介護保険法 第97条
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- 介護老人保健施設は、厚生労働省令で定めるところにより療養室、診察室及び機能訓練室を有するほか、都道府県の条例で定める施設を有しなければならない。
- 2.介護老人保健施設は、厚生労働省令で定める員数の医師及び看護師のほか、都道府県の条例で定める員数の介護支援専門員及び介護その他の業務に従事する従業者を有しなければならない。
- 3.前二項に規定するもののほか、介護老人保健施設の設備及び運営に関する基準は、都道府県の条例で定める。
- 4.都道府県が前三項の条例を定めるに当たっては、次に掲げる事項については厚生労働省令で定める基準に従い定めるものとし、その他の事項については厚生労働省令で定める基準を参酌するものとする。
- 一介護支援専門員及び介護その他の業務に従事する従業者並びにそれらの員数
- 二介護老人保健施設の運営に関する事項であって、入所する要介護者のサービスの適切な利用、適切な処遇及び安全の確保並びに秘密の保持に密接に関連するものとして厚生労働省令で定めるもの
- 5.厚生労働大臣は、前項に規定する厚生労働省令で定める基準(介護保健施設サービスの取扱いに関する部分に限る。)を定めようとするときは、あらかじめ社会保障審議会の意見を聴かなければならない。
- 6.介護老人保健施設の開設者は、第九十九条第二項の規定による廃止又は休止の届出をしたときは、当該届出の日の前日に当該介護保健施設サービスを受けていた者であって、当該廃止又は休止の日以後においても引き続き当該介護保健施設サービスに相当するサービスの提供を希望する者に対し、必要な居宅サービス等が継続的に提供されるよう、他の介護老人保健施設の開設者その他関係者との連絡調整その他の便宜の提供を行わなければならない。
- 7.介護老人保健施設の開設者は、要介護者の人格を尊重するとともに、この法律又はこの法律に基づく命令を遵守し、要介護者のため忠実にその職務を遂行しなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 介護保険法第97条は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
- 介護保険法第97条の条文原文は「介護老人保健施設は、厚生労働省令で定めるところにより療養室、診察室及び機能訓練室を有するほか、都道府県の条例で定める施設を有しなければならない。」で始まります。
- 介護保険法第97条は第二款 介護老人保健施設に置かれています。
- 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
- 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 介護保険法第97条の前の条は介護保険法第96条です。
- 介護保険法第97条の次の条は介護保険法第98条です。
- 介護保険法第97条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第97条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 本サイト収録
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第97条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/97
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点介護保険法97条は、介護老人保健施設に療養室・診察室・機能訓練室と医師・看護師の配置を義務づけ、その他の人員・設備・運営基準は都道府県条例に委ねると定める。
Q · 老健の職員数や設備の基準って、誰が決めているの?
骨格は国の省令、細部は都道府県の条例が決める
介護保険法97条1項・2項により、療養室・診察室・機能訓練室の設置と医師・看護師の員数は厚生労働省令が定めます。介護支援専門員や介護職員の員数、その他の設備・運営基準は都道府県条例で定められます(3項)。条例のうち、従業者の員数や安全確保・秘密保持に密接に関わる運営事項は省令に「従う」全国共通の下限であり、それ以外は省令を「参酌」して各自治体が決めます(4項)。
解説
老健のパンフレットに並ぶ「診察室あり・機能訓練室あり・医師常勤」は、その施設の親切心ではない。97条1項と2項が、療養室・診察室・機能訓練室を置くこと、厚生労働省令で定める員数の医師と看護師を置くことを義務づけているからだ。そして見落とされるのが3項と4項。介護支援専門員(ケアマネ)や介護職員の員数、運営に関する基準は、国ではなく都道府県の条例が決める。しかも4項は基準を二階層に割っている。従業者とその員数、入所者の適切な利用・処遇・安全確保・秘密保持に密接に関わる運営事項は省令に「従い」(全国共通の下限)、それ以外は「参酌する」(自治体が動かせる)。つまり親の入る施設を評価したいなら、読むべきは全国基準ではなく所在地の都道府県条例だ。さらに6項は、施設が廃止や休止を届け出たとき、入所者の行き先について連絡調整その他の便宜を提供する義務を開設者に負わせている。
法的な位置づけ
介護保険法97条は、介護老人保健施設の設備及び運営の基準に関する規定である。療養室・診察室・機能訓練室の設置と医師・看護師の配置を厚生労働省令に基づき義務づけ、その他の従業者の員数、設備及び運営の基準を都道府県条例に委ねる。条例の制定に当たっては、従業者の員数等は省令に従い、その他の事項は省令を参酌するという二層構造をとる。
手順
- 1.休止・廃止の掲示を見たら日付を記録する 掲示の写真を撮り、掲示日と予定されている廃止・休止日を控える。届出は廃止・休止日の1月前まで(99条2項)なので、残り期間を逆算する
- 2.開設者に連絡調整の実施と記録を文書で求める 97条6項を挙げ、他の施設への連絡日・相手方・調整結果を書面で示すよう施設に求める。口頭のやり取りだけで終わらせない
- 3.同じ日に都道府県の担当課へ一報を入れる 老健の指導監督権者である都道府県の介護保険主管課に、廃止・休止の予定と施設の対応状況を伝える。行政が入った調整の場を作りやすくなる
- 4.ケアマネ・地域包括支援センターと転所先を詰める 施設側の調整結果を受け、担当ケアマネや地域包括支援センターと転所先・在宅サービスの候補を比較する。転所先の運営規程と所在地の条例も確認する
よくある質問 AI による整理
Q1介護老人保健施設とは?
