介護保険法 第118条の8(立入検査等)
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- 厚生労働大臣は、この章の規定の施行に必要な限度において、匿名介護保険等関連情報利用者(国の他の行政機関を除く。以下この項及び次条において同じ。)に対し報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示を命じ、又は当該職員に匿名介護保険等関連情報利用者に対して質問させ、若しくは匿名介護保険等関連情報利用者の事務所その他匿名介護保険等関連情報の利用に関係のある場所に立ち入り、その帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
- 2.第二十四条第三項の規定は前項の規定による質問又は検査について、同条第四項の規定は前項の規定による権限について、それぞれ準用する。
この条文の基本情報
立入検査等とは何ですか?
定義立入検査等とは、介護保険法第118条の8に定められた規定で、「厚生労働大臣は、この章の規定の施行に必要な限度において、匿名介護保険等関連情報利用者(国の他の行政機関を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 介護保険法第118条の8(立入検査等)は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
- 介護保険法第118条の8の条文原文は「厚生労働大臣は、この章の規定の施行に必要な限度において、匿名介護保険等関連情報利用者(国の他の行政機関を除く。」で始まります。
- 介護保険法第118条の8は第七章 介護保険事業計画に置かれています。
- 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
- 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 介護保険法第118条の8の前の条は介護保険法第118条の7です。
- 介護保険法第118条の8の次の条は介護保険法第118条の9です。
- 介護保険法第118条の8には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第118条の8 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 本サイト収録
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第118条の8(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/118_8
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点介護保険法118条の8は、厚生労働大臣が匿名介護保険等関連情報利用者に報告命令、質問、事務所等への立入検査を行えると定める。犯罪捜査目的では認められない。
Q · 匿名化された介護データを受け取った研究室や企業に、厚労省が検査に来ることはあるの?
検査はありうる。ただし犯罪捜査ではなく行政調査の範囲に限られる
介護保険法118条の8により、厚生労働大臣は匿名介護保険等関連情報利用者(国の他の行政機関を除く)に対し、報告や帳簿書類の提出・提示を命じ、職員に質問させ、事務所その他データの利用に関係のある場所へ立ち入って物件を検査させることができます。令状は不要です。一方で2項が24条3項・4項を準用し、職員は身分証明書を携帯・提示しなければならず、この権限を犯罪捜査のためのものと解釈してはならないとされています。
解説
要介護認定の結果、ケアプラン、どの事業所でどのサービスを何回受けたか。こうした記録は匿名加工されたうえで、大学の研究室や民間のヘルステック企業の手元に渡っている。介護保険法118条の8は、その渡した先へ厚生労働大臣が踏み込む権限を定める。報告や帳簿書類の提出を命じ、職員に質問させ、事務所その他の利用に関係のある場所に立ち入って物件を検査させることができる。令状は要らない。データを受け取った側にとっては、受領した瞬間から「いつでも検査されうる立場」になったということだ。ただし条文は同時にブレーキも踏んでいる。2項が24条3項・4項を準用し、職員は身分証明書を携帯して求められれば提示しなければならず、この権限は犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならないと釘を刺す。行政目的の調査であって捜査ではない、というこの一線をどちらが先に意識しているかで、検査当日の立ち回りは変わる。
法的な位置づけ
介護保険法118条の8は、匿名介護保険等関連情報の提供制度における行政調査権限を定める規定である。厚生労働大臣は、同章の施行に必要な限度で、国の他の行政機関を除く匿名介護保険等関連情報利用者に対し、報告命令、帳簿書類の提出・提示命令、職員による質問及び事務所等への立入検査を行うことができる。身分証明書の携帯と犯罪捜査目的の否定が準用される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.申出段階から安全管理記録を付け始める データ利用の申出書を作成する時点で、保管場所、アクセス権者、受渡し・複製・廃棄の記録を残す帳簿を用意する。検査で問われるのは記録の中身だけでなく、その記録がいつから連続しているかである
- 2.報告命令が届いたら根拠と範囲を確認 文書に記載された根拠条項が介護保険法118条の8であること、対象が匿名介護保険等関連情報に関する事務に限られること、提出期限を確認し、社内の対応責任者を一人に決める
- 3.提出書類を事業ごとに切り分けて準備 匿名介護データに関係する帳簿書類だけを抽出し、無関係な事業の帳簿とは物理的・論理的に分けておく。申出書記載の保管場所と現状が一致しているかも照合する
- 4.検査当日は身分証明書の提示を受けて記録を取る 冒頭で職員の身分証明書の提示を求め、調査目的と範囲を確認する。質問者、質問内容、提出した書類を時系列で記録し、即答できない質問は後日書面で回答すると伝える
- 5.検査後に指摘事項への是正計画を作る 指摘を受けた点について是正計画と実施記録を作成する。放置すると次条の是正命令へ段階が上がりうるため、指摘の段階で自主的に改善した記録を残す
よくある質問 AI による整理
Q1匿名介護保険等関連情報とは
要介護認定やサービス利用などの介護保険関連情報を、特定の個人を識別できないよう加工したデータです。厚生労働大臣が研究者や企業等に提供する制度の対象となります。
Q2介護保険法 立入検査 令状 必要?
