介護保険法 第106条(医療法との関係等)
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介護老人保健施設は、医療法にいう病院又は診療所ではない。ただし、同法及びこれに基づく命令以外の法令の規定(健康保険法、国民健康保険法その他の法令の政令で定める規定を除く。)において「病院」又は「診療所」とあるのは、介護老人保健施設(政令で定める法令の規定にあっては、政令で定めるものを除く。)を含むものとする。
この条文の基本情報
医療法との関係等とは何ですか?
定義医療法との関係等とは、介護保険法第106条に定められた規定で、「介護老人保健施設は、医療法にいう病院又は診療所ではない。ただし、同法及びこれに基づく命令以外の法令の規定(健康保険法、国民健康保険法その他の法令の政令で定める規…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 介護保険法第106条(医療法との関係等)は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
- 介護保険法第106条の条文原文は「介護老人保健施設は、医療法にいう病院又は診療所ではない。ただし、同法及びこれに基づく命令以外の法令の規定(健康保険法、国民健康保険法その他の法令の政令で定める規…」で始まります。
- 介護保険法第106条は第二款 介護老人保健施設に置かれています。
- 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
- 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 介護保険法第106条の前の条は介護保険法第105条です。
- 介護保険法第106条の次の条は介護保険法第107条です。
- 介護保険法第106条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第106条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 本サイト収録
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第106条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/106
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点介護保険法106条は、老健が医療法上の病院・診療所ではないと定める。ただし医療法以外の法令では原則として病院・診療所に含まれ、健康保険法など政令で定める規定は除かれる。
Q · 老健って法律上は病院なの?病院じゃないの?
医療法上は病院ではないが、他の法令では原則病院扱い
介護保険法106条の本文は、介護老人保健施設が医療法上の病院・診療所ではないと定めています。そのため、医療法の開設許可や病床規制などの体系は老健には適用されません。一方、但書により、医療法とその命令以外の法令で「病院」「診療所」とある規定には、原則として老健も含まれます。ただし、健康保険法・国民健康保険法など政令で定める規定は除外されます。老健の扱いは法令ごとに確認する必要があります。
解説
介護老人保健施設、通称「老健」。医師が常駐し、看護師がいて、リハビリ室があり、点滴も処置も行われる。だが介護保険法106条は冒頭で真正面からこう言い切る。「医療法にいう病院又は診療所ではない」。ここで話が終われば、老健は医療法の世界から完全に切り離された孤島になる。ところが但書が全部をひっくり返す。医療法とその命令「以外」の法令で「病院」「診療所」と書いてある箇所は、原則として老健も含むと読む。つまり老健は、医療法の規律からは外れつつ、他の何百本もの法令では病院として扱われるという二重身分を持つ。しかも健康保険法・国民健康保険法など、政令で指定された規定だけは除外され、そこでは再び「病院ではない」に戻る。あなたが老健の事務長でも、入所者の家族でも、老健に薬を納める薬局でも、ある法令が老健にどう適用されるかは、この三段構えのふるいを通さないと分からない。
法的な位置づけ
介護保険法106条は、介護老人保健施設の法令上の位置づけを定める規定である。本文では、医療法上の病院・診療所に当たらないことを明示している。但書では、医療法とこれに基づく命令以外の法令にある「病院」「診療所」の語に介護老人保健施設を含める読替えを定める。健康保険法、国民健康保険法その他政令で定める規定は、この読替えの対象から外される。
よくある質問 AI による整理
Q1介護老人保健施設とはどんな施設ですか?
要介護者の在宅復帰を目指し、看護・医学的管理のもとで介護や機能訓練を行う施設です。定義は介護保険法8条にあり、法的な身分は106条が定めています。
Q2老健と特養の違いは何ですか?
老健は在宅復帰を目指す中間施設で、医師の配置が必要です。特養(介護老人福祉施設)は生活の場として長期入所を前提としています。根拠となる法体系と役割が異なります。
Q3老健の費用は医療費控除の対象になりますか?
国税庁の取扱いでは、老健の施設サービスの自己負担分は医療費控除の対象とされています。範囲は年度ごとの取扱いを国税庁サイトで確認してください。
Q4老健は医療法の立入検査を受けますか?
本条本文により老健は医療法上の病院ではないため、医療法に基づく医療監視の対象外です。代わりに、介護保険法100条に基づく報告徴収・立入検査の対象になります。
Q5老健の開設には何の許可が必要ですか?
