要点種苗法 28 条は、登録品種が国内で継続二年以上利用されない場合や公共の利益に必要な場合に、農林水産大臣の裁定で通常利用権を設定できると定める。
Q · 登録品種を使いたいのに権利者が許可してくれない。もうあきらめるしかない?
使われていない品種なら裁定で利用権を取れる場合がある
種苗法 28 条により、登録品種が日本国内で継続二年以上適当に利用されていないとき、または公共の利益のため特に必要なときは、利用しようとする者はまず権利者に通常利用権の協議を求められます。協議が不成立なら農林水産大臣に裁定を申請でき、大臣が認めれば対価と利用範囲が定められ、当事者間に契約が成立したものとみなされます(9 項)。ただし権利者に不実施の正当な理由があれば裁定は認められません(5 項)。
近所の農家が代々作ってきた在来野菜が、ある会社の登録品種だった。その会社はもう種を売る気がなく、誰に頼んでも「うちの権利だから」と断られる。栽培をあきらめるしかないのか。種苗法28条を知っていれば、答えは変わる。登録品種の独占権、つまり育成者権は、特許と同じく強力な独占だが、無敵ではない。日本国内で2年以上きちんと使われていないとき、または公共の利益のため特に必要なとき、その品種を業として使いたい者は、まず権利者に通常利用権、つまり「使わせてほしい」という許諾の協議を求められる。協議がまとまらなければ、農林水産大臣に裁定を申請できる。大臣が「使わせるべきだ」と裁定すれば、対価と範囲が定められ、当事者間に契約が成立したものとみなされる。眠ったまま社会から品種を遠ざける独占に、法律はこじ開けるための鍵を一本用意している。
種苗法 28 条は裁定による通常利用権の設定を定める規定である。登録品種等が日本国内で継続して二年以上適当に利用されない場合、または公共の利益のため特に必要な場合に、利用希望者は育成者権者等への協議を経て農林水産大臣の裁定を申請でき、裁定により非独占的な通常利用権が設定される。育成者権の独占に対する公的な制約手続として機能する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
登録品種が国内で二年以上利用されない場合などに、農林水産大臣の裁定で設定される非独占の利用権です。育成者権の独占を公的に開く仕組みで、対価と範囲は裁定で定まります。
まず権利者に通常利用権の協議を求め、不成立なら農林水産大臣に裁定を申請します(28 条 2 項)。申請後は公示と権利者への通知、意見聴取の手続を経ます。
国内で継続二年以上適当に利用されていなければ、裁定申請の要件に当たります。まず書面で協議を申し入れ、不実施の事実を証拠化しておくことが重要です。
対価は裁定の中で農林水産大臣が範囲とともに定めます(28 条 7 項)。条文上の定額はなく、品種の価値や利用範囲に応じて個別に決定されます。
登録から原則 25 年、永年性植物は 30 年です。期間満了後は裁定なしに誰でも自由に利用でき、28 条の手続は不要になります。
不実施型は国内で継続二年以上利用されないことが要件です。公共の利益型には二年の時期制限がなく、権利者が現に利用していても申請できます。
申請→公示と権利者通知→相当期間内の意見聴取→農業資材審議会への諮問→裁定→通知の順です(28 条 3〜8 項)。裁定通知で契約成立とみなされます。
権利者が不実施につき正当な理由を示せば、公共の利益型を除き裁定は認められません(28 条 5 項)。市場投入の準備中や許諾交渉中などが正当事由になり得ます。
正直に言えば、種苗法28条の裁定が実際に下された例はほとんどない。要件が厳しく、農業資材審議会への諮問もあって時間がかかるからだ(6項)。だが価値はそこではない。業界の裏話を言えば、この条文の本当の使いどころは交渉カードだ。「応じなければ裁定を申請する」と示すだけで、出し惜しみしていた権利者が許諾の話に乗ってくることが多い。抜かずに見せる刀として効く
それは育成者権の侵害になり、差止めや損害賠償の対象だ(種苗法20条の独占権を侵すため)。28条はあくまで協議と大臣の裁定を経て、対価と範囲が決まってから利用できる仕組みで(7項)、裁定の通知があって初めて当事者間に契約が成立したとみなされる(9項)。業界の裏話ヒント:順序を飛ばすと、得られたはずの利用権ごと失い、賠償まで背負う。先に手順を踏むのが結局いちばん安い
条文上の定義はないが、食料の安定供給、防疫、災害対応など、社会全体の利益が個別の独占を上回ると評価される場面が想定される(28条1項・5項)。単なる「自社が儲かる」では足りない。業界の裏話ヒント:公共の利益型は不実施と違って2年の縛りがなく、権利者が現に使っていても申請できる。緊急性を要件事実として具体的に組み立てられるかが分かれ目になる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 役割 | 28 条:独占を公的に開く裁定通常利用権の手続 | — |
| 働き方 | 第三者が協議・裁定で利用権を取りに行く | — |
| 発動条件 | 国内で継続二年以上の不実施 または 公共の利益 | — |
| 効果 | 非独占の通常利用権が設定される | — |
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