141条本文適用か但書適用かを事前に確定する2. その結論を移転計画・契約者への通知書面に明示し、後日の紛争種を残さない3. 社員となる契約者については、入社時期・社員総代選挙の取扱い・剰余金分配の起算を社内規程で整合させる4. 移転手続は株主総会・社員総会の決議と公告・異議申述手続(保険業法136条、137条)を欠かさない
時効(請求できる期限):141条の入社そのものに固有の期間制限はなく、移転の効力発生と同時に効果が生じる。移転手続に対する異議申述は公告で定める期間内で、その期間は1か月を下ることができない(保険業法137条)。移転に関連する金銭請求権については一般の消滅時効(民法166条、権利行使可能と知った時から5年または権利行使可能時から10年)が適用される(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:相互会社は保険契約者が構成員となる団体であるため、移転を受けた契約者を構成員でないまま抱えることは団体の基本構造と矛盾する。そこで141条は個別の入社申込みを待たず法律上当然に社員資格を付与したものと解され、ただし書は定款自治による例外として位置付けられる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 改正:保険業法の全部改正(平成7年法律第105号)。保険会社の組織・業務規制が再編され、保険契約の移転に関する規定群(135条以下)の中に、移転先会社が相互会社である場合の入社効果を定める141条が置かれた。
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