医療法の病院開設許可ではなく、介護保険法94条に基づく都道府県知事等の開設許可が必要です。人員・設備・運営の基準は厚生労働省令で定められています。
Q6老健で医療保険が使えるのはどんな場合ですか?
施設の医師による日常的な医療は、原則として介護報酬に含まれます。医療保険で請求できるのは、厚生労働省が定める一部の診療行為などに限られます。最新の告示で確認が必要です。
Q7老健に医療事故調査制度は適用されますか?
医療事故調査制度は医療法に基づくため、本条本文により老健は原則として対象外です。事故報告は、介護保険法系の基準と自治体の定めに沿って行います。
Q8介護保険法106条の除外規定はどこで確認できますか?
但書で除外される法令の規定は政令に委任されています。介護保険法施行令の該当条文を e-Gov 法令検索で確認するのが確実です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1老健って結局、病院なんですか、違うんですか?
医療法の世界では病院でも診療所でもない、というのが介護保険法106条本文の答えである。だが但書により、医療法とその命令以外の法令では原則として病院・診療所に含めて読む。つまり法令ごとに答えが変わる。実務のポイント:実務者が老健の法令適用を調べるとき、最初に見るのは当該法令の条文ではなく、本条但書の除外政令の一覧である。ここを見ずに条文だけ読むと結論が反転する。
Q2老健に入っている間、健康保険証は使えないんですか?
老健の医師による日常的な診療は介護報酬に包括されるのが原則で、健康保険法系の規定は但書の除外対象として政令で指定されている。外部の専門医受診など例外的に医療保険が使える場面はあるが、範囲は限定的である(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:入所前の面談で「持病の薬と通院はどう扱われるか」を項目ごとに確認しておくと、入所後の自己負担トラブルの大半は防げる。
Q3この条文、施設の職員でもない一般人が知る意味ありますか?
ある。老健で受けられる医療の範囲、保険の扱い、退所を促される理由、いずれも老健の法的身分から逆算される帰結だからだ。介護保険法106条を知らないまま現場を責めても、構造は変わらない。実務のポイント:施設の説明に納得がいかないとき、「それは介護保険法上の取扱いですか、医療保険法上の取扱いですか」と一言聞けるかどうかで、相手の説明の解像度が変わる。
間違えやすい点 AI による整理
- 「老健は医療法上の病院ではない、と条文に書いてあるのだから、法令上は医療施設として扱われない」と読むのは、条文の前半だけを読んだ結果である。実際には但書が原則と例外を逆転させ、医療法以外の法令では原則として病院に含まれる。本文だけを引用して結論を出す資料は、条文を半分しか読んでいない
- 「老健には医師も看護師もいるのだから、実質は病院と同じで、法的な違いは名称だけ」と思っている人は、違いの深刻さを見誤っている。医療法上の病院でないということは、医療法の開設許可・医療計画上の病床規制・医療監視・医療事故調査制度といった規律の体系が丸ごと適用されないということだ。名称の問題ではなく、どの監督官庁がどの権限であなたを見に来るかが変わる
- 「自分は入所者の家族だから、こんな制度上の位置づけは施設側の話だ」という前提の立て方自体が危うい。老健で受けられる医療の範囲、保険証が使える場面と使えない場面、退所を促される理由、これらはすべて老健が医療保険の世界でどう位置づけられているかから逆算されている。家族が知らないまま「なぜ病院のように診てくれないのか」と現場を責めても、現場は法令の構造上そうするしかない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 介護保険法106条:老健の法的身分(医療法上の病院ではない+他法令での読替え) | 介護保険法8条:介護老人保健施設の定義(どんな施設か) 医療法1条の5:病院・診療所の定義 |
| 開設の根拠 | 医療法の開設許可体系から切り離す | 定義規定であり、開設手続は同法94条に委ねる 病院・診療所は医療法上の開設許可・届出の体系に服する |
| 他法令への波及 | 医療法以外の法令では原則として「病院」「診療所」に含む(政令除外あり) | 他法令への読替え機能はない 医療法上の定義として各法令から参照される |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の護理之家は、醫療法上の醫院とは別の護理機構として設置される。医療と介護の中間施設を医療機関から切り分ける発想は日本の老健と近い
韓国では老人療養施設が老人医療福祉施設として老人福祉法上に置かれ、医療法上の療養病院とは別の制度で運用される
