政府は、個人情報の性質及び利用方法に鑑み、個人の権利利益の一層の保護を図るため特にその適正な取扱いの厳格な実施を確保する必要がある個人情報について、保護のための格別の措置が講じられるよう必要な法制上の措置その他の措置を講ずるとともに、国際機関その他の国際的な枠組みへの協力を通じて、各国政府と共同して国際的に整合のとれた個人情報に係る制度を構築するために必要な措置を講ずるものとする。
要点個人情報保護法 6 条は、政府に対し要配慮情報への格別の措置と国際的に整合した制度の構築を義務づけるプログラム規定で、要配慮個人情報と越境移転規制の根拠となる。
Q · 個人情報保護法 6 条って「政府が頑張る」だけの条文で、実務には関係ないんですか?
いいえ。要配慮情報や越境移転規制の設計指示です
個人情報の保護に関する法律 6 条は、政府に対して二つの措置を義務づけるプログラム規定です。第一に、病歴・信条など漏えいが差別に直結する情報について格別の法制上の措置を講ずること。第二に、各国政府と共同して国際的に整合のとれた制度を構築すること。前者が要配慮個人情報(2 条 3 項)と取得制限(20 条)を、後者が EU 十分性認定を支える越境移転規制(28 条)を生みました。直接あなたを縛る義務は書かれていませんが、実務ルールの設計思想がここにあります。
個人情報保護法の条文を順に追っていくと、6 条で「政府は措置を講ずる」という、いかにも読み飛ばしたくなる一文に出くわす。だがここは、この法律の設計図そのものだ。6 条は二つの種を蒔いている。第一に、病歴・犯罪歴・人種・信条のように、漏れれば差別や取り返しのつかない不利益に直結する情報について、政府に格別の法制上の措置を義務づけた。これが後の「要配慮個人情報」というカテゴリーの立法根拠になる。第二に、各国政府と協力して国際的に整合のとれた制度を作る措置を命じた。これが、EU の GDPR から日本が「十分性認定」を受け、EU の個人データを日本企業が受け取れる現在の基盤だ。あなたが越境 EC やクラウドで海外のデータを扱えるのは、この一文の子孫のおかげである。プログラム規定と侮ると、法体系の背骨を見落とす。
個人情報の保護に関する法律 6 条は、政府に対し、性質上特に厳格な取扱いを要する個人情報について格別の保護措置を講ずるとともに、国際的に整合のとれた制度を構築する措置を講ずべき旨を定めるプログラム規定である。要配慮個人情報の特則および越境移転規制の立法的根拠として機能する。
人種・信条・病歴・犯罪歴など、漏えいすると差別や不利益に直結する情報です。個人情報保護法 2 条 3 項が定義し、原則本人同意なく取得できません(20 条 2 項)。その母体が 6 条です。
国家に政策目標や措置義務を課すが、私人を直接拘束する権利義務を定めない条文を指します。6 条はその典型で、要配慮情報や越境移転規制の設計指示として機能します。
平成 27 年(2015 年)改正で国際整合措置の後段が追加され、令和 3 年(2021 年)改正で官民一元化に伴い章立てが再編されましたが、実質的内容は維持されています。
EU の個人データを日本企業が受け取る際、原則として標準契約条項(SCC)の締結が必要になり、越境移転コストが跳ね上がります。認定は定期的に見直されます。
個人情報保護法を所管する独立した監督機関で、ガイドライン策定・監督・EU との整合協議などを担います。6 条が命じた措置の実行主体の中核です。
病歴は要配慮個人情報にあたり、原則として本人同意なく取得できません(20 条 2 項)。この特別扱いの立法的出発点が 6 条の「格別の措置」の指示です。
6 条自体は政府向けの措置義務ですが、その指示から生まれた 20 条・28 条が民間企業の取得・越境移転の実務を直接拘束します。無関係ではありません。
マイナンバー(特定個人情報)は要配慮個人情報ではなく、マイナンバー法により上乗せの厳格規律が別途課されます。保護の枠組みが異なります。
確かに直接あなたを縛る義務は書かれていません。ただしこの指示があったからこそ、平成 27 年(2015 年)改正で要配慮個人情報(2 条 3 項)が新設され、取得制限(20 条 2 項)などの具体規制が生まれました。業界裏話ヒント:実務家は 6 条を「立法趣旨の根拠条文」として読み、なぜこの規制があるのかを説明する出発点にする。制度趣旨を問われたとき、6 条まで遡れる人と遡れない人で答えの説得力がまるで変わる。
あります。6 条後段の「国際的に整合のとれた制度を構築する措置」が、EU から日本への十分性認定(2019 年発効)の国内的な土台です。この認定のおかげで、EU の個人データを日本企業が原則追加手続なしで受け取れます(最新の認定状況をご確認ください)。業界裏話ヒント:認定は永久ではなく定期的に見直される。EU の審査で日本の制度が不十分とされれば失効し、越境移転コストが一気に跳ね上がる。日本の法改正が EU の動向とセットで動くのはこのためだ。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規定の性質 | 6 条:政府への措置義務を課すプログラム規定 | — |
| 名宛人 | 政府 | — |
| 生み出した具体制度 | 要配慮個人情報・取得制限・越境移転規制・十分性認定の基盤 | — |
| 民間企業への波及 | 20 条・28 条を通じて間接的に実務を拘束 | — |
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