人事訴訟法 第36条(判決によらない婚姻の終了の場合の附帯処分についての裁判)
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婚姻の取消し又は離婚の訴えに係る訴訟において判決によらないで当該訴えに係る婚姻が終了した場合において、既に附帯処分の申立てがされているときであって、その附帯処分に係る事項がその婚姻の終了に際し定められていないときは、受訴裁判所は、その附帯処分についての審理及び裁判をしなければならない。
この条文の基本情報
判決によらない婚姻の終了の場合の附帯処分についての裁判とは何ですか?
定義判決によらない婚姻の終了の場合の附帯処分についての裁判とは、人事訴訟法第36条に定められた規定で、「婚姻の取消し又は離婚の訴えに係る訴訟において判決によらないで当該訴えに係る婚姻が終了した場合において、既に附帯処分の申立てがされているときであって、その附帯処分…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 人事訴訟法第36条(判決によらない婚姻の終了の場合の附帯処分についての裁判)は、日本の人事訴訟法に含まれる条文です。
- 人事訴訟法第36条の条文原文は「婚姻の取消し又は離婚の訴えに係る訴訟において判決によらないで当該訴えに係る婚姻が終了した場合において、既に附帯処分の申立てがされているときであって、その附帯処分…」で始まります。
- 人事訴訟法第36条は第二節 附帯処分等に置かれています。
- 人事訴訟法の公布日は平成15年7月16日です。
- 人事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 人事訴訟法第36条の前の条は人事訴訟法第35条です。
- 人事訴訟法第36条の次の条は人事訴訟法第37条です。
- 人事訴訟法第36条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
人事訴訟法(平成十五年法律第百九号)第36条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000109 - 本サイト収録
人事訴訟法(平成十五年法律第百九号)第36条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/415AC0000000109/36
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点人事訴訟法36条は、離婚訴訟が判決によらず婚姻終了で終わっても、既に申し立てられ未決の附帯処分については受訴裁判所が審理・裁判を続けなければならないと定める。
Q · 離婚訴訟の途中で協議離婚したら、申し立てていた財産分与の審理はどうなる?
申立て済みで未決なら、同じ裁判所で審理が続く
人事訴訟法36条により、離婚訴訟の係属中に協議離婚などで判決によらず婚姻が終了した場合でも、既に附帯処分(財産分与、子の監護に関する処分、年金分割の按分割合など)の申立てがされ、婚姻終了の際にその事項が定められていなければ、受訴裁判所は附帯処分について審理及び裁判をしなければなりません。裁判所の裁量ではなく義務です。ただし婚姻終了前に申立てをしていない事項には適用されません。
解説
離婚訴訟の途中で、配偶者が亡くなった。あるいは審理中に双方が疲れ果て、協議離婚届を出して訴訟の対象そのものが消えた。この瞬間、多くの人は「訴訟は終わり、養育費も財産分与も全部ゼロからやり直し」だと思う。人事訴訟法36条は、その常識を覆す。離婚訴訟に附帯処分(親権者の指定、養育費、財産分与、年金分割の按分割合など、離婚に付随して裁判所が決める事項)の申立てが既に出ていて、婚姻終了の際にその事項が決まっていなかった場合、受訴裁判所は附帯処分についてのみ審理と裁判を続けなければならない。「しなければならない」であって、裁判所の裁量ではない。つまりあなたが訴訟中に積み上げた財産開示、陳述書、調査官調査、その全部が生き残る。家庭裁判所の審判に振り出しから出し直す必要はない。この一条を知っているかどうかで、協議離婚に応じるかどうかの判断そのものが変わる。
法的な位置づけ
人事訴訟法36条は、婚姻の取消し又は離婚の訴えに係る訴訟において、判決によらずに婚姻が終了した場合の附帯処分の帰趨を定める規定である。既に附帯処分の申立てがされ、婚姻終了の際にその事項が定められていないときは、受訴裁判所が当該附帯処分について審理及び裁判を行う義務を負う。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.附帯処分の申立て範囲を棚卸しする 訴状・準備書面を確認し、財産分与、子の監護に関する処分、年金分割の按分割合のうち、どれを附帯処分として申し立て済みかを一覧化する
- 2.婚姻終了前に未申立て事項を追加する 漏れている事項があれば、協議離婚届の提出や和解成立より前に附帯処分の申立てを追加する。婚姻終了後の申立ては本条の対象外
- 3.協議離婚・和解の条件を書面で確認する 相手方から協議離婚や離婚のみの和解を打診されたら即答せず、附帯処分が未決のまま残ることを前提に条件を書面で整理する
- 4.婚姻終了後に審理継続の期日を確保する 婚姻終了を裁判所に報告し、附帯処分の審理継続について期日指定を求め、反論・証拠資料の提出を継続する
よくある質問 AI による整理
Q1人事訴訟法36条とは?
