要点種苗法 2 条は品種・種苗・利用等の基本用語を定義する規定。5 項は登録品種の種苗を生産・譲渡・輸出入する行為を「利用」と定め、育成者権の射程を画する。
Q · 家庭菜園で採った種をまた蒔いたり、珍しい苗を増やして売ったりするのは、種苗法に引っかかるの?
登録品種なら関係する、一般品種なら自由です
種苗法 2 条 5 項は、品種の種苗を「生産し、調整し、譲渡し、輸出し、輸入し」等する行為を「利用」と定義します。その品種が登録品種であれば、無断での生産・譲渡・輸出入は育成者権の侵害になりうります。2020 年改正後は、登録品種の自家増殖にも原則として育成者の許諾が必要になりました(主に 21 条関連)。一方、一般品種や登録期間が満了した品種は、この「利用」を自由に行えます。分かれ目は、その品種が登録品種か一般品種かという一点にあります。
去年の夏に食べたシャインマスカット、その種を韓国や中国の農家が無断で増やし、現地で堂々と栽培して売っている。日本の農家が何十年もかけて育てた品種が、ただ同然で海を渡った。この流出を止める法律の土台が、種苗法2条にある。一見ただの用語集だが、ここで定義される「利用」という言葉が、育成者権(品種に対する特許のような独占権)の射程を決めている。2条5項は、登録品種の種苗を生産し、譲渡し、輸出し、輸入する行為を「利用」と定義する。つまり登録品種を無断で輸出すれば、それだけで権利侵害になりうる。さらに「品種」「種苗」「加工品」の定義一つひとつが、どこからが権利者の許諾を要する行為かを線引きしている。あなたが家庭菜園で採った種を翌年蒔く行為すら、その品種が登録品種なら、この定義の射程に入る。
種苗法 2 条は同法の基本定義を置く規定であり、農林水産植物、植物体、品種、種苗、加工品、利用、指定種苗の各概念を画定する。とりわけ品種について「利用」を、種苗・収穫物・加工品の生産・調整・譲渡・輸出入等の行為と定義し、育成者権の効力が及ぶ行為の範囲を確定する土台となる。
品種の種苗を生産・調整・譲渡・輸出・輸入し、またはその目的で保管する行為等を指します(2 条 5 項)。登録品種を無断で「利用」すれば育成者権侵害になりうります。
従来は登録品種でも輸出や海外での栽培を止める仕組みが弱く、正規に入手した苗が無断で海外に持ち出されたためです。2020 年改正で育成者が輸出先国を指定できるようになりました。
品種登録の日から原則 25 年、果樹等の永年性植物は 30 年です。満了後は誰でも自由に利用でき、その品種は一般品種として扱われます。
農林水産省の品種登録ホームページで品種名から検索できます。また市販の種苗には「登録品種・自家増殖には許諾が必要」等の表示が義務づけられています。
一般品種なら自由です。ただし登録品種の苗を無断で増やして販売すると、2 条 5 項の「生産・譲渡」に当たり育成者権侵害になりうります。出品前に登録の有無を確認してください。
育成者権侵害の罪は個人で 10 年以下の拘禁刑または 1000 万円以下の罰金等、法人重科もあります(種苗法 67 条ほか、最新の条文をご確認ください)。
F1(一代交配)品種は種を採って蒔いても親と同じものはできず、実務上トラブルになりにくいです。ただし品種が登録品種であれば法的な「利用」の判断は別途必要です。
登録されていない一般品種、および登録期間が満了した品種は、生産・譲渡・自家増殖を自由に行えます。育成者権が及ぶのはあくまで登録品種に限られます。
その品種が登録品種であれば、2020年改正後は自家増殖にも原則として育成者の許諾が必要です(種苗法21条関連)。登録されていない一般品種なら自由です。業界裏話ヒント:市販の野菜の多くはF1(一代交配)品種で、種を採って蒔いても親と同じものはできないため、実務上トラブルになりにくい。問題になりやすいのは、いちご・ぶどう・果樹など栄養繁殖で同じものが増やせる品種。苗や種の袋に「登録品種」「自家増殖には許諾が必要」と書いてあるかをまず確認するのが分かれ目です
輸入は2条5項が定める「利用」の一つなので、その品種が日本で登録品種なら、無断輸入は育成者権侵害になりうります。加えて植物防疫法の輸入検疫も別途必要です。業界裏話ヒント:種苗の輸入は「育成者権」「植物防疫」「場合によっては関税」の三つが同時にかかる多重ゲート。育成者権侵害物品は関税法69条の11で税関の輸入差止対象になり、最悪は没収もありえます。安易な海外取り寄せは、品種登録の有無と検疫条件を先に調べてからにしてください
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|---|---|---|
| 定義される客体 | 利用①:品種の種苗そのもの(2 条 5 項 1 号) | — |
| 権利が及ぶ条件 | 登録品種であれば端的に育成者権が及ぶ | — |
| 対象行為 | 生産・調整・譲渡の申出・譲渡・輸出・輸入・保管 | — |
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