マンションの管理の適正化の推進に関する法律 第77条の2(利益相反のおそれがある場合のマンションの区分所有者等への事前説明)
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マンション管理業者(管理事務の委託を受けた管理組合の管理者等であるものに限る。)は、自己又は人的関係、資本関係その他の関係において当該マンション管理業者と密接な関係を有する者として国土交通省令で定める者との間における取引を行うとき(管理受託契約又は管理者受託契約を締結しようとするときを除く。)は、あらかじめ、国土交通省令で定めるところにより説明会を開催し、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等に対し、当該取引につき重要な事実として国土交通省令で定める事項を説明しなければならない。ただし、災害その他やむを得ない事由により当該取引が速やかに行われることが必要であると認められる場合として国土交通省令で定める場合は、この限りでない。
この条文の基本情報
利益相反のおそれがある場合のマンションの区分所有者等への事前説明とは何ですか?
定義利益相反のおそれがある場合のマンションの区分所有者等への事前説明とは、マンションの管理の適正化の推進に関する法律第77条の2に定められた規定で、「マンション管理業者(管理事務の委託を受けた管理組合の管理者等であるものに限る。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- マンションの管理の適正化の推進に関する法律第77条の2(利益相反のおそれがある場合のマンションの区分所有者等への事前説明)は、日本のマンションの管理の適正化の推進に関する法律に含まれる条文です。
- マンションの管理の適正化の推進に関する法律第77条の2の条文原文は「マンション管理業者(管理事務の委託を受けた管理組合の管理者等であるものに限る。」で始まります。
- マンションの管理の適正化の推進に関する法律第77条の2は第三節 業務に置かれています。
- マンションの管理の適正化の推進に関する法律の公布日は平成12年12月8日です。
- マンションの管理の適正化の推進に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- マンションの管理の適正化の推進に関する法律第77条の2の前の条はマンションの管理の適正化の推進に関する法律第77条です。
- マンションの管理の適正化の推進に関する法律第77条の2の次の条はマンションの管理の適正化の推進に関する法律第78条です。
- マンションの管理の適正化の推進に関する法律第77条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
マンションの管理の適正化の推進に関する法律(平成十二年法律第百四十九号)第77条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/412AC1000000149 - 本サイト収録
マンションの管理の適正化の推進に関する法律(平成十二年法律第百四十九号)第77条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/412AC1000000149/77_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点マンション管理適正化法77条の2は、管理者を兼ねる管理業者が自社や密接関係者と取引する前に、説明会を開いて区分所有者に重要事項を説明する義務を定める。
Q · 管理会社が管理者を兼ねていて、系列会社に修繕工事を出すとき、住民に何か知らされるの?
事前の説明会が義務だが、住民の同意までは要らない
マンション管理適正化法77条の2により、管理組合の管理者等を兼ねる管理業者が、自社や国土交通省令で定める密接関係者と取引するときは、あらかじめ説明会を開き、区分所有者等に重要な事実を説明しなければなりません。ただし求められるのは説明であって同意ではありません。取引を止めたいときは、管理規約に基づく総会決議や管理者の解任(区分所有法25条)など別の手段が必要です。災害等の緊急時は省令所定の場合に限り例外となります。
解説
修繕積立金の通帳と印鑑を握っている者が、自分のグループ会社に工事を発注する。管理会社に管理者まで任せる「管理業者管理者方式」(理事会を置かず、管理会社が区分所有者の代表として契約や支払いを行う形)では、この構図が日常的に起こりうる。本条は、この状態にブレーキをかける。管理者を兼ねる管理業者が、自社や子会社・関連会社など国土交通省令で定める「身内」と取引するときは、取引の前に説明会を開き、重要な事実を区分所有者に説明しなければならない。ここで押さえておくべきことがある。法律が求めているのは「説明」であって「同意」ではない。説明会に出席しないまま終われば、あなたの積立金がどこへ流れるかを確かめる、ほぼ唯一の公式な機会を自分で手放すことになる。招集通知を受け取ったら、取引相手との資本関係、金額の根拠、相見積もりの有無の三点を質問としてメモしておくとよい。
法的な位置づけ
マンション管理適正化法77条の2は、管理事務の委託を受け、かつ管理組合の管理者等となっているマンション管理業者が、自己または人的関係・資本関係等により密接な関係を有する者として国土交通省令で定める者と取引を行う場合に、事前に説明会を開催し、区分所有者等に重要な事実を説明する義務を定める規定である。管理受託契約等の締結は対象外とされる。
手順
- 1.招集通知で取引相手を特定する 説明会の案内が届いたら、取引の内容・金額・取引相手の社名を確認する。管理会社と社名が似ている、所在地が同じなどの点に注意する
- 2.取引相手と管理会社の関係を調べる 取引相手の会社情報や登記情報を確認し、管理会社との資本関係・役員の兼任がないかを調べる。省令で定める密接関係者の範囲と照らし合わせる
- 3.質問リストを作って説明会に出席する 資本関係、金額の根拠、相見積もりの有無の三点を中心に質問し、回答を議事録に記載するよう求める。出席できない場合は代理出席や資料交付を依頼する
- 4.総会・規約で歯止めをかける 取引に問題があれば総会で議案の修正や否決を求める。将来に向けて、管理規約や管理者受託契約に「関連会社との取引は総会承認を要する」旨の条項を入れるよう提案する
よくある質問 AI による整理
Q1管理業者管理者方式とは何ですか?
