要点種苗法 35 条の 3 は、利害関係者が農林水産大臣に品種の区別性の判定を求められる制度を定める。判定は専門的意見であり裁判所を拘束しないが、交渉や訴訟で重視される。
Q · 自分の登録品種にそっくりな苗が出回っているとき、いきなり裁判しかないの?
訴訟の前に国へ品種の区別性を判定してもらえます
種苗法 35 条の 3 により、登録品種について利害関係を有する者は、ある品種が品種登録簿に記載された「審査特性」により当該登録品種と明確に区別されない品種かどうかについて、農林水産大臣の判定を求められます。DNA 鑑定や訴訟にいきなり進む前の偵察手段です。ただしこの判定は特許法の判定制度と同じく裁判所を拘束する行政処分ではなく、最終的な区別性の判断は民事訴訟で裁判所が独自に行います。それでも専門機関の判断という重みは、交渉でも訴訟でも効いてきます。
シャインマスカットやあまおう、長い年月をかけて生み出されたブランド品種の苗が無断で増やされ、別の名前でこっそり出回る。育成者権者がそれを止めたいとき、これまでは高額な DNA 鑑定と訴訟しか道がなかった。種苗法 35 条の 3 が用意したのは、その手前の一手だ。利害関係を有する者は、ある品種が品種登録簿に記載された登録品種の「審査特性」によって明確に区別されるかどうか、農林水産大臣に判定を求められる。あなたが新品種を売り出す前でも、誰かに真似されたと疑うときでも、いきなり裁判に突っ込む前に、国の専門的判断を取りに行ける。ただし押さえておいてほしいのは、この判定は特許法の判定制度と同じく、裁判所を拘束する行政処分ではないという点だ。それでも、専門機関が下した判断という重みは、相手との交渉でも、その後の訴訟でも効いてくる。知っている者は安く決着をつけ、知らない者は最初から大砲を撃つ。
種苗法 35 条の 3 は品種区別性の判定制度を定める規定であり、利害関係者が農林水産大臣に対し、ある品種が登録品種の審査特性により明確に区別されない品種かどうかの判定を求められる旨を規定する。判定は必要な調査を経てなされるが、行政処分ではなく専門的意見にとどまり、最終的な区別性の判断は裁判所に委ねられる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
ある品種が登録品種の審査特性により明確に区別されるかを、農林水産大臣に判定してもらう制度です。種苗法 35 条の 3 が根拠で、訴訟前の偵察手段として使えます。
品種登録の審査で用いられ、品種登録簿に記載される品種の特徴のことです。花の色や形など、区別性を判断する法的な物差しになります。見た目や味の素人感覚とは別物です。
育成者権の侵害になりえます。挿し木や株分けで増やして譲渡・販売する行為も対象で、差止めや損害賠償の対象になります。まず 35 条の 3 の判定で区別性を確認できます。
登録品種の審査特性により明確に区別されない品種を、権利者に無断で生産・譲渡等する行為が侵害の中心です。オリジナルだと思っても区別できなければ侵害品となりえます。
手数料や調査費が想定されます。具体額は農林水産省令の定めや調査内容によるため、農林水産省の窓口や弁理士に確認するのが確実です。訴訟や DNA 鑑定よりは安く済むのが利点です。
令和 2 年改正で、登録品種の自家増殖は原則として育成者権者の許諾が必要になりました。一般品種や試験研究目的は対象外です。まず対象品種かを確認するのが先決です。
その品種が登録品種なら、無断で増やして譲渡する行為は育成者権の侵害になりえます。一般品種なら問題ありません。品種登録の有無を農林水産省の品種登録データベースで確認しましょう。
農林水産省の品種登録ホームページや品種登録簿で、品種名・登録番号から確認できます。審査特性もそこに記載され、35 条の 3 の判定を求める際の基礎資料になります。
止められません。35 条の 3 の判定は専門的な意見であって、相手を直接拘束する行政処分ではないからです。販売を止めるには別途、育成者権に基づく差止請求の民事訴訟が必要です。業界裏話ヒント:この判定は特許法 71 条の判定制度をモデルにしており、行政処分でないため不服申立て(審査請求)の対象にもなりません。それでも裁判所は専門機関の判断として重視するので、訴訟前にこれを握っておくと交渉での立ち位置がまるで違ってきます
利害関係を有する者本人が、農林水産省令で定める手続に従って農水大臣に求めることができます。代理を頼むなら、知的財産を扱う弁理士が適任で、種苗法関連も弁理士の業務範囲です。業界裏話ヒント:「弁護士でないと」と思い込んで動かない人が多いですが、品種の審査特性という技術的な土俵では、弁理士のほうが実務に通じている場面が多い。誰に頼むかで、申請書の説得力が変わります
行政処分ではないので、審査請求や取消訴訟といった行政上の不服手続では争えません。最終的に決着をつけるのは、育成者権侵害をめぐる民事訴訟であり、そこで裁判所が品種の区別性を独自に判断します。業界裏話ヒント:判定が不利でも「裁判で必ず負ける」わけではない、というのが知られていない点です。判定はあくまで有力な参考資料。逆に、有利な判定が出ても相手が争えば訴訟は避けられない。判定は終着点ではなく入口だと割り切るのが実務感覚です
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 手続の目的 | 種苗法 35 条の 3:区別されない品種かの判定(訴訟前の偵察) | — |
| 誰が判断するか | 農林水産大臣(調査の上での専門的判断) | — |
| 法的拘束力 | なし(行政処分ではない専門的意見) | — |
| 判断の物差し | 品種登録簿に記載された審査特性による区別性 | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。