不動産登記法 第64条(登記名義人の氏名等の変更の登記又は更正の登記等)
クイックジャンプ
- 登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は、登記名義人が単独で申請することができる。
- 2.抵当証券が発行されている場合における債務者の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は、債務者が単独で申請することができる。
この条文の基本情報
登記名義人の氏名等の変更の登記又は更正の登記等とは何ですか?
定義登記名義人の氏名等の変更の登記又は更正の登記等とは、不動産登記法第64条に定められた規定で、「登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は、登記名義人が単独で申請することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 不動産登記法第64条(登記名義人の氏名等の変更の登記又は更正の登記等)は、日本の不動産登記法に含まれる条文です。
- 不動産登記法第64条の条文原文は「登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は、登記名義人が単独で申請することができる。」で始まります。
- 不動産登記法第64条は第一款 通則に置かれています。
- 不動産登記法の公布日は平成16年6月18日です。
- 不動産登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 不動産登記法第64条の前の条は不動産登記法第63条です。
- 不動産登記法第64条の次の条は不動産登記法第65条です。
- 不動産登記法第64条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第64条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123 - 本サイト収録
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第64条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/416AC0000000123/64
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点不動産登記法64条は、登記名義人の氏名・住所の変更登記または更正の登記を、登記名義人が単独で申請できると定める。共同申請主義(60条)の例外にあたる。
Q · 引っ越したら不動産の登記も自分で直さないといけないの?
直す必要があり、名義人が一人で申請できます
不動産登記法64条1項により、登記名義人の氏名・名称・住所の変更登記および更正の登記は、登記名義人が単独で申請できます。共同申請主義(同法60条)の例外であり、共有者や取引相手の同意は不要です。ただし2026年4月1日施行の76条の5により、所有権の登記名義人は変更から2年以内の申請義務を負い、正当な理由なく怠ると5万円以下の過料(164条2項)の対象となります。登録免許税は不動産1個につき1,000円です。
解説
住民票を移せば登記簿の住所も自動で変わる。そう思い込んでいる人が驚くほど多い。実際には連動しない。登記簿に載っているのは、あなたがその不動産を取得した当時の住所と氏名のまま凍結された情報である。不動産登記法64条1項は、その氏名・名称・住所の変更登記または更正の登記を、登記名義人が単独で申請できると定める。ここが急所だ。権利に関する登記は原則として登記権利者と登記義務者が共同で申請しなければならない(60条)。相手の実印も委任状も要る。だが64条はその例外で、あなた一人の意思で登記簿を書き換えられる。しかも2026年4月1日から、所有権の登記名義人には変更から2年以内の申請義務が課された(76条の5)。正当な理由なく怠れば5万円以下の過料(164条2項)。一人でできるはずの手続を放置した結果として制裁を受ける、という珍しい構図が今まさに動いている。
法的な位置づけ
不動産登記法64条は、登記名義人の表示に関する変更登記・更正登記の申請適格を定める規定である。権利に関する登記の共同申請主義(同法60条)の例外として、氏名・名称・住所の変更または更正の登記を登記名義人の単独申請で行うことを認め、抵当証券が発行されている場合の債務者の表示についても債務者の単独申請を認める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.登記事項証明書で現在の記録を確認する 法務局窓口またはオンライン請求(登記・供託オンライン申請システム)で登記事項証明書を取得し、登記簿上の氏名・名称・住所が現在の内容とどうずれているかを確認する。複数の不動産を持つ場合は全件分を洗い出す
- 2.変更の沿革を証する公文書を集める 旧住所から現住所までの移転経過が途切れなくつながる書面を揃える。個人は住民票の写しまたは戸籍の附票、氏名変更は戸籍謄本、法人は登記事項証明書。除票が廃棄済みの場合は不在住証明書・不在籍証明書と権利証、上申書による代替ルートを検討する
- 3.申請書を作成する 登記の目的は「登記名義人住所変更」または「登記名義人氏名変更」、原因は「令和○年○月○日住所移転」等と記載する。複数の不動産があるときは同一の申請書にまとめ、登録免許税を不動産1個につき1,000円(20個以上は2万円上限)で計算する
- 4.管轄法務局へ単独で申請する 不動産の所在地を管轄する法務局へ、窓口・郵送・オンラインのいずれかで申請する。64条1項の単独申請なので、共有者や取引相手の関与は一切不要。登録免許税は収入印紙を申請書に貼付して納付する
- 5.完了後に登記事項証明書で反映を確認する 登記完了予定日以降に登記完了証を受領し、登記事項証明書を再取得して氏名・住所が現在の内容に更新されていることを確認する。今後の異動に備え、76条の6の検索用情報の申出も併せて検討する(最新の運用を確認)
よくある質問 AI による整理
Q1登記名義人表示変更登記とは?
登記簿に記録された名義人の氏名・名称・住所を現在の内容に合わせる登記です。権利の得喪を伴わないため、不動産登記法64条1項により名義人が単独で申請できます。
Q2住所変更登記 いつまでに必要?
