他人の育成者権又は専用利用権を侵害した者は、その侵害の行為について過失があったものと推定する。
要点種苗法 35 条は、他人の育成者権または専用利用権を侵害した者は過失があったものと推定すると定める。立証責任が侵害者側に転換され、無過失を自ら証明しなければ過失ありと扱われる。
Q · 登録品種と知らずに苗を売っても、種苗法 35 条で責任を問われるの?
無過失を証明する責任が侵害者側に回ります
種苗法 35 条により、他人の育成者権または専用利用権を侵害した者は、その侵害行為について過失があったものと推定されます。通常の不法行為(民法 709 条)なら訴える側が加害者の過失を立証しますが、本条ではその矢印が逆になり、侵害者が「知らなかった」「不注意ではなかった」ことを自ら反証しなければ過失ありと扱われます。ただし推定されるのは過失の一点のみで、侵害の事実・損害・因果関係は依然として権利者が立証する必要があり、推定も反証で覆せます。
評判のイチゴの苗を、仲間内で分けて増やした。直売所で人気だったから、深く考えずに。ところがその品種には育成者権の登録があり、ある日、種苗会社から損害賠償請求の書面が届く。あなたは反論する。登録されているなんて知らなかった、悪気もなかった、と。だが種苗法 35 条がそこで牙を剥く。他人の育成者権または専用利用権を侵害した者は、その侵害の行為について過失があったものと推定する。意味するところは一つ。あなたが「不注意ではなかった」ことを証明しなければならない側に回る、ということだ。通常の損害賠償(民法 709 条)なら、訴える側があなたの過失を立証する責任を負う。ところが育成者権の世界では、その立証の矢印が逆を向く。登録品種は品種登録簿で公示されている以上、調べれば分かったはずだ、というのが法の建前である。この一条があるかないかで、紛争の入口に立ったときの足場の高さがまるで違ってくる。
種苗法 35 条は育成者権侵害における過失の推定を定める規定であり、他人の育成者権または専用利用権を侵害した者は、その侵害行為について過失があったものと推定される。民法 709 条の一般原則に対する特則として、過失の立証責任を被害者側から侵害者側へ転換するものである。当該推定は反証により覆すことができる。
育成者権または専用利用権を侵害した者は過失があったと推定する規定です。民法 709 条の特則で、過失の立証責任を侵害者側へ転換します。
権利者が侵害者の落ち度を証明しなくても、法律上「過失あり」と扱う仕組みです。侵害者が無過失を自ら反証しない限り責任を免れません。
通用しにくいです。登録品種は品種登録簿で公示されているため、35 条により「知らなかった」ことの立証責任は侵害者側に回ります。
できます。推定は反証可能で、独自育成の記録や登録前からの自家保有の証拠、仕入れ先への確認履歴などで覆せます。
民法 724 条により、損害および加害者を知った時から 3 年、侵害の時から 20 年で時効消滅します。差止めは権利存続期間内なら可能です。
登録品種なら侵害になりうます。2020 年改正で自家増殖が原則許諾制になり、35 条により無過失の立証も配布者側に回ります。
35 条は「過失」を推定し立証責任を転換する規定、34 条は「損害額」を推定して賠償額の立証負担を軽減する規定で、機能が異なります。
農林水産省の品種登録データベース(品種登録簿)で品種名・登録番号・存続期間を確認できます。苗のラベルの登録品種・PVP 表示も手がかりです。
原則として責任を免れにくいです。種苗法 35 条は侵害者に過失があったと推定するので、『知らなかった』ことをあなたの側で立証しない限り過失ありと扱われます。業界裏話ヒント:実務では『仕入れ先に品種の登録状況を確認した記録』があるかどうかが分水嶺になります。確認メール一本を残していた業者と、口頭で仕入れた業者とでは、反証の通りやすさがまるで違う。仕入れの瞬間の一手間が、後の数百万円を左右する
違います。35 条が推定するのは『過失』の一点だけで、侵害の事実・損害の発生・因果関係は権利者の側が証明しなければなりません(種苗法 33 条、34 条)。推定も反証で覆せます。業界裏話ヒント:弁護士はこの種の事件でまず『そもそも侵害行為に当たるか』『損害額の算定根拠が妥当か』を攻めます。過失推定の正面突破より、侵害の成立や損害額の土俵で争う方が筋が良いことが多い。推定された一点だけを見て諦めるのは早計です
登録品種であれば該当しうるうえ、2020 年改正で自家増殖も原則許諾制になりました。35 条により『登録品種と知らなかった』ことの立証はあなたの側に回ります。業界裏話ヒント:登録品種かどうかは苗のラベルや種袋に『登録品種』『PVP』と表示されていることが多い。この表示を見ながら無断増殖していた場合、無過失の主張は一気に苦しくなる。逆に表示が一切なかった事実は、反証材料として効く(最新の改正状況をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 推定・転換の対象 | 種苗法 35 条:過失の有無を推定し立証責任を転換 | — |
| 立証責任の所在 | 無過失は侵害者が立証(反証責任) | — |
| 適用場面 | 育成者権・専用利用権の侵害 | — |
| 覆せる手段 | 無過失の反証(独自育成・登録前保有等) | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。