品種登録簿に記載された登録品種の審査特性により明確に区別されない品種は、当該登録品種と特性により明確に区別されない品種と推定する。
要点種苗法35条の2は、品種登録簿の審査特性で明確に区別されない品種を登録品種と区別されない品種と推定し、育成者権侵害訴訟の立証責任を相手方へ転換する規定である。
Q · 登録した品種のコピーが出回ったら、こちらが比較栽培試験までしないと侵害を証明できないの?
登録簿の特性で区別できなければ侵害と推定され、反証責任は相手に移ります
種苗法35条の2により、品種登録簿に記載された審査特性で明確に区別されない品種は、登録品種と区別されない品種(=侵害品種)と推定されます。令和2年改正で新設された規定で、従来は育成者側が比較栽培試験(数か月〜数年、高額)で侵害を証明する必要がありましたが、これ以降は登録簿の特性表と相手の現物を照合し区別がつかなければ推定が働き、「別品種だ」と証明する責任が相手方へ移ります。ただし推定は反証可能で、相手が明確な区別性を示せば覆ります。
何年もかけて育成した新しいイチゴの品種を、ようやく品種登録した。ところがある日、隣県の直売所で見た目も味もそっくりな苗が別名で売られているのを見つける。2020年の改正前なら、それが自分の登録品種と同じものかを証明するために、両方を並べて育てる比較栽培試験を自費で行い、数か月から数年かけてデータを揃える必要があった。種苗法35条の2は、その重い立証負担をひっくり返す。品種登録簿に記載された審査特性で明確に区別できない品種は、あなたの登録品種と特性により区別されない品種だと推定される。つまり登録簿の記載と相手の現物を照合して区別がつかなければ、まず「侵害品種だ」と推定され、反証する責任は相手側へ移る。育成者が立証コストの重さで泣き寝入りしてきた構造を、天秤ごと組み替えた一条だ。
種苗法35条の2は育成者権侵害訴訟における推定規定であり、品種登録簿に記載された登録品種の審査特性により明確に区別されない品種を、当該登録品種と特性により明確に区別されない品種と推定する旨を定める。令和2年改正で新設され、育成者側の立証負担を軽減し、反証の責任を相手方へ転換する機能を持つ。
AI 輔助整理,以條文原文為準
令和2年改正で新設された推定規定です。品種登録簿の審査特性で明確に区別されない品種を、登録品種と区別されない侵害品種と推定し、育成者権侵害の立証負担を軽減します。
原則は育成者側ですが、35条の2の推定が働くと、明確に区別される別品種であることを相手方が立証する側に回ります。立証責任が転換される点が最大の効果です。
登録品種を他品種と区別するために審査で確認された形質(草丈・果色・耐病性など)の記録です。35条の2の推定はこの記載を土台にするため、記載の精密さが重要です。
自分の品種が登録簿の審査特性とこの点で明確に区別されると証拠で示せば推定は覆ります。比較栽培試験や第三者機関の特性鑑定が反証手段になります。
令和2年(2020年)の種苗法改正で新設された規定で、それ以降の侵害事案に適用されます。改正前は育成者が自費の比較栽培試験で侵害を証明する必要がありました。
できます。育成者権侵害には種苗法33条の差止請求権があり、35条の2の推定が働けば警告・交渉の段階から有利に進められます。損害賠償は34条の損害額推定と併用します。
有効な品種登録簿があり、その審査特性と相手品種を照合して明確に区別できないことが必要です。育成者権の存続期間内であることも前提となります。
農林水産省の品種登録ホームページや品種登録簿の閲覧で確認できます。侵害を疑ったらまず自分の登録簿の審査特性の記載を取り寄せて確認するのが第一歩です。
いいえ。35条の2の推定は、あなた(育成者)が品種登録簿の審査特性と相手の品種が明確に区別できないことを示せば、侵害品種だと推定されるという意味です。相手が、この特性で明確に区別されると反証すれば覆ります。業界裏話ヒント:実務では推定が働いた瞬間に相手の反証コスト(比較栽培試験は数か月から数年、費用も高額)が跳ね上がるため、訴訟前の和解交渉で一気に有利になる。勝つための条文というより、相手を交渉の席に着かせる条文だと弁護士は見ている
登録品種より前から存在し特性で明確に区別される、あるいは公知だった品種であれば侵害になりません。ただし35条の2の推定が働くと、先行品種・別品種だという立証はあなた側の負担になります(種苗法20条の効力範囲)。業界裏話ヒント:在来種や自家採種を続けてきた農家ほど、いつから栽培しているか、種苗の由来といった記録を残していないことが多い。推定を覆す鍵は普段の栽培記録・写真・取引履歴で、トラブルになってから集めるのでは遅い
困ります。35条の2の推定の土台は品種登録簿の審査特性そのものなので、記載が曖昧だと侵害時に明確に区別されないことを示しにくくなります(種苗法3条の区別性要件とも連動)。業界裏話ヒント:種苗メーカーの知財担当は、出願段階で将来の侵害訴訟を見据えて特性表を作り込む。個人育成者ほどここで手を抜き、数年後に推定が使えず泣く。登録は権利を取るだけでなく、将来戦うための証拠を作る作業だと考える
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 推定の対象 | 35条の2:品種の同一性(審査特性で区別されない=侵害品種と推定) | — |
| 推定の土台 | 品種登録簿に記載された審査特性 | — |
| 軽減する立証負担 | 比較栽培試験による同一性の立証 | — |
| 反証の余地 | 相手が明確な区別性を示せば覆る | — |
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