所有権の登記名義人は、変更があった日から2年以内です(76条の5、2026年4月1日施行)。施行日前に生じた変更は施行日起算で2028年3月31日が期限とされます。
Q3住所変更登記 費用はいくら?
登録免許税は不動産1個につき1,000円で、同一申請書で20個以上をまとめると2万円が上限です。司法書士に依頼する場合は別途報酬がかかります。
Q4住所変更登記 しないとどうなる?
所有権の登記名義人が正当な理由なく2年の期限を過ぎると、5万円以下の過料の対象になります(164条2項)。売却や融資の場面では前提登記として必ず要求されます。
Q5登記の住所変更は自分でできる?
できます。64条1項の単独申請なので、相手方の実印も委任状も不要です。登記事項証明書と住民票の写しなど変更を証する情報を揃えれば、法務局へ本人申請できます。
Q6登記名義人表示変更に必要な書類は?
個人は住民票の写しまたは戸籍の附票、氏名変更なら戸籍謄本。法人は登記事項証明書または会社法人等番号です。旧住所から現住所までの沿革がつながることが要件になります。
Q7変更登記と更正登記の違いは?
変更登記は登記後に生じた事実の変化を反映するもの、更正登記は登記当初から記録に誤りがあった場合の訂正です。64条はどちらも単独申請の対象としています。
Q8抵当証券の債務者の住所変更は誰が申請する?
不動産登記法64条2項により、債務者本人が単独で申請します。債権者側から一方的に是正することはできないため、債務者に手続してもらう段取りが必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1引っ越しただけなのに、法務局にまで届けないといけないんですか?
必要である。住民票と登記簿は連動せず、登記の住所は取得当時のまま凍結される。2026年4月1日施行の76条の5により、所有権の登記名義人は変更から2年以内の申請義務を負い、怠れば5万円以下の過料(164条2項)。申請は64条1項で単独ででき、登録免許税は不動産1個につき1,000円。実務のポイント:76条の6には登記官が職権で変更登記をする仕組みがあり、生年月日等の検索用情報を先に申し出ておけば、以後の異動は登記官側で反映されうる(自然人は本人の了承が前提、最新の運用をご確認ください)。
Q2亡くなった父名義の家、登記の住所が昔のままです。相続登記の前に住所変更登記もやるんですか?
原則として不要である。相続による所有権移転登記では、登記記録上の住所と死亡時の住所が食い違っていても、住民票の除票や戸籍の附票で同一人物であることを示せば足り、前提としての変更登記までは求められないのが実務の扱いである。実務のポイント:除票と戸籍の附票の保存期間は2019年に5年から150年へ延びたが、それ以前に廃棄された分は今からでは出てこない。その場合は不在住証明書・不在籍証明書に権利証や上申書を組み合わせる代替ルートがあり、ここで諦めて手続を止めてしまう人が非常に多い。
間違えやすい点 AI による整理
- 「登記の住所を変えるには誰の同意が要るのか」という問いの立て方自体が誤っている。64条1項の答えは「誰も要らない」。本当に問うべきは、旧住所から現住所までの変更の沿革を公文書でつなげられるか、である。同意ではなく書類の連続性が、この手続の唯一の関門だ。
- 住所変更登記が必要なこと自体は知っている人でも、放置した場合の代償を実額で把握していない。本来なら不動産1個につき登録免許税1,000円で終わる手続が、住民票の除票が廃棄済みだと代替書類の収集と上申書の作成が必要になり、司法書士報酬込みで数万円規模に膨らむ。しかも発覚するのは、たいてい売却決済の直前である。
- あなたから見れば「当面売る予定はないから後回しでいい」案件だ。だが法律から見れば、変更が生じた日から義務のカウントは既に始まっている。放置の理由が「忙しかった」「知らなかった」では、164条2項の「正当な理由」に当たらない可能性が高い。この認識の落差が、そのまま過料のリスクになる。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 申請の構造 | 64条:登記名義人が単独で申請(表示の変更・更正) | 60条:登記権利者と登記義務者の共同申請が原則 63条:判決・相続等による例外的な単独申請 |
| 権利変動の有無 | 権利の得喪変更を伴わない同一人物の表示の書き換え | 権利の移転・設定・変更など実体的な権利変動を伴う 権利変動はあるが判決・相続という公的資料で真実性を担保 |
| 真実性の担保方法 | 住民票・戸籍の附票・法人登記事項証明書など公文書の連続性 | 対立当事者双方の関与と登記識別情報 確定判決正本・戸籍等の公文書 |
| 申請義務・制裁 | 本条自体に期限なし。所有権登記名義人は76条の5で2年以内、違反は164条2項の過料 | 一般的な申請義務の定めなし 相続登記は76条の2で3年以内の申請義務 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も登記名義人の表示変更は権利変動を伴わない登記として単独申請の類型に整理されており、戸籍謄本・戸籍簿記載事項証明で沿革を証明する構造は日本と同型
韓国不動産登記法は、登記名義人表示の変更・更正登記を当該権利の登記名義人が単独で申請すると明文で定めており、日本64条1項とほぼ同じ規律。住民登録番号による同一性確認が実務の中心
