要点種苗法 34 条は、育成者権侵害の損害額を、譲渡数量×単位利益、侵害者の利益額推定、実施料相当額の三方法で算定できると定める。ただし権利者の販売能力を超える額は請求できない。
Q · 無断で自分の登録品種を売られたけど、いくら損したか証明できません。それでも損害賠償できますか?
証明不要で相手の利益額を損害と推定できます
種苗法 34 条を使えば損害額を一から証明する必要はありません。2 項は侵害者が得た利益額をそのままあなたの損害と推定し、立証責任を相手側に移します。1 項は相手の譲渡数量にあなたの単位利益を掛けて算定し、3 項は実施料相当額を最低保証として請求できます。三つは選択可能で、3 項を超える実損があれば 4 項で上乗せ請求もできます。ただし 1 項には権利者の販売能力を超えない上限があります。
何年もかけて新しいイチゴやブドウの品種を育成し、品種登録した。ところが市場に、誰かが無断で増殖して売っているそっくりな苗や果実が出回る。怒りはあるが、いざ損害賠償となると「いくら損したか」を立証できず泣き寝入りする、それが育成者の現実だった。種苗法34条は、その立証の壁を三段階で崩す。第一に、相手が売った数量に、あなたが売れたはずの一個当たりの利益を掛ける(1項)。第二に、相手が得た利益額を、そのままあなたの損害と推定する(2項)。第三に、せめて利用料相当額(ライセンス料)は最低保証として請求できる(3項)。あなたが知るべきは、この三つは選べるという点だ。立証しやすい方法を選び、足りなければ実損の上乗せも請求できる(4項)。育成者権は、この条文があって初めて「絵に描いた権利」から「回収できる権利」になる。
種苗法 34 条は育成者権侵害の損害賠償における損害額の算定方法を定める規定であり、譲渡数量に基づく算定(1 項)、侵害者利益の損害額推定(2 項)、実施料相当額の請求(3 項)、および同項を超える実損の追加請求(4 項)の四段構造からなる。特許法 102 条と同一構造の損害額算定特則として機能する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
育成者権を侵害された権利者が、損害額を三つの計算方法で請求できると定めた規定です。譲渡数量×単位利益、侵害者利益の推定、実施料相当額のいずれかを選べます。
34 条 1 項なら相手の譲渡数量にあなたの単位利益を掛けた額、2 項なら相手の利益額、3 項なら実施料相当額を請求できます。実損があれば 4 項で上乗せもできます。
不法行為として損害と加害者を知った時から 3 年、侵害の時から 20 年で消滅します(民法 724 条)。継続的な販売は最後の侵害時から起算される部分もあります。
登録品種の無断増殖・販売は育成者権侵害となり得ます。国内での無断増殖には種苗法 34 条の損害賠償が直接及び、35 条で過失も推定されます。
侵害品の現物・販売ページ・価格・販売者を保存し、テスト購入で品種同一性の鑑定資料を確保します。譲渡数量は証拠保全申立てで散逸前に押さえます。
両者はほぼ同一構造の損害額推定規定です。34 条は特許法 102 条を母型とし、育成者権侵害に対応させたもので、算定方法の考え方は共通します。
できます。34 条 3 項で最低限、実施料相当額を損害として請求できます。儲けゼロを主張されても回収の下限は確保されます。
知的財産に詳しい弁護士・弁理士のほか、農林水産省の品種保護窓口が相談を受け付けています。証拠保全の要否も早期に相談すべきです。
そこを解決するのが34条です。2項は『相手が侵害で得た利益額をあなたの損害と推定する』と定め、立証責任を相手側に移します。それも難しければ3項でライセンス料相当額を請求できます。業界裏話ヒント:実務では2項の利益額をめぐり、相手が『販管費を引けば利益はほぼゼロ』と主張する攻防になります。控除できるのは侵害品に直接ひもづく変動費だけで、固定費まで丸ごと引くのは認められにくい。原価の中身に踏み込めるかどうかで、認定額は数倍変わる
登録品種の無断増殖・譲渡は、規模が小さくても侵害になりえます。2020年改正で登録品種の自家増殖は原則として育成者権者の許諾が必要になりました。34条はその侵害に対する賠償の計算規定です。業界裏話ヒント:『自家用なら自由』という昔の感覚のまま動いている農家が多いのが現実。だが許諾なしの増殖は線を越える。仕入れ時に品種登録の有無と許諾条件を確認した記録を残しておくと、いざという時35条の過失推定に反論する材料になる
3項のライセンス料相当額は『最低保証』であって上限ではありません。4項が、それを超える実損があれば上乗せ請求できると明記しています。1項や2項でより大きい額を立証できるなら、そちらを主軸にできます。業界裏話ヒント:相手に故意・重過失がない場合、4項後段で裁判所が賠償額を参酌(減額方向に考慮)できます。逆に言えば、相手の故意や警告無視を立証できれば、この減額の余地を封じられる。証拠の中に『警告後も売り続けた』記録があるかが効いてくる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 救済の内容 | 種苗法 34 条:損害賠償(金銭的回収) | — |
| 権利者が立証すべきこと | 計算方法に応じた数量・利益・実施料相当額 | — |
| 主な限界・反証点 | 1 項は販売能力の上限、2 項は原価構造での反証余地 | — |
| 併用 | 33 条・35 条と併合して請求されるのが通常 | — |
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