不要です。本条は行政調査として令状なしの立入検査を認めています。ただし職員は身分証明書を携帯し、関係者の求めがあれば提示しなければなりません。
Q3匿名介護データの利用者になると何が求められる?
本人を識別するための照合の禁止や安全管理措置などの義務を負い、その遵守を確認するために本条の報告命令・立入検査の対象となります。具体的な義務は同章の各条で確認が必要です。
Q4立入検査の対象になる場所はどこまで?
利用者の事務所のほか「匿名介護保険等関連情報の利用に関係のある場所」が対象です。データを保管・分析しているサーバ設置場所なども問われえます。
Q5国の行政機関も検査の対象になる?
なりません。1項の括弧書きで国の他の行政機関は除外されています。対象は大学の研究室や民間企業など、国以外の匿名介護保険等関連情報利用者です。
Q6報告命令 提出期限 いつまで
本条自体に期限の定めはなく、命令の文書で個別に指定されます。期限内の提出が難しい場合は、理由を添えて早めに所管部局へ相談するのが実務上の定石です。
Q7介護保険法118条の8拒否 罰則
報告拒否、虚偽報告、検査の拒否・妨げは同法の罰則規定により罰金の対象となりえます。具体的な条項と金額は最新の改正状況を e-Gov で確認してください。
Q8立入検査の質問に答えなくていい?
行政調査には自己負罪拒否特権が当然には及ばないとされますが、刑事責任追及に直結する場合は別論です。即答を避け、後日書面で回答すると伝えるのが実務的です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1立入検査って、断ったらどうなるんですか?
令状による強制ではないので物理的に押し入られることはない。ただし拒否や虚偽報告は介護保険法の罰則章で罰金の対象となりうるうえ、次条の是正命令へ段階が上がる(具体的な条項は最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:効くのは拒否ではなく範囲の確認である。24条3項の準用で職員は身分証明書の提示義務を負うので、提示を受けたうえで「この章の規定の施行に必要な限度」という枠を確認すれば、無関係な事業の帳簿まで出す義務はない
Q2検査で答えた内容が、そのまま警察に回ることはありますか?