離婚等の訴訟が判決によらず婚姻終了で終わった場合に、申立て済みで未決の附帯処分の審理・裁判を受訴裁判所に義務付ける規定です。
Q2離婚訴訟中に協議離婚届を出してもいい?
出すこと自体は可能です。附帯処分の申立てが済んでいれば審理は続きますが、未申立ての事項は別途調停・審判が必要になるため、提出前に申立て範囲を確認すべきです。
Q3附帯処分の申立てはいつまでにできる?
離婚訴訟の係属中、婚姻が終了する前にしておく必要があります。36条は「既に申立てがされているとき」に限って働くため、婚姻終了後の追加は本条の対象外です。
Q436条で続く審理は家庭裁判所の審判に移る?
移りません。本条は受訴裁判所自身に附帯処分の審理及び裁判を義務付けており、訴訟で積み上げた資料を前提に同じ裁判所で判断されます。
Q5訴訟上の和解で離婚だけ決めた場合はどうなる?
離婚のみ合意し附帯処分が定まらなかった場合も、判決によらない婚姻終了として本条の適用が問題となります。和解条項の書き方は代理人と必ず詰めてください。
Q636条で審理が続くとき期日に出ないとどうなる?
期日に出頭せず主張・資料を出さなければ、相手方の主張と調査結果を中心に判断されるおそれがあります。婚姻終了後も手続は生きていると考えて対応すべきです。
Q7財産分与の請求期限はいつまで?
民法768条2項但書の期間は令和6年改正で2年から5年に伸長されました(2026年4月施行)。経過措置の適用は事案ごとに確認が必要です。
Q8婚姻の取消しの訴えでも36条は使える?
使えます。条文は「婚姻の取消し又は離婚の訴え」を対象としており、婚姻取消訴訟で申し立てた附帯処分も同じ扱いになります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1離婚訴訟の途中で協議離婚届を出したら、それまでの審理は全部無駄になるんですか?
無駄になりません。附帯処分の申立てが既に出ていて、婚姻終了の際にその事項が決まっていなければ、人事訴訟法36条により受訴裁判所が審理と裁判をしなければならないと定められています。証拠調べの結果もそのまま使われます。実務のポイント:相手方が「訴訟が終わるから全部ゼロ」と思い込んでいるケースは実務でよくある。その誤解を訂正せずに離婚届だけ先に受理させる戦術が成立する場面がある。もちろん虚偽の説明はできないが、相手が自ら誤解しているなら、こちらから解説する義務はない
Q2附帯処分って具体的に何のことですか?
離婚等の訴えに附帯して裁判所が定める事項で、子の監護者の指定その他子の監護に関する処分、財産分与に関する処分、年金分割の按分割合を定める処分などです(人事訴訟法32条)。親権者の指定は離婚判決で裁判所が定めます(民法819条2項)。実務のポイント:附帯処分は申し立てなければ裁判所は判断しない。訴状に離婚だけ書いて財産分与を書き忘れると、判決後に別途調停や審判を起こす羽目になり、時間も費用も倍かかる
Q3相手が訴訟中に亡くなったら、財産分与はどうなりますか?
