要点破産法 177 条は、法人の破産手続で、裁判所が破産管財人の申立てまたは職権により、役員の責任に基づく損害賠償請求権について役員個人の財産を保全(凍結)できると定める。
Q · 会社が破産したら、取締役の個人資産も凍結されるの?
役員責任が疑われれば、確定前でも裁判所が凍結できます
破産法 177 条により、法人が破産手続開始の決定を受けると、裁判所は破産管財人の申立てまたは職権で、取締役・監査役・清算人などの役員の責任に基づく損害賠償請求権について、役員個人の財産に保全処分(凍結)をすることができます。責任額が確定する前でも打て、破産の決定前の緊急時にも可能です(2 項)。即時抗告はできますが執行停止の効力はなく(5 項)、争っている間も凍結は続きます。ただし対象は任務懈怠等の責任が疑われる場合に限られ、単なる赤字倒産では対象になりません。
会社が倒産しても、自分は有限責任だから個人の貯金と自宅は守られる。多くの経営者がそう信じている。破産法 177 条は、その信念に冷水を浴びせる。法人が破産手続開始の決定を受けたとき、裁判所は破産管財人の申立て、あるいは職権で、取締役・執行役・監査役・清算人といった役員個人の財産を凍結(保全処分)できる。しかも責任額が確定する前、訴訟を起こされる前の段階で打てる。さらに 2 項では、破産の決定が出る前、申立て中の緊急時でも凍結が可能だ。あなたが守られると思っていた個人口座と不動産は、会社の破産と同時に、役員責任という別ルートで押さえられうる。一度決定が出れば、即時抗告(4 項)はできても執行停止の効力はない(5 項)。抗告している間も、あなたの資産は動かせないままだ。
破産法 177 条にいう保全処分とは、法人の破産手続において、役員の任務懈怠等に基づく損害賠償請求権を保全するため、責任額の確定を待たずに当該役員個人の財産の処分を禁止・制限する裁判上の措置をいう。破産管財人の申立てまたは裁判所の職権により発せられ、破産手続開始決定前の緊急時にも認められる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
法人の破産手続で、裁判所が破産管財人の申立てまたは職権により、役員の責任に基づく損害賠償請求権について役員個人の財産を保全(凍結)できると定める規定です。責任確定前でも発令できます。
役員の任務懈怠等による損害賠償請求権を確保するため、責任額の確定を待たずに役員個人の財産の処分を禁止・制限する裁判所の措置です。破産手続開始決定の前でも緊急時には可能です(177 条 2 項)。
破産法 178 条の手続で、役員の責任の有無と金額を通常訴訟によらず簡易迅速に確定します。177 条の保全処分で財産を凍結し、178 条で責任額を確定するという二段構えになっています。
破産管財人が任務懈怠等を把握 → 177 条で役員財産を保全 → 178 条の査定手続で責任額を確定 → 181 条により給付判決と同一の効力を得て回収、という流れです。債権者は管財人に情報提供して促せます。
裁判所は 177 条 3 項により保全処分を変更・取消しできます。役員が任務を尽くしたことを疎明し、または 178 条の査定で責任が否定されれば、凍結は解除されえます。即時抗告(4 項)でも争えます。
保全処分はあくまで暫定措置で、178 条の役員責任査定により責任額が確定するまで続きます。責任が否定されれば解除されます。即時抗告には執行停止効がないため、争っている間も凍結は継続します。
177 条の保全処分は破産管財人の申立てか職権でのみ発動し、債権者が直接申立てることはできません。債権者は財産流出の兆候などを管財人に情報提供し、役員責任の追及を促すことになります。
保全処分の決定に対しては即時抗告ができます(177 条 4 項)が、執行停止の効力はありません(5 項)。抗告期間は破産法の特則が関わるため、具体的なケースでは弁護士に確認すべきです。
必ずではない。177 条の保全処分は「役員の責任に基づく損害賠償請求権」がある場合、つまり任務懈怠などで会社に損害を与えた疑いがある場合に限られる。単に会社が赤字で倒産しただけでは対象にならない。業界裏話ヒント:保全処分はあくまで凍結であり、責任の有無と金額は別途 178 条の役員責任査定手続で判断される。査定で責任が否定されれば、凍結は解除される。つまり「押さえられた=負けた」ではない
即時抗告(4 項)はできるが、5 項により執行停止の効力がない。つまり抗告している間も凍結は続く。業界裏話ヒント:だから実務では、決定後の抗告で巻き返すより、破産申立ての兆候段階で弁護士をつけ、責任がないことの疎明資料を先に準備するのが定石だ。決定後の抗告は時間がかかり、その間ずっと資産が使えないまま事業も生活も回らなくなる
なる。177 条 1 項は理事・取締役・執行役・監事・監査役・清算人まで列挙している。業界裏話ヒント:知人に頼まれて名目的に役員へ就任するケースは多いが、登記上役員であれば任務懈怠責任を問われうる。報酬がゼロでも、就任承諾書にサインした事実が責任追及の入口になる。名義貸しのつもりが、個人財産凍結の対象になる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 目的 | 177 条:役員責任に基づく請求権の保全(財産の凍結) | — |
| 発動時期 | 責任確定前。破産手続開始決定前の緊急時も可(2 項) | — |
| 効果 | 役員個人の財産の処分を禁止・制限(暫定) | — |
| 不服申立て | 即時抗告可(4 項)だが執行停止効なし(5 項) | — |
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