ドイツは登記簿の不一致を Berichtigung(更正)として処理し、Unrichtigkeitsnachweis(不正確性の証明)または Bewilligung により実現する。氏名変更は戸籍関係の公文書で証明する点が日本と共通
米国は登記簿ではなく証書登録(recording)制度であり、名義表示の是正は corrective deed や name affidavit の追加登録で行う。連邦統一法はなく州ごとに手続が分かれる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 結婚して姓が変わったまま、実家から相続した土地の名義を5年放置していたら、どうなる? 2026年4月1日に施行された76条の5により、氏名・住所の変更から2年以内の申請義務がかかる。施行日前に生じた変更は施行日起算となり、2028年3月31日が期限(経過措置の最新の内容をご確認ください)。残り時間のカウントは、あなたが気付かないうちに始まっている。そして救済策は拍子抜けするほど簡単で、64条1項によりあなた一人で申請できる。誰の実印も同意書も要らない。
- 決済当日、司法書士が登記事項証明書を広げて手を止める。名義人の住所が3回前の引っ越し先のままだった。売買の登記より先にこの変更登記を入れる必要があり、その場で費用と日程が動く。
- あなたが法人の総務担当で、本店移転の商業登記は済ませたが、工場の土地建物の登記名義人の住所は旧本店のまま。追加融資の条件として、銀行が登記事項の一致を求めてきた。法人も64条1項で単独申請でき、会社法人等番号を提供すれば変更を証する情報の提供を省略できる取扱いがある(最新の取扱いをご確認ください)。相手方が動くのを待つ必要はない、こちらの判断だけで今日中に着手できる案件である。
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず登記事項証明書(法務局窓口・オンライン請求可)を取り、登記簿上の氏名と住所が現在とどうずれているか確認する2. 旧住所から現住所までの沿革を証する書面を集める。個人は住民票の写しまたは戸籍の附票、氏名変更は戸籍謄本、法人は登記事項証明書または会社法人等番号3. 登記の目的は「登記名義人住所変更」、原因は「令和○年○月○日住所移転」、登録免許税は不動産1個につき1,000円4. 64条1項により単独申請なので、共有者や取引相手の協力を待つ必要はない
訴えられた側:1. 買主・金融機関の側に立つなら、決済前に登記事項証明書で名義人の住所・氏名が現状と一致するか必ず確認し、不一致なら前提登記の完了を売主側の義務としてスケジュールに組み込む2. 抵当証券が発行されている案件では、債務者の氏名・住所の変更登記は64条2項により債務者本人が単独で申請するものであり、債権者側から一方的に是正できない。債務者に動いてもらう段取りを先に確保する3. 登記官の職権による変更登記(76条の6)が使える案件かどうかも並行して確認する
時効(請求できる期限):64条自体には申請期限の定めはない。ただし所有権の登記名義人については、2026年4月1日施行の76条の5により、氏名・名称・住所の変更があった日から2年以内の申請義務があり、正当な理由なく怠ると5万円以下の過料(164条2項)。施行日前に生じた変更は施行日から2年、すなわち2028年3月31日が期限とされる(経過措置の最新の内容をご確認ください)。所有権以外の登記名義人(抵当権者等)にはこの義務は及ばない
学説
通説:64条が単独申請を認める根拠は、氏名・名称・住所の変更登記が権利の得喪変更を伴わず、対立当事者を観念できない点にあると解される。真実性の担保は相手方の関与ではなく、住民票・戸籍の附票等の公文書による沿革の証明に委ねられている。
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)不動産登記法全部改正(法律第123号) 旧不動産登記法(明治32年法律第24号)を全部改正し、オンライン申請制度の導入と条文の現代語化を行った際に、登記名義人の表示変更・更正登記の単独申請を定める現行64条が置かれた。本条自体のその後の改正有無、および令和3年(2021年)改正(76条の5・76条の6の新設、施行2026年4月1日)が本条の文言に及んだかは人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 新設:不動産登記法全部改正(法律第123号)により、旧不動産登記法(明治32年法律第24号)を全面的に改め、オンライン申請制度の導入と条文の現代語化を実施。登記名義人の表示変更・更正登記の単独申請を定める現行64条が置かれた。本条の文言に対する以後の改正の有無は人的検証が必要
- 不動産登記法 第60条共同申請の原則、本条はその例外
- 不動産登記法 第63条判決・相続による単独申請、同系統の例外類型
- 不動産登記法 第76条の5所有権登記名義人の氏名等変更登記の申請義務
- 不動産登記法 第76条の6登記官の職権による氏名等変更登記
- 不動産登記法 第164条申請義務違反に対する過料の制裁
- 民法 第177条対抗要件としての登記、登記制度の実体法上の根拠
- 抵当証券法 第1条抵当証券の交付、本条2項が前提とする制度
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める