婚姻は死亡により終了し、離婚の訴え自体は終了します。ただし附帯処分の申立てが既にされていれば36条の適用が問題となる一方、離婚が成立していない以上、あなたは相続人としての地位を保ったままです。実務のポイント:離婚判決が確定する前に相手が死亡した場合、配偶者相続分(民法890条、900条)を得る方が財産分与より有利になることが実際にある。離婚訴訟を急ぐか引き延ばすかが、相手の健康状態で変わるという生々しい計算が実務には存在する
間違えやすい点 AI による整理
- 「訴訟の対象である離婚がなくなったのだから、附帯処分の申立ても当然に消える」と考える人が多い。実際は逆で、36条は裁判所に審理義務を課している。訴えの目的が消滅しても附帯処分の裁判は独立して進む、これが制度設計の意図である
- 36条の存在自体は知っていても、その適用に「既に附帯処分の申立てがされているとき」という前提があることの重さを軽く見ている人が多い。婚姻終了の前に申立てをしていなければ、この条文は一行も助けてくれない。訴訟の初期段階でどこまで附帯処分を並べておくかが、後から効いてくる分水嶺になる
- あなたから見れば「協議離婚に応じるのは相手への譲歩」だが、法律から見れば、附帯処分の申立てが既に出ているなら訴訟上の地位はほぼ変わらない。この落差を理解していない側が、譲歩の対価として財産分与を値引きしてしまう
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律対象 | 36条:判決によらず婚姻終了した場合の附帯処分の存続 | 32条:附帯処分の申立てと離婚判決での裁判 34条:附帯処分のための事実の調査 |
| 発動の前提 | 申立て済み+婚姻終了時に未決+判決によらない終了 | 離婚等の訴えに附帯した申立て 附帯処分の審理が係属していること |
| 裁判所の立場 | 審理及び裁判をしなければならない(義務) | 請求認容判決で附帯処分も併せて裁判 家庭裁判所調査官による調査等を活用 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も家事訴訟と家事非訟の合併審理を認めるが、離婚が判決外で成立した後の附帯請求の存続を定める明文の対応規定は本条ほど直截ではない
韓国も離婚訴訟と財産分割・養育に関する事件の併合を認める。併合審理という発想は日本と共通する
ドイツは離婚事件と付随事件(Folgesachen)を一括審理する「Verbund」を採用し、日本の附帯処分制度と構造が近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 離婚訴訟の第5回期日を控えた夜、相手方の代理人から「協議離婚届に判を押す。財産分与は後で話し合おう」と持ちかけられた。財産分与の申立ては既に出している。この状況で協議離婚に応じても、財産分与の審理は同じ裁判所で続く。相手が「訴訟は消えるから白紙だ」と言ってきたら、それは法的に誤りだ
- 夫が離婚訴訟の係属中に病死した。婚姻は死亡で終了し、離婚の訴えは却下または終了する。だが既に申し立てていた子の親権者指定は、離婚を前提とする以上もはや意味を持たない一方、財産分与の申立てがどうなるかは事案によって扱いが異なる。まずは申立ての内容と婚姻終了の原因を代理人に確認させることが最優先
- もし、相手が突然「協議離婚に応じる」と言い出したら、それは何を意味するのか? 附帯処分の申立てを出していない側にとっては、判決で一括して決めてもらう機会を失うことを意味する。訴訟提起の時点で附帯処分を申し立てておくかどうかが、ここで効いてくる
- あなたが被告側で、原告の財産分与請求を争ってきた。原告が協議離婚届に応じたので「これで訴訟は終わった」と気を抜く。裁判所からは附帯処分についての期日通知が届く。出頭しなければ、あなたの主張なしに分与額が決まる。次の期日まであと10日、反論の準備をする側はあなただ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 訴状または準備書面で、財産分与・養育費・親権者指定・年金分割按分割合の附帯処分をどこまで申し立てているか、今日中に代理人に確認させる2. 未申立ての事項があれば、婚姻終了の前に申立てを追加する。36条は「既に申立てがされているとき」しか働かない3. 相手から協議離婚を打診されたら、その場で返事をせず、附帯処分がどう扱われるかを書面で確認4. 婚姻が終了したら、受訴裁判所に附帯処分の審理継続を求める上申を出し、期日を確保する
訴えられた側:1. 相手が協議離婚に応じても附帯処分の審理は続くと想定し、財産分与・養育費の反論資料を維持する2. 裁判所からの期日通知を放置しない。出頭しなければあなたの主張が反映されないまま額が決まる3. 婚姻終了の原因(死亡か協議離婚か)で、どの附帯処分が残りどれが意味を失うかが変わる。親権者指定は離婚を前提とする事項であり、扱いを代理人に整理させる4. 附帯処分の裁判に不服なら、即時抗告等の不服申立ての可否と期間を裁判所書記官に確認する
時効(請求できる期限):36条自体に固有の期間制限はない。ただし年金分割の按分割合を定める処分は離婚等の日の翌日から2年(厚生年金保険法78条の2第1項)、財産分与請求は離婚の時から2年(民法768条2項但書)という除斥期間があり、婚姻終了の日から起算される点に注意を要する(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成15年(2003年) 新設:人事訴訟手続法を全面的に改めた人事訴訟法の制定に伴い新設。離婚訴訟が家庭裁判所に移管され、附帯処分を併合審理する構造の一部として置かれた
- 人事訴訟法 第32条附帯処分の申立てと裁判の根拠規定
- 人事訴訟法 第33条附帯処分の裁判における金銭給付等の命令
- 人事訴訟法 第34条附帯処分の裁判のための事実調査
- 人事訴訟法 第2条人事訴訟の定義、離婚の訴えの位置付け
- 民法 第768条財産分与請求権と2年の期間制限
- 家事事件手続法 第150条附帯処分によらない場合の審判手続への振替
- 厚生年金保険法 第78条の2年金分割按分割合の請求期限2年
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