2項が24条4項を準用し、この権限は犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならないと定める。検査を捜査の代用にすることは条文上禁じられている。ただし判明した事実が別経路で告発に至る可能性まで消えるわけではない。実務のポイント:この準用があるからこそ、答えるべきか迷う質問が出た時点で回答を保留し、その場で弁護士に確認してよい。即答を求められても、根拠は条文の側にある
間違えやすい点 AI による整理
- 「匿名化済みなのだから漏れても大した問題ではない」と思われがちだが、この章が中心的に禁じているのは漏洩よりも照合である。他の情報と突き合わせて本人を特定しうる状態を作った時点で義務違反になり、立入検査はまさにその痕跡を探しに来る
- 立入検査があること自体は知っていても、拒んだときに何段階まで進むかを知らない人が多い。拒否や虚偽報告は罰則の対象になりうるだけでなく、次条の是正命令、さらに情報の利用停止へと段階が上がる。研究者にとってそれはデータの一時喪失ではなく、研究計画そのものの死である
- 「検査に来るのは個人情報保護委員会では?」という問いの立て方自体がずれている。本条の主体は厚生労働大臣で、根拠は介護保険法である。個人情報保護法のルートとは別に、もう一本の検査ラインが並走している
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象者 | 介護保険法118条の8:匿名介護保険等関連情報利用者(国の他の行政機関を除く) | 介護保険法24条:介護給付等を受けた者やサービス提供者等 介護保険法118条の9:本条の対象と同じ利用者 |
| 手段 | 報告・帳簿書類の提出等の命令、質問、立入検査 | 報告、帳簿書類の提示命令、質問等 違反状態を正すための是正命令 |
| 位置づけ | 義務違反の有無を確かめる調査段階 | 介護給付の適正確保のための調査(本条の身分証明・捜査目的否定の準用元) 調査で判明した違反に対する処分段階 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では中央目的事業主管機関等が非公務機関に立入検査・資料提出を求められる。介護データ専用の検査規定ではなく個人情報一般法で対応する点が日本と異なる
韓国は個人情報保護委員会が資料提出要求と検査を行う一元型。仮名情報の結合・利用も同法の枠内で監督される
ドイツでは独立したデータ保護監督機関が調査権限を持つ。所管官庁ではなく独立機関が検査する点が本条と対照的
米国では保健福祉省が対象事業者に記録へのアクセスを求められる。匿名化データは原則 HIPAA の保護対象外となる点が日本の制度設計と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 厚生労働省から報告命令の文書が届き、提出期限は2週間後。もし、分析用データを入れた外付け SSD を、退職した研究員が持ち出したまま連絡が取れないとしたら? 帳簿に受渡しの記録がなければ、説明できるのは「分かりません」の一言だけになる。残り14日で作れるのは復元された記録ではなく、記録が存在しないという事実の報告書である
- あなたはヘルステック企業のデータ担当。コスト削減のため分析用サーバを別のクラウドへ移し、申出書に書いた保管場所と照合しないままにしていた。立ち入った職員が最初に開くのは、その保管場所を書いた一行である
- 共同研究先の大学に検査が入り、担当教授から「うちの帳簿にお宅への提供記録が載っている」と電話が来る。匿名情報を又貸しする形になっていれば、検査はそのまま連鎖して自社に届く
取るべき行動
被害を受けた側:自分や親の介護記録が匿名情報として使われることに不安があるなら、まず厚生労働省が公表している提供状況の資料で、どの機関に何の目的で渡っているかを確認する。特定の研究や商品から再識別の疑いを持った場合は、具体的な事実関係を添えて厚生労働省の所管部局へ情報提供する。本条の検査はこうした端緒からも動く。並行して、個人情報保護法のルートで個人情報保護委員会へ申し出る道も別に残っている
訴えられた側:検査の連絡を受けたら、根拠条項が118条の8であること、対象が匿名介護保険等関連情報に関する事務に限られることを書面で確認する。当日は職員の身分証明書の提示を受け、質問者・質問内容・提出した書類を時系列で記録する。提出は求められた範囲に限り、無関係な事業の帳簿は最初から分けて保管しておく。回答に迷う点は即答せず、後日書面で回答すると伝えてよい
時効(請求できる期限):本条自体に期間の定めはない。実務で効くのは報告命令で個別に指定される提出期限と、検査当日その場という二つの時間圧である。検査忌避や虚偽報告に対する罰則は罰金刑であり、その公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項)。是正命令には発動期限の定めがなく、義務違反が続く限りいつでも出されうる(罰則の具体的条項と金額は最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:行政調査は犯罪捜査と目的を異にするため原則として令状主義は及ばないが、刑事責任追及に直結する場合には憲法35条・38条の保障が及びうる。捜査目的否定規定はこの区別を条文上確認する趣旨と解される
改正沿革 AI による整理
- 要検証 匿名介護保険等関連情報の提供制度の一環として近年の医療・介護データ利活用改正により新設された条文と見られるが、新設年・その後の条番号移動を含め人的検証が必要
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