要点破産法 178 条は、法人破産で裁判所が管財人の申立てまたは職権により、役員の損害賠償責任額を訴訟によらず決定で確定する役員責任査定を定める。申立ては疎明で足りる。
Q · 倒産させた会社の取締役は、訴えられなければ賠償を逃れられるの?
逃れられません。訴訟でなく裁判所の決定で賠償額が確定します。
破産法 178 条により、裁判所は破産管財人の申立てまたは職権で、役員の任務懈怠に基づく損害賠償請求権の額を「役員責任査定決定」で確定できます。正式な訴訟は不要で、申立人は原因事実の疎明で足ります。申立て時に時効の完成猶予及び更新が生じ(4 項)、確定した査定決定は確定判決と同一の効力を持ちます(179 条、180 条)。不服があれば決定送達から 1 か月以内に異議の訴えを提起する必要があります。
会社が潰れたとき、放漫経営で会社を傾けた取締役は、面倒な裁判さえ起こされなければ逃げ切れる、と高をくくっているかもしれない。破産法 178 条は、その逃げ道を塞ぐ。通常、取締役の損害賠償責任を追及するには、破産管財人が正式な民事訴訟を起こし、何年もかけて立証しなければならない。だがこの条文は、管財人の申立てまたは裁判所の職権で、訴訟を経ずに「役員責任査定決定」という簡易迅速な手続で損害賠償額を確定できる仕組みを用意した。しかも申立てに必要なのは「疎明」、つまり一応確からしいという程度の証明で足り、本格的な立証は要らない。さらに申立てがあった瞬間、裁判上の請求があったとみなされ、時効の進行が止まる。倒産した会社の取締役にとって、これは静かに進行する追及装置だ。あなたが取締役なら、破産手続開始の決定が出た時点で、この刃はもう抜かれている。
役員責任査定決定とは、法人の破産手続において、裁判所が破産管財人の申立てまたは職権により、役員の責任に基づく損害賠償請求権の額を訴訟によらず決定で確定する簡易迅速な手続をいう。破産法 178 条が根拠であり、申立てには原因事実の疎明を要し、申立て時に時効の完成猶予及び更新が生じる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
法人破産で、裁判所が管財人の申立てまたは職権により、役員の任務懈怠に基づく損害賠償責任額を訴訟によらず決定で確定する制度です。破産法 178 条が根拠です。
決定の送達日から 1 か月の不変期間内に異議の訴えを提起する必要があります(破産法 180 条)。この期間を過ぎると確定判決と同一の効力が生じ、中身を争えません。
疎明は一応確からしいと裁判所に思わせる程度で足りる証明です。役員責任査定の申立てはこの疎明で足り、本格的な立証が不要な分、手続が迅速に進みます(178 条 2 項)。
なりえます。名前を貸しただけでも会社法上の取締役として任務懈怠責任を問われる余地があり、査定手続では経営関与の実態がなかったことを具体的資料で立証する必要があります。
原則として破産手続が終了すれば査定手続も終了します(178 条 5 項)。ただし既に役員責任査定決定がされた後のものは、この限りではありません。
止まります。申立てまたは職権開始決定があると、裁判上の請求があったものとみなされ、時効の完成猶予及び更新が生じます(178 条 4 項)。管財人は時効切れを恐れず動けます。
会社債務自体は原則会社のものですが、任務懈怠で会社に損害を与えた取締役は会社法 423 条で個人賠償責任を負い、破産では管財人が 178 条の査定で直接取り立てます。
確定した役員責任査定決定は、給付を命ずる確定判決と同一の効力を持ちます(180 条)。取締役の個人財産に対する強制執行の債務名義となります。
正式な訴訟ではなく、破産裁判所が決定で取締役の賠償額を定める簡易な手続です。申立人は「疎明」で足り、厳格な立証が要らない分、迅速に進みます(破産法 178 条)。ただし内容に不服なら送達から 1 か月以内に異議の訴えで通常訴訟に移せます(180 条)。業界裏話ヒント:この異議の訴えを期間内に起こさなければ、査定決定は確定判決と同じ効力を持ち、その後はもう中身を争えません。「決定だから判決より軽い」と油断して期限を逃す取締役が、現実にいる
放置は最悪手です。審尋で反論しないまま査定決定が出て、さらに異議の訴えの 1 か月も逃せば、あなたの賠償責任額が確定し、個人財産が強制執行の対象になります(破産法 179 条、180 条)。業界裏話ヒント:査定は決定前の審尋段階で裁判所の心証がほぼ固まります。決定後に異議の訴えでひっくり返すのは、決定前に反証するより何倍も労力がかかる。書面が届いた時点が、実は最大の勝負所です
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 手続の役割 | 178 条:役員責任査定決定(損害賠償額を決定で確定) | — |
| 申立て・提起の要件 | 原因事実の疎明で足りる(2 項) | — |
| 効果 | 確定すれば確定判決と同一の効力(179・180 条) | — |
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