ドイツの介護施設は介護保険(SGB XI)上の施設であり、病院(SGB V)とは給付体系が分かれている
米国の Skilled Nursing Facility は Medicare 上の施設類型で、病院(hospital)とは要件・給付が区別される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 老健に入所中の父が肺炎を起こした。施設の医師が抗生剤を出してくれたが、健康保険証は使えないと言われた。なぜか。健康保険法は政令で除外規定に指定されており、そこでは老健は「病院・診療所」に含まれないため、老健の医師の診療は原則として介護報酬の中に包括されているからだ。「同じ医師の診察なのに扱いが違う」という不可解さの正体が、この条文の但書括弧内にある
- あなたが老健を運営する法人の事務長で、建物の防火管理体制を整備することになった。消防法上、老健はどの用途区分になるのか。医療法上の病院ではないのだから病院扱いではないはずだ、と考えると誤る。消防法は「医療法及びこれに基づく命令以外の法令」なので、但書により老健は病院を含むものとして読む余地がある。用途区分を誤れば、消防設備の設置義務を丸ごと取り違える
- 老健に医薬品を継続的に納入することになった薬局の管理者。医薬品医療機器等法上、病院・診療所への販売と、それ以外の施設への販売では、取扱いの前提が変わる。この施設は法令上どちら側なのか。一行の判断ミスが、行政指導(役所からの是正の促し、処分の一歩手前)の対象になる
- もし、老健で入所者が転倒して骨折したら、医療事故の報告義務はどうなる? 医療法に基づく医療事故調査制度は「医療法及びこれに基づく命令」の世界の話なので、本条本文により老健は対象外。だが介護保険法・老人福祉法系の事故報告義務は別途かかる。報告先も様式も期限も違う。施設の現場が「どちらの制度で動くか」を間違えると、市町村への報告が遅れる
- 老健の開設許可を申請して、あと30日で自治体の審査結果が出る。申請書類に添付する各種法令上の位置づけ(建築基準法の用途、労働安全衛生法上の事業場区分、税制上の取扱い)を、すべて「病院ではない」で統一して書いてしまった。本条但書の存在に気付かないまま提出すれば、差戻しで開設スケジュールが丸ごとずれる
取るべき行動
被害を受けた側:入所者側として老健の対応に疑問を持ったら、1. 問題としている事柄が医療法系の規律か、介護保険法系の規律かを切り分ける。医療の質・安全の話でも、老健では介護保険法と関係省令の体系で動く2. 施設に「その取扱いの根拠となる法令名と条番号」を書面で求める。口頭説明では本条の構造が反映されないことが多い3. 納得できなければ、医療機関の監督窓口ではなく、指定権者である都道府県または市町村の介護保険担当課へ相談する。窓口を間違えると門前払いになる
訴えられた側:施設側として法令適用を問われたら、1. 当該法令が医療法またはこれに基づく命令かを最初に確認。該当すれば本文により老健は病院・診療所ではないと主張できる2. 医療法以外であれば但書の原則適用側なので、病院に準じた義務を前提に体制を点検する3. さらに政令で除外指定された規定に当たるかを確認、健康保険法・国民健康保険法系は特に注意4. 判断が分かれる部分は、指定権者へ事前に文書照会し、回答を保管する。事後の指導時に、照会と回答の記録があるかどうかで是正の重さが変わる
時効(請求できる期限):本条自体に特定の期間制限はない。ただし関連する処分(開設許可の拒否、指定の取消し等)を争う場合、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内、取消訴訟は6か月以内(行政不服審査法18条、行政事件訴訟法14条)。最新の改正状況をご確認ください
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成9年(1997年) 新設:介護保険法(平成9年法律第123号)の制定。老人保健法上の老人保健施設を介護老人保健施設として介護保険制度に位置づけ、2000年4月に施行された
- 介護保険法 第8条介護老人保健施設と施設サービスの定義
- 介護保険法 第94条介護老人保健施設の開設許可の要件
- 介護保険法 第97条施設の人員・設備・運営基準の根拠
- 介護保険法 第100条開設者への報告徴収・立入検査権限
- 介護保険法 第104条許可の取消し等の監督処分
- 医療法 第1条本条本文が適用を切り離す対象法令の目的規定
- 健康保険法 第63条療養の給付、政令で除外され老健を含まない代表規定
- 老人福祉法 第5条老人福祉施設体系との位置関係
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