要介護者に看護・医学的管理下の介護や機能訓練を提供し、在宅復帰を支える施設です。介護保険法97条が療養室・診察室・機能訓練室と医師・看護師の配置を求めています。
Q2老健の医師は常勤で何人必要?
97条2項は「厚生労働省令で定める員数」の医師を求めています。一般に入所者100人に対し常勤換算1人以上とされますが、最新の基準省令で確認してください。
Q3従うべき基準とは?
都道府県が条例を定める際、厚生労働省令の内容から外れることが許されない基準です。老健では従業者とその員数、安全確保・秘密保持等に密接な運営事項が該当します(97条4項)。
Q4老健にケアマネは必ずいる?
必要です。97条2項は、都道府県の条例で定める員数の介護支援専門員を置くことを義務づけています。員数は省令に「従うべき基準」として定まるため、自治体の裁量で減らせません。
Q5老健の人員基準違反はどうなる?
介護報酬の人員基準欠如減算の対象となるほか、都道府県知事の報告徴収・立入検査(100条)を経て、勧告・命令、悪質な場合は許可取消しに進む可能性があります。
Q6老健の休止届はいつまでに出す?
廃止または休止の日の1月前までに都道府県知事へ届け出る必要があります(99条2項)。届出後、開設者には97条6項の連絡調整義務が生じます。
Q7老健の機能訓練室が物置になっていたら違法?
機能訓練室は97条1項で設置が義務づけられた設備です。本来の用途に使えない状態が続くなら基準不適合の疑いがあり、都道府県の介護保険主管課に相談できます。
Q8老健の開設者にはどんな義務がある?
要介護者の人格を尊重し、介護保険法とそれに基づく命令を守り、要介護者のため忠実に職務を遂行する義務があります(97条7項)。設備・人員基準の遵守とは別の一般的義務です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1老健って、特養や病院と何が違うんですか?
97条1項が療養室に加えて診察室と機能訓練室を必須とし、2項が医師と看護師の配置を求めている点が特徴で、在宅復帰とリハビリを担う中間施設という設計です。生活の場である特養は88条が根拠で、求められる体制が違います。実務のポイント:老健は在宅復帰の実績指標によって報酬の類型が分かれるため、長期の住まいとして期待して入ると、更新面談で退所を促されることがある。契約前に「この施設はどの類型か」を必ず聞く(最新の報酬改定をご確認ください)
Q2職員が足りないと感じます。どこに言えば実際に動きますか?
老健の指導監督は都道府県知事の権限です。報告徴収・立入検査は100条、基準に適合していない場合の勧告・命令はその後続条文が根拠になります。市町村ではなく都道府県の介護保険主管課が窓口です。実務のポイント:実地指導は数年に一度の周期で回ってくるため、単発の苦情では順番待ちになる。同趣旨の情報が複数の家族から時期を近くして入ると優先度が上がるので、家族会がある施設ではそこを通すのが最短
Q3施設が閉まると言われました。次の入所先は自分で探すしかないんですか?
