要点種苗法 29 条は、通常利用権を原則移転制限とし、品種利用の事業とともにする場合・育成者権者の承諾・相続の三つに限り移転を認める。質権設定にも育成者権者の承諾を要する。
Q · 品種のライセンス(通常利用権)って、自分のものだから自由に他人へ売れるの?
原則売れない。事業とともに・承諾・相続の三つに限られる
種苗法 29 条により、通常利用権は原則として自由に移転できません。移転が認められるのは、①品種の利用の事業とともにする場合、②育成者権者(専用利用権が絡むならその権利者も)の承諾を得た場合、③相続その他の一般承継の場合の三つに限られます。これ以外で「ライセンスだけ」を切り売りしても移転は効力を生じません。さらに 2 項では、通常利用権を担保に入れる(質権設定)にも育成者権者の承諾が必要です。M&A や事業承継で承諾を取り忘れると、引き渡したはずの権利が相手に渡っていない事故が起きます。
いちご農園を法人化し、人気品種を栽培するライセンス(通常利用権)を育成者権者から得たとする。数年後、事業ごと知人に売却しようとした瞬間、契約書の奥に潜んでいた壁にぶつかる。種苗法29条は、通常利用権を勝手に他人へ移せないと定めている。移転が許されるのは三つの場合だけだ。品種を利用する事業そのものとセットで譲るとき、育成者権者(専用利用権が絡むならその権利者も)の承諾を得たとき、そして相続など一般承継のとき。それ以外で「ライセンスだけ」を切り売りしても、移転は効力を生じない。さらに2項では、その利用権を担保に金を借りる(質権設定)にも権利者の承諾が要る。あなたが手にしたのは「使う権利」であって「自由に売り買いできる商品」ではない。この一線を知らずに事業譲渡やM&Aの契約書を交わすと、引き渡したはずの権利が相手に渡っていなかった、という事故が起きる。
種苗法 29 条は、通常利用権の移転および質権設定の制限を定める規定である。通常利用権は、品種の利用の事業とともにする場合、育成者権者の承諾を得た場合、相続その他の一般承継の場合に限り移転でき、質権設定には育成者権者の承諾を要する。裁定による通常利用権は、品種の利用の事業とともにする場合に限り移転できる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
通常利用権(品種のライセンス)の移転と質権設定を制限する規定です。移転できるのは事業とともにする場合・育成者権者の承諾・相続の三つに限られます。
①品種の利用の事業とともにする、②育成者権者(専用利用権が絡むならその権利者も)の承諾を得る、③相続その他の一般承継、のいずれかに限られます。
ライセンスだけを単独で移すと効力を生じません。事業とともにする移転にするか、育成者権者の書面承諾を契約締結前に確保する必要があります。
専用利用権は登録された排他的権利、通常利用権は許諾に基づく非排他的な利用権です。移転制限は 29 条が通常利用権について定めています。
移転自体が効力を生じません。代金を払っても権利が相手に渡らず、登録や対抗要件の問題も発生します。
種苗法 29 条 2 項により、育成者権者の承諾を得た場合に限り質権を設定できます。承諾がなければ質権は成立しません。
通常利用権は「事業とともにする移転」なら承諾不要で移りますが、その旨を契約書に明記して形を整えておく必要があります。
移転・質権設定の対象と範囲を特定した書面で承諾を得ます。追い詰められる前に平時のうちに確保しておくと交渉が有利です。
渡せる。相続は29条1項の「一般承継」にあたり、育成者権者の承諾なしに通常利用権が相続人へ当然に移転する(民法896条)。生前贈与や事業譲渡だと話が別で、承諾か「事業とともに」の形が要る。業界裏話ヒント:相続なら無条件で移るのに、生きているうちの承継は承諾が要る、という逆転がある。事業承継は「相続で渡す」設計と「生前に渡す」設計で踏むべき手続が全く変わるので、早めに税理士や専門家を交えて形を決めておくと、いざという時に権利が宙に浮かない
通常利用権への質権設定には育成者権者の承諾が必要だからだ(29条2項)。承諾がなければ質権は成立せず、金融機関は担保として評価できない。業界裏話ヒント:知財を担保にした融資は、権利者の協力が前提になる。承諾を取れるかどうかで融資の可否が決まるので、資金調達を考えるなら、追い詰められてからではなく平時のうちに権利者から承諾を取り付けておく。これが融資交渉のスピードと条件を左右する
裁定(28条2項)による通常利用権は、育成者権者の承諾があっても単独では移転できず、品種を利用する事業とともにする場合に限って移せる(29条3項)。公共目的で強制的に与えられた権利なので、自由な流通を制限している。業界裏話ヒント:裁定通常利用権は「事業に紐づいた権利」として設計されている。投機的にライセンスだけ転売することを防ぐ仕組みで、通常の許諾ライセンスより流動性が低い。M&Aで対象会社がこの種の権利を持っている場合、移転の自由度を必ず確認する
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 移転の可否と条件 | 通常利用権(29 条):事業とともに・承諾・相続の三つに限り移転可 | — |
| 質権設定 | 育成者権者の承諾を要する(29 条 2 項) | — |
| 権利の性質 | 許諾に基づく非排他的な利用権 | — |
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