保険業法 第97条の2
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- 保険会社は、内閣府令で定める資産については、内閣府令で定めるところにより計算した額を超えて運用してはならない。
- 2.前項に定めるところによるほか、保険会社の同一人(当該同一人と内閣府令で定める特殊の関係のある者を含む。次項において同じ。)に対する内閣府令で定める資産の運用の額は、内閣府令で定めるところにより計算した額を超えてはならない。
- 3.保険会社が子会社その他の内閣府令で定める特殊の関係のある者(以下この条において「子会社等」という。)を有する場合には、当該保険会社及び当該子会社等又は当該子会社等の同一人に対する内閣府令で定める資産の運用の額は、合算して内閣府令で定めるところにより計算した額を超えてはならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第97条の2は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第97条の2の条文原文は「保険会社は、内閣府令で定める資産については、内閣府令で定めるところにより計算した額を超えて運用してはならない。」で始まります。
- 保険業法第97条の2は第三章 業務に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第97条の2の前の条は保険業法第97条です。
- 保険業法第97条の2の次の条は保険業法第98条です。
- 保険業法第97条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第97条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第97条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/97_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法97条の2は、保険会社が内閣府令で定める資産を上限額を超えて運用することを禁じ、同一人向けは子会社等と合算して判定する。具体的比率は施行規則に委任。
Q · 保険業法97条の2の運用上限って、結局どこに数字が書いてあるんですか?
法律に数字はなく、内閣府令(施行規則)にあります
保険業法97条の2は、資産の種類別(1項)、同一人向け(2項)、子会社等を含めた合算(3項)の三段で運用上限を課しますが、条文自体に数字はありません。具体的な比率は保険業法施行規則に置かれ、改正に国会審議を要しません。違反の主たる帰結は刑事罰ではなく、報告徴求や業務改善命令などの監督上の処分です。実務では単体で枠内でも、子会社等との合算で枠割れする点が最大の落とし穴になります。
解説
三つの項を最後まで読んでも、数字が一つも出てこないことに気付いただろうか。上限は「内閣府令で定めるところにより計算した額」としか書かれていない。つまり、あなたが払い込んだ保険料の運用に引かれた線は、国会の議決ではなく金融庁が所管する府令が握っている。改正に国会審議は要らない。第1項は資産の種類ごとの上限(国内株式、外貨建資産、不動産などを、それぞれ総資産に対する比率で縛る)、第2項は同一人向けの集中を止める大口規制、第3項は子会社等まで合算して同一人向けを見る網である。第3項がなければ、子会社を一枚噛ませるだけで第2項は骨抜きになる。運用する側から見れば投資判断の前に必ず踏む検算であり、契約者の側から見れば、一社の破綻が自分の保険金を道連れにしないための遮断装置だ。(具体的な比率は保険業法施行規則48条以下にあり、最新の改正状況をご確認ください)
法的な位置づけ
保険業法第97条の2は、保険会社の資産運用に量的上限を課す規定である。内閣府令で定める資産の種類ごとの運用額、同一人に対する運用額、および子会社等を合算した同一人向け運用額について、それぞれ内閣府令の定めにより計算した額を超えることを禁止する。具体的な上限比率は保険業法施行規則に委任されている。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.対象資産かどうかを先に判定する 起案した運用案件が、内閣府令で定める上限対象資産に該当するかを最初に確認する。該当しなければ本条の枠外だが、他の健全性規制や社内リスク限度枠は別途適用されるため、二重に確認する
- 2.資産区分別の枠(1項)を検算する 当該資産区分の現在残高に新規取得額を加え、総資産に対する比率が内閣府令の上限に収まるかを計算する。時価ベースで動く区分は、直近の時価変動幅を上乗せしたストレス後の比率でも収まるか確認する
- 3.同一人枠を単体(2項)と合算(3項)の両方で検算する 発行体・与信先が同一人に該当するかを判定し、内閣府令で定める特殊の関係のある者を含めて名寄せする。次に子会社等の保有分を合算した金額でも上限内かを再計算する。単体で枠内でも合算で枠割れするケースが最も多い
- 4.検知・判断の時系列を残す仕組みを作る 日次または週次で比率を自動算出し、閾値(上限の手前にイエローゾーン)を超えた時点でアラートとログが残る仕組みにする。誰がいつ検知し、いつ是正を判断したかが後から再構成できることが、検査対応では数字の是正より重い
- 5.超過が生じたら区分と是正計画をセットで示す 能動的な取得による超過か、時価変動等による受動的な超過かを切り分け、検知時点と是正判断時点を証跡で示す。是正計画は金額と期限を明示し、単発の是正ではなくモニタリング頻度の見直しまで含めて態勢面の説明を用意する
よくある質問 AI による整理
Q1保険業法97条の2とは何を定めた条文ですか?
