共有物分割禁止の定めに係る権利の変更の登記の申請は、当該権利の共有者であるすべての登記名義人が共同してしなければならない。
要点不動産登記法 65 条は、共有物分割禁止の定めの登記を、共有者である登記名義人全員が共同して申請しなければならないと定める。1 人でも欠ければ登記は成立しない。
Q · 共有の不動産を「当面は分割しない」と決めたら、登記は誰が出しに行くの?
共有者全員が共同で申請しないと登記できません
不動産登記法 65 条により、共有物分割禁止の定めに係る権利の変更の登記は、その権利の共有者であるすべての登記名義人が共同して申請しなければなりません。通常の登記は利益を受ける登記権利者と不利益を受ける登記義務者が共同で申請しますが(同法 60 条)、分割禁止では全員が同じ内容の拘束を受けるため権利者・義務者を分けられず、全員が同一の立場で申請する合同申請となります。持分の大小は関係なく、1 人でも申請に加わらなければ申請人適格を欠き、登記は成立しません。
兄弟3人で相続した実家を、当面は誰にも売らせたくない。民法256条は5年以内であれば分割しない約束を認めている。だがその約束は当事者の間だけの話にとどまり、持分を第三者に売られた瞬間、買った人には及ばない。効かせたいなら登記するしかない。そして不動産登記法65条は、その登記の入口に特殊な鍵をかけた。通常の登記は権利を得る人と失う人が組んで申請する(60条)。しかし分割禁止の定めでは全員が同じだけ縛られ、誰が得をして誰が損をするのか決められない。だから権利者・義務者という役割分担を捨て、共有者である登記名義人が全員そろって申請する。実務ではこれを合同申請(全員が同じ立場で一緒に出す申請)と呼ぶ。3人のうち1人が実印を押さなければ、残り2人がどれだけ固く合意していても登記は動かない。あなたの持分を守る仕組みが、同時にあなたを人質にする仕組みでもある。
不動産登記法 65 条は、共有物分割禁止の定めに係る権利の変更の登記について、その申請人を当該権利の共有者であるすべての登記名義人と定める規定である。登記権利者と登記義務者の対立構造を前提とする同法 60 条の共同申請主義に対する特則であり、全員が同一の立場で申請する合同申請に位置づけられる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
共有者間で結んだ不分割の特約を登記簿に公示する権利の変更の登記です。不動産登記法 59 条 6 号で登記事項とされ、登記して初めて持分を譲り受けた第三者にも主張できます。
登記権利者と登記義務者に分けず、当事者全員が同一の立場で共同して行う申請の形です。不動産登記法 65 条の分割禁止の登記が代表例で、全員が加わらなければ受理されません。
当該権利の共有者であるすべての登記名義人です(不動産登記法 65 条)。持分の大小は関係なく、1 人でも欠ければ申請人適格を欠き、同法 25 条により却下されます。
民法 256 条 1 項但書により最長 5 年です。更新はできますが、更新のときから 5 年を超えることはできません(同条 2 項)。永久の分割禁止は認められていません。
共有者どうしでは特約は有効ですが、持分を譲り受けた第三者や競売で持分を取得した者には対抗できないと解されています。取得した者はいつでも分割請求ができます。
権利の変更の登記なので、登記上の利害関係を有する第三者の承諾があるとき、またはその第三者がいないときに限り付記登記でされます(不動産登記法 66 条)。
できません。65 条は全員の共同申請を要求しており、多数決の土俵に乗りません。持分の 99% を持っていても、残る 1 人が申請に加わらなければ登記は成立しません。
相続による所有権移転の登記で共有名義を確定させたうえで、共有者全員が本条の登記を申請します。全員が専門家のもとに集まる相続手続の場が、実務上いちばん揃えやすい機会です。
本人が申請の意思を示せない以上、そのままでは合同申請は成立しない。成年後見人を選任し、後見人が本人に代わって申請することになる(民法859条)。ただし分割禁止は本人の財産処分を縛る方向の行為なので、後見人が本人の利益にならないと判断すれば応じない。業界裏話ヒント:司法書士が共有不動産の相談で真っ先に見るのは、名義人の年齢と健康状態だ。判断能力があるうちなら数万円で終わる手続が、後見開始後は選任手続と後見報酬に化ける
共有者どうしの間ではそれで有効だ。問題は外から入ってくる人。持分を譲り受けた第三者や、競売で持分を取得した者には、登記がなければ主張できないと解されている(不動産登記法59条6号がこれを登記事項とした趣旨)。業界裏話ヒント:不分割特約が本当に試されるのは、共有者の誰かが借金を抱えたときだ。持分は差押えの対象になり、競落人が新たな共有者として分割を求めてくる。契約書の束は、その気配が出る前に登記へ変えておく
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 不登法 65 条:分割禁止の定めの登記の申請人を定める | — |
| 申請人 | 共有者であるすべての登記名義人(全員一致の合同申請) | — |
| 1 人でも欠けたときの帰結 | 申請人適格を欠き、不登法 25 条により却下される | — |
| 第三者との関係 | 登記により持分の譲受人・差押債権者に特約を主張できる | — |
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