理事会を置かず、管理会社が管理組合の管理者に就いて契約や支払いを行う方式です。理事のなり手不足に対応する仕組みですが、取引の監視役が不在になりやすい特徴があります。
Q2マンション管理適正化法77条の2の説明会はいつ開かれますか?
管理業者が密接関係者と取引を行う「前」に開く必要があります。開催の告知期間や方法の細目は国土交通省令で定められています。
Q3管理会社の系列会社への修繕工事発注は違法?
発注そのものは禁止されていません。管理者を兼ねる管理業者の場合、事前に説明会を開いて重要な事実を説明する手続を踏むことが求められます。
Q4説明会を開かずに系列会社へ発注されていたらどうする?
総会議事録や管理事務の報告書類を確認し、記録を保全したうえで、国土交通省の地方整備局への情報提供や、総会での管理者解任を検討します。
Q5管理会社が管理者になるデメリットは?
発注者と受注者が同じグループにつながりやすく、価格や業者選定の妥当性を内部でチェックする人がいなくなる点です。本条の説明会はその穴を埋める仕組みです。
Q6外部管理者の利益相反取引 どこまで規制される?
管理業者自身と、人的関係・資本関係等で密接な関係を有する者として国土交通省令で定める者との取引が対象です。具体的な範囲は省令で確認が必要です。
Q7管理会社の説明会に出られないときは?
家族などが代理で出席できるか、委任状の扱いを管理会社に確認します。出席できなくても、説明資料の交付と質疑記録の閲覧を求めておくとよいでしょう。
Q8管理会社の利益相反取引 罰則はある?
説明会の手続を怠ると、国土交通大臣による指示や業務停止命令などの監督処分の対象となりえます。具体的な処分要件は同法の監督規定で確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1説明会で反対したら、その工事って止められるんですか?
本条(77条の2)は説明を義務づけるだけで、反対があれば取引できないという仕組みではない。止めるには、管理規約で総会決議が必要な事項かを確認し、総会で否決するか、管理者を解任する(区分所有法25条)しかない。実務のポイント:規約に「関連会社との取引は総会承認事項とする」と一行あるかどうかで、説明会の重みはまったく変わる。外部管理者を選ぶ段階で、この一行を入れられるかが勝負になる
Q2うちは理事会があって管理会社は管理者じゃないんですが、関係ありますか?
直接は関係しない。本条の対象は、管理事務を受託しているうえに管理組合の管理者等にもなっている管理業者に限られる(77条の2のかっこ書)。理事会方式なら、発注の判断は理事会と総会が担う。実務のポイント:理事会があっても、実務では管理会社の提案をそのまま追認していることが多い。法律の網がかからない分、系列発注を見抜く責任は理事にそのまま残っている
Q3雨漏りで急いで直すときも、いちいち説明会を開くんですか?
災害その他やむを得ない事由で速やかな取引が必要な場合として国土交通省令で定める場合は、事前説明が不要になる(本条ただし書)。実務のポイント:「緊急」はあくまで例外で、どの範囲まで認められるかは省令の要件で決まる。区分所有者の側は、事後の報告で、本当に急ぐ必要があったのか、なぜ系列会社だったのかを確認する。緊急対応が何度も続くようなら、警戒したほうがよい
間違えやすい点 AI による整理
- 「説明会で説明を受けた以上、取引は承認されたことになる」と思われがちだが、本条が課しているのは事前説明の義務だけで、区分所有者の同意を取引の要件にはしていない。発注を止めたり条件を変えさせたりするには、規約に基づく総会決議や管理者の解任(区分所有法25条)といった別の手段が必要になる。説明会はゴールではなく、反対するための材料を集める場である
- 管理会社の「身内」というと子会社ぐらいを思い浮かべるが、条文は「人的関係、資本関係その他の関係」と幅広く書き、具体的な範囲を国土交通省令に委ねている。役員の兼任や親会社の別子会社が対象になりうる一方で、どこまで含まれるかは省令の定め次第である。自分の建物の取引相手がどこに当たるかは、省令の範囲と照らし合わせて確認する必要がある(最新の省令内容をご確認ください)
- 問題は「管理会社が身内に発注すること」そのものではない。系列会社のほうが品質管理が行き届いて安い場合もある。法律が問うのは、区分所有者がそれを知らないまま決まることだ。区分所有者から見れば単なる工事発注でも、法律から見れば代理人が自分と取引する構図(民法108条の自己契約・双方代理と同じ問題)である。この視点を持たずに説明会に出ると、何を聞けばいいのか分からないまま終わる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 説明のタイミング | 77条の2:密接関係者との取引を行う前 | 72条:管理受託契約を締結する前 77条:管理事務の実施後に定期的に報告 |
| 対象となる管理業者 | 管理組合の管理者等を兼ねる管理業者に限る | 管理受託契約を締結しようとする管理業者 管理事務の委託を受けた管理業者 |