97条6項が、廃止・休止の届出をした開設者に対し、引き続き同等のサービスを希望する入所者のため、他の開設者その他関係者との連絡調整その他の便宜の提供を義務づけています。届出は1月前まで(99条2項)です。実務のポイント:義務の文言は「探して入れてあげる」ではなく「連絡調整その他の便宜」。だから実効性を出す使い方は、何をしたかの記録の提示を求めること。同時に都道府県へ一報を入れると、行政が入った調整の場が立ちやすい
Q4都道府県ごとに基準が違うって、どこで読めるんですか?
各都道府県の例規集で「介護老人保健施設の設備及び運営に関する基準を定める条例」を探します。4項により、従業者とその員数や安全確保・秘密保持に密接に関わる運営事項は省令に従う部分、それ以外は参酌して各県が定めた部分です。実務のポイント:参酌部分に独自の上乗せ(夜間の職員体制や居室面積など)を置いている自治体があり、隣県と読み比べると行政の姿勢の差が数字で見える。施設選びの隠れた判断材料になる
間違えやすい点 AI による整理
- 基準が都道府県の条例で決まることまでは知っている人もいる。だが4項がその条例を「従うべき基準」と「参酌すべき基準」の二階層に割っていることまで降りていない。従うべき基準(従業者とその員数、安全確保や秘密保持に密接に関わる運営事項)は全国共通の下限で交渉の余地がない。参酌すべき基準は自治体が上乗せできるので、条例改正の要望という別の入口が開いている。この二階層を知らないと、言うべき相手を間違える
- あなたから見れば「対応が冷たい」「人手が足りない」というサービスの質の問題。だが法律から見れば「条例と省令が定める基準に適合しているか否か」という一点だ。この落差が申立てを空回りさせる。行政を動かしたいなら、不満ではなく、日付・時間帯・現に勤務していた職員数という基準適合性の材料に翻訳して出す必要がある
- 「老健には医師がいるのだから病院並みの医療が受けられるはず」という前提の立て方そのものが誤っている。2項が求めるのは省令で定める員数の医師と看護師であり、これは在宅復帰とリハビリを支えるための配置で、急性期医療の体制ではない(具体的な員数は基準省令による。最新の改正状況をご確認ください)。夜間の急変時にどこへ搬送するかは、入所前に確認する項目である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 施設の性格 | 介護老人保健施設:在宅復帰とリハビリを担う中間施設(97条) | 介護老人福祉施設(特養):生活の場としての施設(88条) 介護医療院:長期療養と生活の場を兼ねる施設(111条、現行条文を要確認) |
| 開設・参入の方式 | 都道府県知事の開設許可(94条) | 都道府県知事の指定(86条) 都道府県知事の開設許可(107条、現行条文を要確認) |
| 基準の決め方 | 療養室・診察室・機能訓練室と医師・看護師は省令、その他は都道府県条例 | 従業者の員数や設備・運営基準を都道府県条例で定める 省令と都道府県条例の組合せ(老健と同様の構造とされる) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は住宿式長照機構や一般護理之家の設置標準を中央主管機関が定める方式が中心で、日本のような条例による上乗せの二層構造は目立たない
韓国は老人医療福祉施設の施設・人員基準を保健福祉部令で全国的に定める方式が基本となる
ドイツは介護保険の給付側を連邦法、ホームの居住・人員に関する規制を各州法が担う二層構造で、日本の省令と条例の分担に近い発想がある
米国はメディケア・メディケイド参加施設の要件を連邦規則で定め、州の免許制度が上乗せされる。連邦の下限と州の上乗せという構図は日本と類似する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 面会に行くと、玄関の掲示板に「当施設休止のお知らせ」が貼られていた。受付の職員は「次の施設はご家族でお探しください」と言う。97条6項は、その説明とは違う結論を出す
- もし、母が入っている老健の機能訓練室が、いつ行っても車椅子とダンボールの置き場になっていたとしたら? それは設備の不備ではなく1項違反の疑いであり、都道府県知事の報告徴収・立入検査(100条)、さらに勧告・命令へつながる筋道が存在する
- あなたが老健の管理者側で、ケアマネが1名退職して員数を欠いた。ここで効いてくるのが4項の区分だ。従業者とその員数は「従うべき基準」なので、地域の事情を理由に下回る裁量は都道府県にもない。介護報酬の人員基準欠如減算と、是正しなければ許可取消しまで射程に入る
