要点種苗法 31 条は、育成者権者が質権者・専用利用権者・一定の通常利用権者の承諾を得た場合に限り育成者権を放棄できると定める。承諾なき放棄は効力を生じない。
Q · 品種登録の権利って、相手が私に黙って勝手に放棄できちゃうの?
いいえ。質権者や利用権者がいれば全員の承諾が要ります
種苗法 31 条により、育成者権者は質権者・専用利用権者・一定の通常利用権者がいる場合、その全員の承諾を得たときに限り育成者権を放棄できます。承諾のない放棄は効力を生じません。専用利用権者・通常利用権者が自分の権利を放棄する場合も、それに質権者等がいれば同様に承諾が必要です(2項・3項)。ただしこの規定が縛るのは積極的な『放棄』だけで、登録料の不払いによる自然消滅までは止められない点に注意が必要です。
あなたが新品種のイチゴを育成し、品種登録を受けた。その権利を担保に銀行から融資を引き出した、あるいは大手種苗会社に専用利用権を与えて量産させている。ある日、毎年の登録料や取引先との紛争に嫌気がさし、「もう権利なんて捨てる」と思い立つ。だが種苗法31条は、それを一人では許さない。育成者権に質権者や専用利用権者、一定の通常利用権者がいる場合、放棄にはその全員の承諾が要る。理由は単純で、あなたが権利を捨てれば、それにぶら下がっていた他人の権利も道連れに消えるからだ。担保を取った債権者の融資が紙くずになり、量産に投資した会社の足場が崩れる。逆に言えば、あなたがその「ぶら下がっている側」なら、相手の気まぐれな放棄を承諾という一票で止められる。この条文は、育成者権という無形資産に絡んだ人々を、権利者の独断から守る安全装置である。
種苗法 31 条は育成者権等の放棄を制限する規定であり、育成者権・専用利用権・通常利用権に質権者や利用権者などの従属的権利者が存在する場合、権利者はこれらの者全員の承諾を得たときに限り当該権利を放棄できる旨を定める。承諾を欠く放棄は効力を生じない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
品種登録により得た育成者権を権利者が自ら消滅させる行為です。種苗法 31 条により、質権者や利用権者がいる場合は全員の承諾がなければ放棄できません。
質権者、専用利用権者、種苗法 8 条 5 項・25 条 4 項・26 条 1 項の通常利用権者がいる場合、その全員の承諾が必要です。一人でも欠ければ放棄は効力を生じません。
効力を生じません。従属的権利者の承諾書の有無は登録手続で確認されるため受理されにくく、万一登録されても抹消回復を求められます。
その専用利用権に質権者や 25 条 4 項の通常利用権者がいなければ自由に放棄できます。いる場合は種苗法 31 条 2 項によりその承諾が必要です。
種苗法 31 条 3 項により、質権者の承諾がなければ通常利用権すら放棄できません。利用権が融資の担保になっている場合は単独で降りられません。
止められません。31 条が承諾を求めるのは積極的な『放棄』だけで、登録料不払いによる自然消滅は対象外です。契約で維持義務を課す備えが必要です。
放棄自体に期限はありません。ただし効力発生には登録が必要なため、承諾取得後は速やかに登録手続を進める必要があります。
あります。特許法 97 条が同趣旨で、専用実施権者・質権者等の承諾を得た場合に限り特許権を放棄できると定めており、種苗法 31 条と同一構造です。
いいえ。種苗法31条1項により、専用利用権者であるあなたの承諾なしに育成者権の放棄はそもそも効力を生じません。無断で提出された放棄には無効を主張できます。業界裏話ヒント:実務では承諾書の有無が登録手続で確認されるため、承諾なしの放棄はそもそも受理されにくい。だが万一通ってしまっても、あなたは登録の抹消回復を求められる。だから自分の専用利用権を必ず登録しておくことが、この承諾権を実効化する前提になる
止められません。31条が承諾を要求するのは積極的な「放棄」の場合だけで、登録料不払いによる自然消滅は対象外です。業界裏話ヒント:これは担保権者が陥る典型的な落とし穴です。だから質権設定契約の段階で「登録料を毎年支払う義務」を相手に課し、不払い時は自分が肩代わりして求償する仕組みを入れておく。承諾権だけに頼ると、相手は放棄ではなく放置という抜け道を使える
あなたの通常利用権に質権が設定されていなければ、自由に放棄できます。しかし質権が付いていれば、種苗法31条3項により質権者の承諾が必要です。業界裏話ヒント:通常利用権が融資の担保になっているケースは見落とされがち。自分の利用権に他人の権利がぶら下がっていないか、契約書と登録を確認してから「抜けます」と言わないと、放棄が無効になって責任問題に発展しうる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 放棄しようとする権利 | 31 条 1 項:育成者権(母権) | — |
| 承諾を要する者 | 専用利用権者・質権者・一定の通常利用権者の全員 | — |
| 承諾を欠いた場合 | 放棄は効力を生じない | — |
| 承諾者がいない場合 | 育成者権者が単独で放棄可 | — |
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