保険会社の資産運用に量的上限を課す規定です。資産の種類別(1項)、同一人向け(2項)、子会社等を合算した同一人向け(3項)の三段構造で、上限額の計算はすべて内閣府令に委任されています。
Q2保険会社の大口信用供与規制とは何ですか?
特定の一社(同一人)への与信や投資が総資産に対して過大にならないよう比率で縛る規制です。保険会社では本条2項・3項がこれにあたり、銀行における銀行法13条と同じ発想の健全性規制です。
Q3時価変動で運用比率が上限を超えた場合はどうなりますか?
買い増しをしていなくても比率超過は生じます。実務上は能動的な取得による超過と受動的な超過が区別され、検知時点と是正判断時点の証跡を示せるかが監督当局との対話で重要になります。
Q4一般勘定と特別勘定で資産運用の制限は違いますか?
運用リスクを契約者が負う特別勘定と、保険会社が負う一般勘定では規制の考え方が異なります。適用関係は内閣府令の定めに従うため、実務では現行の保険業法施行規則で区分ごとに確認が必要です。
Q5少額短期保険業者にも資産運用の制限はありますか?
少額短期保険業者には保険業法の少額短期保険業者に関する特則と施行規則による別枠の規制が置かれ、通常の保険会社とは運用可能な資産の範囲が異なります。適用条文を取り違えないよう注意が必要です。
Q6外貨建資産の比率が上限に近づくとどうなりますか?
新規の外貨建運用が絞られ、結果として外貨建商品の募集姿勢にも影響することがあります。窓口で特定商品の取扱いが止まる理由が、商品性ではなく運用規制側の残枠にある場合があります。
Q7保険会社の株式保有には独占禁止法の制限もありますか?
あります。独占禁止法11条は保険会社が他の国内会社の議決権を一定割合を超えて保有することを原則禁止しています。保険業法の健全性規制とは目的が異なる、別系統の上限です。
Q8ソルベンシー・マージン比率と資産運用規制はどう関係しますか?
ソルベンシー・マージン比率は支払余力を事後的に測る指標、本条は運用の偏りを事前に抑える上限です。リスク量が増えれば比率が悪化するため、両者は健全性確保の入口と出口の関係にあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1結局、上限って何パーセントなんですか。条文に書いてないんですけど
数字は法律ではなく保険業法施行規則48条以下にあります。資産の種類ごと(国内株式、外貨建資産、不動産など)と同一人向けで、それぞれ総資産に対する比率で線が引かれています。比率は改正で動くので、必ず現行の施行規則で確認してください(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:各社のディスクロージャー誌に資産区分別の残高が載っているため、外部からでも上限までの余裕を概算できる。取引前に相手の残枠を読むのは機関投資家営業の基本動作です
Q2子会社が買った分まで合算されるって、どこまでが子会社等なんですか
第3項が合算を命じており、その範囲は「子会社その他の内閣府令で定める特殊の関係のある者」として府令に委ねられています。議決権基準の子会社だけでなく実質的な支配関係も拾うため、SPCを一枚挟んだから外れる、という前提は危険です。実務のポイント:ストラクチャーを組んでから合算判定を確認すると手戻りが致命的になる。組成の初期段階で合算対象かどうかの整理を先に取りに行くのが実務の順序です
Q3上限を超えたら罰金や逮捕になるんですか
本条違反に直ちに刑事罰が科される構造ではなく、報告徴求や業務改善命令といった監督上の処分が主たる帰結です(保険業法132条ほか)。ただし超過の放置は健全性の問題として重く扱われます。実務のポイント:能動的な買い増しによる超過と、時価変動による受動的な超過では当局の見方が違う。実務上、この区別と検知の早さの説明が、同じ超過幅でも結論を分けます
Q4自分の入っている保険会社が一社に集中投資してないか、素人でも調べられますか
調べられます。保険会社は業務及び財産の状況に関する説明書類を公衆の縦覧に供する義務があり(保険業法111条)、資産の運用状況が区分別に開示されています。個別銘柄まで全部は分かりませんが、区分ごとの偏りは読めます。実務のポイント:数字は単年で見ても意味が薄い。三期分を並べて特定区分の比率が上昇し続けているかを見ると、その会社の運用方針の転換が先に見えます
間違えやすい点 AI による整理
- 「保険業法97条の2の上限は何パーセントか」と条文を何度読み返しても答えは出てこない。問いの立て方そのものが誤っている。法律は数字を持っておらず、探すべきは保険業法施行規則48条以下の府令である。金融規制の条文を読むときは、法律・内閣府令・監督指針の三層のどこに答えが置かれているかを先に当てる
- 分散投資の上限があること自体は知られているが、第3項の合算範囲の広さは軽く見られている。合算対象の「特殊の関係のある者」の範囲は府令に委ねられており、議決権の形式基準だけで外れたつもりのビークルが取り込まれることがある。単体で枠内という安心が、連結で崩れる