- 廃止の届出は1月前まで(99条2項)。掲示を見た時点で、退所までに残されているのは実質30日を切っていることが多い。この30日で、97条6項に基づく連絡調整の記録を文書で求め、同時に都道府県の担当課へ連絡を入れられるかどうかで、次の入所先の質が決まる
- 父を東京の老健から実家近くの県の老健へ移そうとして、二つの施設の職員体制を同じ物差しで比べようとした。実は比べる土台が違う。人員や運営の一部は都道府県条例で決まるため、県境をまたいだ瞬間に基準そのものが入れ替わっている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 感想ではなく事実を記録する。日付・時間帯・現に勤務していた職員数・依頼した内容と回答者名2. 施設に運営規程の交付を求め、所在地の都道府県の条例(介護老人保健施設の設備及び運営に関する基準を定める条例)と照合、欠員や設備の不備が疑われる箇所を特定3. まず施設の苦情受付窓口へ文書で、写しを都道府県の介護保険主管課へ。老健の指導監督権者は都道府県知事であり、報告徴収・立入検査(100条)の権限はここにある4. 並行して国民健康保険団体連合会の苦情処理と、市町村の地域包括支援センターにも情報を入れ、経路を二本以上確保する
訴えられた側:1. 指摘された事項を4項の区分で仕分ける。従うべき基準に係る欠員(従業者の員数など)は裁量の余地がないため、弁解より充足計画と補充の記録を先に出す2. 参酌すべき基準の部分は、条例の文言と実際の運営の対応関係を自ら整理して示す3. 勧告の段階で是正報告まで終えるのが、許可取消しを避ける最短路。命令・公表まで進むと利用者離れという回復不能な損失が出る4. 廃止・休止する場合は、97条6項の便宜提供を「他施設への連絡日・相手方・調整結果」の一覧として文書化し、行政へ同時提出する
時効(請求できる期限):本条自体に時効の定めはない。ただし手続の期限が別にある。廃止・休止は届出が廃止または休止の日の1月前まで(99条2項)。基準違反によって損害を受けた場合の賠償請求は、不法行為なら知った時から3年(生命・身体の侵害は5年、民法724条、724条の2)、契約上の責任なら民法166条(債権5年または10年)。行政処分に不服がある開設者側は、処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求(行政不服審査法18条)、6か月以内に取消訴訟(行政事件訴訟法14条)
学説
義務付け・枠付けの見直しに関する一般的理解:地域主権改革では、条例に委ねる基準を「従うべき基準」「標準」「参酌すべき基準」に区分した。97条4項はこのうち従うべき基準と参酌すべき基準の二つを用い、人員と安全・秘密保持に関わる部分に全国の下限を残している
改正沿革 AI による整理
- 平成23年(2011年)前後の地域主権改革関連改正(要検証) 従来は厚生労働省令に一元化されていた設備・運営基準の相当部分が都道府県の条例に委ねられ、4項の「従うべき基準」と「参酌すべき基準」の区分が導入されたとされる。施行時期と改正法の特定は人的検証が必要
- 廃止・休止時のサービス継続に関する義務の追加(時期要検証) 6項の、廃止・休止の届出をした開設者に対する他施設との連絡調整その他の便宜提供義務は、介護サービス基盤強化を目的とした改正で追加されたものとされる。追加年次は要検証
改正の年表
- 1.平成9年(1997年) 新設:介護保険法(平成9年法律第123号)の制定により、介護老人保健施設の設備・人員基準に関する規定が置かれた(2000年施行)
- 2.平成23年(2011年) 改正:地域主権改革関連の一括法により、設備・運営基準の相当部分が都道府県条例に委ねられ、従うべき基準と参酌すべき基準の区分が導入されたとされる(改正法と施行日の特定は要検証)
- 介護保険法 第94条開設許可、基準適合が許可の前提
- 介護保険法 第99条廃止・休止の届出、6項義務の起点
- 介護保険法 第100条報告徴収・立入検査による基準遵守の確保
- 介護保険法 第88条介護老人福祉施設の設備運営基準の並行規定
- 介護保険法 第111条介護医療院の設備運営基準の並行規定(現行効力を要確認)
- 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律 第20条養介護施設従事者等による虐待の防止措置義務(通称 高齢者虐待防止法)
- 地方自治法 第14条条例制定権、基準条例の一般的根拠
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