要点種苗法 20 条は、育成者権者が登録品種を業として利用する権利を専有すると定める。効力は派生品種にも及び、2020 年改正で登録品種の自家増殖は原則許諾制となった。
Q · 登録品種の苗を自分の畑で増やして売ったら、種苗法違反になるの?
登録品種なら原則として育成者権者の許諾が必要で、無断なら侵害になりうる
種苗法 20 条により、育成者権者は登録品種およびこれと特性により明確に区別されない品種を、業として利用する権利を専有します。ここでの利用には種苗の生産・譲渡・輸出入から収穫物の生産・譲渡まで含まれます。効力は変異体の選抜や遺伝子組換え等で育成された派生品種(EDV)にも及びます。2020 年改正で登録品種の自家増殖は原則として育成者権者の許諾が必要となりました。ただし試験・研究目的などは 21 条の例外に当たり、在来種や登録のない一般品種は従来どおり自由に利用できます。
スーパーで一房二千円のシャインマスカット。あのブドウを生み出した人には、他人が勝手に増やして売ることを止める権利がある。それが育成者権だ。種苗法 20 条は、品種登録された品種(登録品種)を業として利用する権利を、育成者権者が独占すると定める。ここでの「利用」は、種苗の生産・譲渡・輸出入から収穫物の生産・譲渡まで含む広い概念だ。しかもこの条文の射程は登録品種そのものにとどまらない。特性により明確に区別できない品種、変異体の選抜や遺伝子組換えで作った派生品種(EDV)、繁殖に常に登録品種との交雑が必要な品種にまで効力が及ぶ。つまり「ちょっといじって別物にした」という言い訳は通らない。この一条が、日本の農産ブランドを守る最後の壁になっている。
種苗法 20 条は育成者権の効力を定める規定であり、育成者権者が登録品種およびこれと特性により明確に区別されない品種を業として利用する権利を専有すると規定する。効力は主たる特性を保持しつつ一部を変化させて育成された派生品種や、繁殖に常に登録品種との交雑を要する品種にも及ぶ。
新品種を育成した者に与えられ、登録品種等を業として利用する権利を専有させる知的財産権です。品種登録により発生し、種苗法 19 条・20 条が効力の中心となります。
登録品種は品種登録を受けた品種で 20 条の育成者権が及びます。在来種や登録のない一般品種は権利の対象外で、自由に増殖・販売できます。区別は農林水産省の品種登録データベースで確認できます。
2020 年改正後、登録品種の自家増殖は原則として育成者権者の許諾が必要になりました。一般品種は従来どおり許諾不要です。品種名やラベルで登録品種か確認するのが第一歩です。
登録品種の主たる特性を保持しつつ、変異体選抜や遺伝子組換えで一部だけ変えた品種です。20 条 2 項により、改変しても元の登録品種の育成者権が及びます。
登録から原則 25 年、果樹などの永年性植物は 30 年です(種苗法 19 条、最新の改正状況をご確認ください)。期間満了後は誰でも自由に利用できます。
育成者権侵害には差止請求と損害賠償のほか、刑事罰も定められています(罰則条項の現行効力は要確認)。品種登録という公示があるため『知らなかった』は通りにくいです。
農林水産省の品種登録データベースで品種名や出願者から検索でき、登録品種かどうかを確認できます。苗を買うときの品種名表示やラベルを保存しておくと後で照合できます。
無断栽培・販売の現場写真や購入記録、必要なら DNA 品種識別で同一性を確保し、警告書で中止・在庫報告を求め、応じなければ差止請求と損害賠償を検討します。証拠はシーズン内に押さえるのが要点です。
その品種が登録品種なら、2020 年改正後は原則として育成者権者の許諾が必要です(種苗法 20 条、21 条)。在来種や登録のない一般品種なら従来どおり自由に自家増殖できます。業界裏話ヒント:登録品種かどうかは農林水産省の品種登録データベースで検索できる。苗を買うときの品種名表示やラベルを保存しておくと、後で『どの品種だったか分からない』という最悪の事態を防げる(最新の改正状況をご確認ください)
食用に売られた収穫物から種を取って増殖に使う行為は、登録品種なら 20 条の利用に当たり許諾が要る場合があります。食べる目的の消費と、増殖・販売目的は法的に別物です。業界裏話ヒント:『買ったものをどう使おうと自由』という消尽の理屈は、種苗では『次世代を作る』部分には及びにくい。種や苗そのものを目的に買ったのか、食べるために買ったのか、その目的が境界線になる
育成者権は国ごとに登録するのが原則なので、現地で未登録なら現地の栽培そのものは直接止められません。ただし国内からの種苗の輸出は 20 条の利用として規制でき、2020 年改正で海外持出制限や指定栽培地域の仕組みも強化されました。業界裏話ヒント:シャインマスカット流出の教訓から、ブランド品種は主要輸出先国での品種登録を急ぐのが防衛の定石。国内法だけでは水際までしか守れない
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|---|---|---|
| 役割 | 20 条:育成者権の効力・独占できる利用の範囲 | — |
| 登録品種への働き | 業としての利用(生産・譲渡・輸出入・収穫物)を専有 | — |
| 派生品種(EDV)への効力 | 及ぶ(20 条 2 項) | — |
| 実務での使いどころ | 侵害の有無・独占範囲を判断する根拠 | — |
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