行政機関の長等は、開示請求に係る保有個人情報に不開示情報が含まれている場合であっても、個人の権利利益を保護するため特に必要があると認めるときは、開示請求者に対し、当該保有個人情報を開示することができる。
要点個人情報保護法80条は、不開示情報が含まれていても、個人の権利利益の保護に特に必要と認めるとき、行政機関の長等が裁量で開示できると定める規定である。開示は義務ではなく判断であり、その当否は審査請求で争える。
Q · 役所から返ってきた黒塗りの記録、もう見られないんですか?
義務ではないが、審査請求で不開示の当否を争える
個人情報保護法80条により、開示請求に係る保有個人情報に不開示情報が含まれていても、行政機関の長等は、個人の権利利益の保護に特に必要と認めるときは開示できます。これは開示義務ではなく裁量ですが、判断である以上、権利利益との比較検討を欠いた不開示は裁量権の逸脱濫用(行政事件訴訟法30条)として取り消される余地があります。まず審査請求を行い、情報公開・個人情報保護審査会のインカメラ審理で黒塗りの当否を第三者に点検させるのが定石です。
公立病院に自分のカルテを請求したら、主治医の所見欄が黒塗りで返ってきた。児童相談所に自分の家庭の記録を求めたら、肝心なページが全て塗りつぶされていた。役所はそれを『不開示情報が含まれるから』と説明する。ここで多くの人は引き下がる。だが個人情報保護法80条を知る人は引き下がらない。この条文は、不開示情報が含まれていても、『個人の権利利益を保護するため特に必要があると認めるとき』は行政機関の長等が開示できると定める。つまり黒塗りは『法律上開示できない』のではなく、『行政が開示しないと判断した』にすぎない。判断である以上、その判断が妥当だったかを審査請求と訴訟で問い直せる。裁判所は裁量権の逸脱濫用があれば決定を取り消す。黒塗りの向こう側は、まだ交渉のテーブルの上にある。
個人情報保護法80条は、行政機関の長等による裁量的開示を定める規定である。開示請求に係る保有個人情報に不開示情報が含まれる場合であっても、個人の権利利益を保護するため特に必要があると認めるときは、当該情報を開示することができる旨を規定し、不開示情報の秘匿原則に対する裁量的な例外を画する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
不開示情報が含まれていても、個人の権利利益の保護に特に必要と認めるとき、行政機関の長等が裁量で開示できる制度です。個人情報保護法80条が根拠で、開示は義務ではなく判断です。
本人開示請求に不開示情報が混ざる場合でも、権利利益保護に特に必要なら行政が開示『できる』と定める例外規定です。不開示78条を乗り越える窓口として働きます。
決定があったことを知った日の翌日から3か月以内です(行政不服審査法18条)。1日過ぎると原則として黒塗りの当否を争う扉が閉じるため、通知の受領日を証拠化しておきましょう。
諦める必要はありません。黒塗りは『開示できない』ではなく『開示しない判断』です。80条の裁量的開示を求め、審査請求のインカメラ審理で中身を第三者に点検させられます。
行政の裁量判断が社会通念上著しく不合理な場合を指します。権利利益との比較検討をした形跡がない不開示は、裁判所が裁量権の逸脱濫用(行政事件訴訟法30条)として取り消せます。
部分開示(79条)は不開示部分を除いて開示するもの、裁量的開示(80条)は不開示情報そのものを権利利益保護のため裁量で開示するものです。守備範囲が異なります。
その情報を保有する行政機関の長等(各省庁・自治体・独立行政法人等)に対して行います。まず開示請求(76条)をし、決定に不服なら80条の裁量的開示を主張する流れです。
処分を知った日から6か月以内かつ処分の日から1年以内です(行政事件訴訟法14条)。審査請求を経てから訴訟に進むのが実務上の定石です。
あります。不開示決定に対して審査請求をすると、情報公開・個人情報保護審査会が黒塗りの中身を実際に見て(インカメラ審理)、不開示が妥当か審理します(行政不服審査法)。業界裏話ヒント:この審査会は、行政が隠した現物を見られる唯一の第三者です。あなた自身は中身を見られませんが、中立の目が入る。ここまで進めるかどうかで結論が変わります
いりません。審査請求書は本人が書けて、手数料もゼロです(行政不服審査法)。取消訴訟と違い、費用の壁がほぼない。業界裏話ヒント:多くの人は不開示決定を受け取ると訴訟を思い浮かべて諦めますが、その手前に無料の審査請求という段がある。しかも審査会が現物を見るので、行政の自己採点より覆る余地が大きい。まず審査請求、が定石です
必ずではありません。80条は『開示できる』であって、行政に開示を義務づけていません(80条)。ただし判断である以上、不合理なら裁判所が裁量権の逸脱濫用として取り消せます(行政事件訴訟法30条)。業界裏話ヒント:狙いは『開示せよ』ではなく『検討していない不開示は違法』という攻め方。行政が権利利益との比較検討をした形跡がなければ、そこが崩し所です
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 何を開示するか | 80条:不開示情報そのものを裁量で開示 | — |
| 行政の性質 | 『できる』=裁量的判断(義務ではない) | — |
| 本人が突く争点 | 権利利益との比較検討を欠いた不開示は裁量権の逸脱濫用 | — |
| 存否応答拒否との関係 | 情報の存在を前提に開示の可否を判断 | — |
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