| 説明の対象事項 | 密接関係者との個別取引の重要な事実 | 管理受託契約の内容等の重要事項 管理事務の処理状況 |
| 区分所有者の役割 | 取引前に情報を得て総会・解任等で対応を検討 | 契約締結の可否を判断する材料を得る 管理事務の結果を事後に検証する |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では管理委員会方式が主流で、管理服務人の利益相反取引に特化した事前説明会の規定は見当たらず、民法の自己代理・双方代理禁止の一般規律で対応する構図となる
ドイツでは外部の Verwalter(管理者)が一般的で、自己取引は BGB § 181の Insichgeschäft の規律と区分所有者集会の決議によって統制される
フランスでは syndic(管理者)と関係者との契約は総会の特別な承認を要するとされ、説明にとどまる日本の本条より強い同意型の規律となっている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- ポストに「大規模修繕工事に関する説明会のお知らせ」が届いた。施工会社の名前は、管理会社の名前と一文字違い。資本関係を質問しなければ、誰も教えてくれない
- 管理会社に管理者を任せて三年目に、給水ポンプの交換工事が見積もり一社だけで発注されていた。説明会は開かれていない。施工したのが管理会社の子会社だった場合、本条違反を疑う余地がある。まず総会議事録と説明会の記録が残っているかを確認する
- あなたが管理業者の担当者だったら、どうする? 台風で屋上防水が破れ、雨漏りが三戸に広がっている。協力会社に今日中に発注したいが、説明会を開く余裕はない。災害などやむを得ない場合の例外(ただし書)に当たるかは省令の要件で決まり、事後の記録と報告がなければ後で利益相反を疑われる
- あと十日で臨時総会。管理会社の系列保険代理店を通じて、共用部分の火災保険を更新する議案が出ている。保険料が前回より二割上がっている理由を、説明会で聞けるのは今だけだ
- 高齢の両親が住む分譲マンションでは、理事のなり手がいなくなり、数年前から管理会社が管理者になっている。親から「なんか説明会の紙が来たけど、行かなくていいよね」と電話があった。代わりに出席できるか、委任状の扱いを確認する場面である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 説明会の資料と招集通知を保管し、取引相手と管理業者の関係、金額、選定理由を確認する2. 相見積もりの有無や過去の発注実績を質問し、議事録への記載を求める3. 説明会を開かずに系列会社へ発注されていた場合は、管理業者の報告書類を確認し、国土交通省(地方整備局)への情報提供を検討する4. 管理者として不適任と考えるなら、総会での解任決議、または区分所有法25条2項に基づく裁判所への解任請求を検討する。損害が出ていれば民法上の損害賠償請求も視野に入る
訴えられた側:1. 取引予定先が省令で定める密接関係者に当たるかを、社内で事前に判定する仕組みを作る2. 該当する取引は、発注前に説明会の日程、資料、質疑記録をそろえる3. 災害などで急ぐ場合も、ただし書の要件に当たる根拠と経緯を記録し、事後に報告する4. 相見積もりを取って価格の妥当性を示せるようにしておく。説明会の手続を踏んでいないと、国土交通大臣による指示や業務停止などの監督処分の対象になりうる(同法81条、82条、現行効力を要確認)
時効(請求できる期限):本条に特定の時効はない。説明会は取引の「前」に開く必要があり、開催の告知期間や方法は国土交通省令の定めによる(最新の改正状況をご確認ください)。損害賠償を請求する場合、契約上の責任は一般消滅時効(民法166条、知った時から5年、権利を行使できる時から10年)、不法行為は損害及び加害者を知った時から3年(民法724条)である
改正沿革 AI による整理
- 令和7年(2025年)改正(施行日要確認) 老朽化マンション等の管理・再生の円滑化を図る一連の法改正の中で、管理業者が管理者を兼ねる場合の利益相反取引について事前説明を義務づける規定として新設されたとみられる。改正法の名称・施行日は人による確認が必要
- マンションの管理の適正化の推進に関する法律 第2条管理組合・管理者等・管理業者の定義
- マンションの管理の適正化の推進に関する法律 第72条管理受託契約締結前の重要事項説明
- マンションの管理の適正化の推進に関する法律 第77条管理事務の報告義務
- マンションの管理の適正化の推進に関する法律 第81条違反時の国土交通大臣の指示(現行効力を要確認)
- マンションの管理の適正化の推進に関する法律 第82条業務停止命令(現行効力を要確認)
- 建物の区分所有等に関する法律 第25条管理者の選任・解任と裁判所への解任請求
- 建物の区分所有等に関する法律 第28条管理者の権利義務に委任規定を準用
- 民法 第108条自己契約・双方代理の制限、利益相反の一般法理
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