- 運用担当者から見れば「枠に収まっているか」の管理指標にすぎない数字が、監督当局から見れば報告徴求や業務改善命令の入口になる。同じ一つの比率が、片方では日次のモニタリング項目、片方では処分の端緒である。この視点の落差を社内で共有していない会社ほど、検査で説明が崩れる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規制のかけ方 | 保険業法97条の2:運用額に量的な上限を課す | 保険業法97条:運用できる方法・手段自体を限定する 銀行法13条:信用供与等の額を自己資本比で制限する |
| 判定単位 | 資産区分別+同一人別、さらに子会社等を合算 | 運用手段ごと(該当・非該当の質的判定) 同一人および同一人と関係のある者を合算 |
| 数値の所在 | 条文に数字なし、保険業法施行規則に全面委任 | 条文に列挙、細目は内閣府令 銀行法施行令・施行規則に比率を規定 |
| 違反の主たる帰結 | 報告徴求・業務改善命令等の監督処分(保険業法132条ほか) | 同じく監督処分、運用方法自体の是正 銀行法に基づく監督処分 |
他国ではどう定めているか 6 か国
台湾も保険業の資金運用について運用対象と限度を法律本体で列挙しつつ、同一人・同一關係人への限度を別途定める。数値を法律本体に書き込む度合いが日本より高い点が対照的
韓国は資産運用の方法と比率を法律で定め、制限を別条に分ける構成。日本の97条(方法)と97条の2(比率)の分担に近い
保険資金の運用形式を法律で限定列挙し、具体的な比率は監督機関の規定に委ねる。委任構造という点では日本と同型
EU の Solvency II 体制では、一律の量的上限ではなくリスク管理能力に応じた定性的原則が中心。量的上限を軸とする日本と規制哲学が異なる
フランスは伝統的に分散投資の量的ルールを規則(décret/arrêté)レベルで細かく定めてきた。法律本体に数字を置かない点は日本と共通
米国は州ごとの保険法典が投資限度を定め、NAIC のモデル法が事実上の統一基準。連邦法ではなく州法レベルという点が最大の違い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが保険会社の運用部で、ある事業グループ向けの社債を追加取得する稟議を回している。単体の枠にはまだ余裕がある。だが第3項は子会社等の保有分まで合算しろと言う。グループ内の運用子会社が同じ発行体をすでに大量に抱えていれば、あなたの稟議はその瞬間に枠割れする。合算の網は、稟議書を書く前に確認する項目である
- もし保険会社が有望と見込んだ一社に総資産の半分を突っ込めるとしたら、何が起きる? その一社が飛んだ日、契約者全員の保険金が同時に痩せる。第1項と第2項は、その一撃を制度として起こせない構造にしている。しかも上限のつまみは法律の外、内閣府令の側にあり、金融環境に応じて絞りも緩めもできる
- 決算数値を締めた後で、株価上昇により国内株式の比率が上限を超えていたと分かる。売買したわけではなく、時価だけが動いた。この受動的な超過をどう扱うかは、実務上、監督当局との対話の中で運用に幅がある部分である
- 金融庁から報告を求められ、提出期限まであと10日。超過をいつ検知したか、是正の判断をいつ下したかの時系列を、社内のログから再構成しなければならない。検知が遅れていた事実そのものが、リスク管理態勢の評価に直結する。数字の是正より、時系列の説明の方が重い
- あなたの会社が保険会社から大型の資金調達を打診し、条件交渉まで進んだのに、最後の最後で断られた。理由は説明されない。同一人向けの枠、それも自社単体ではなく親会社を含めたグループ合算の枠が埋まっていた可能性がある。断られた理由が自社の信用力ではないケースがある
取るべき行動
被害を受けた側:取引先や契約者の立場でこの規制に当たった場合、まず相手保険会社のディスクロージャー誌(保険業法111条に基づく業務及び財産の状況に関する説明書類)で資産区分別の残高を確認する。同一人枠が理由なら、自社単体ではなくグループ合算での判定を受けている可能性が高いので、調達先を一社に依存せず、系列の異なる金融機関へ並行して当たる。信用力の問題と枠の問題を切り分けないと、必要のない財務改善に時間を使う
訴えられた側:超過を指摘された側は、まず能動的な取得による超過か、時価変動等による受動的な超過かを切り分け、検知時点と是正判断時点を証跡で示せるよう時系列を固める。次に是正計画を数値と期限で提出し、単発の是正ではなく再発を防ぐ社内モニタリング頻度の変更まで示す。監督上の関心は超過の一点ではなくリスク管理態勢にあるため、態勢面の説明が弱いと、数字を戻しても評価は回復しない
時効(請求できる期限):本条自体に時効の定めはない。超過状態が続く限り、報告徴求や業務改善命令等の監督処分は随時発動しうる(保険業法132条ほか)。契約者や取引先が損害賠償を求める場合は、特定の時効規定がないため一般消滅時効(民法166条、権利を行使できると知った時から5年、または権利を行使できる時から10年)による
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