不動産登記法 第73条の2(所有権の登記の登記事項)
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- 所有権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。
- 一所有権の登記名義人が法人であるときは、会社法人等番号(商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第七条(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する会社法人等番号をいう。)その他の特定の法人を識別するために必要な事項として法務省令で定めるもの
- 二所有権の登記名義人が国内に住所を有しないときは、その国内における連絡先となる者の氏名又は名称及び住所その他の国内における連絡先に関する事項として法務省令で定めるもの
- 2.前項各号に掲げる登記事項についての登記に関し必要な事項は、法務省令で定める。
この条文の基本情報
所有権の登記の登記事項とは何ですか?
定義所有権の登記の登記事項とは、不動産登記法第73条の2に定められた規定で、「所有権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 不動産登記法第73条の2(所有権の登記の登記事項)は、日本の不動産登記法に含まれる条文です。
- 不動産登記法第73条の2の条文原文は「所有権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。」で始まります。
- 不動産登記法第73条の2は第二款 所有権に関する登記に置かれています。
- 不動産登記法の公布日は平成16年6月18日です。
- 不動産登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 不動産登記法第73条の2の前の条は不動産登記法第73条です。
- 不動産登記法第73条の2の次の条は不動産登記法第74条です。
- 不動産登記法第73条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第73条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123 - 本サイト収録
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第73条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/416AC0000000123/73_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点不動産登記法73条の2は、所有権の登記名義人が法人なら会社法人等番号、国内に住所がなければ国内連絡先を登記事項とする規定。2024年4月1日施行の所有者不明土地対策である。
Q · 2024年4月から、不動産の登記簿に載る情報が増えたって本当ですか?
法人は会社法人等番号、海外在住者は国内連絡先が登記事項になりました
不動産登記法73条の2により、2024年4月1日以降、所有権の登記名義人が法人であるときは会社法人等番号などの法人識別事項が、国内に住所を有しないときは国内における連絡先となる者の氏名・名称および住所が、所有権の登記の登記事項になりました。連絡先となる者の承諾が必要とされ、適任者がいない場合は「国内における連絡先はない」旨が登記されます。既存の登記に遡って義務が生じるものではなく、所有権の保存・移転登記や登記名義人の住所変更登記を行う時点で必要になります。
解説
所有権の登記簿には、名義人の氏名と住所しか載らない。長年そう信じられてきた。だが2024年4月1日施行のこの条文で、登記簿に載る情報が二つ増えた。名義人が法人なら会社法人等番号、国内に住所がない人なら国内連絡先だ。あなたがこの変化を軽く見ていると、次に不動産を買うとき、あるいは隣地の所有者を突き止めようとするときに効いてくる。会社法人等番号が登記簿に載るということは、不動産登記簿と商業登記簿が番号一本で機械的に接続されるということだ。「株式会社ABC」という同名法人が全国に何十社あっても、番号で一意に特定できる。国内連絡先の方はもっと露骨で、海外投資家が日本の不動産を買って放置し、誰にも連絡がつかないまま空き家化する、その穴を塞ぐために作られた。連絡先を提供する者の承諾がなければ登記できず、該当者がいなければ「国内連絡先なし」と登記される。その「なし」の三文字が、取引相手に何を告げるかを考えてみてほしい。
法的な位置づけ
不動産登記法73条の2は、所有権の登記に固有の登記事項を定める規定である。所有権の登記名義人が法人である場合には会社法人等番号その他の法人識別事項が、国内に住所を有しない場合には国内における連絡先に関する事項が、第59条の共通登記事項に追加される。各事項の具体的内容は法務省令に委任されている。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自分が本条の対象になるか判定する 所有権の保存・移転登記、または登記名義人の住所変更登記を2024年4月1日以降に申請するかを確認する。次に、名義人が法人か、名義人の住所が国内にあるかを判定する。既存登記のまま何も申請しないなら、本条による追加登記は直ちには必要にならない
- 2.法人なら会社法人等番号を特定する 商業登記法7条の会社法人等番号(12桁)を確認する。国税庁の法人番号(13桁)とは別物であり、登記情報提供サービスや登記事項証明書で確認できる。外国法人でも日本で登記していれば番号が付されている
- 3.国内に住所がないなら連絡先候補の承諾を先に取る 海外赴任・移住が決まった時点で、親族・不動産管理会社・司法書士事務所などに連絡先を引き受けてもらえるか打診し、承諾を書面で残す。承諾者の氏名・住所は登記事項として公示されるため、その点を説明したうえで同意を得る
- 4.適任者がいなければ「連絡先なし」で申請する 無理に他人の氏名を借りず、「国内における連絡先はない」旨で登記申請する道がある。ただし売却・相続の局面で取引相手に到達不能リスクを示す記載になるため、後から連絡先を追加する変更登記の段取りも併せて検討しておく
よくある質問 AI による整理
Q1不動産登記法73条の2とは何ですか?
所有権の登記に固有の登記事項を定めた規定です。法人名義なら会社法人等番号、国内に住所がない名義人なら国内連絡先が、59条の共通事項に追加されます。
Q2国内連絡先の登記はいつから始まりましたか?
令和6年(2024年)4月1日施行です。令和3年の民法・不動産登記法等改正パッケージで新設され、相続登記義務化と同じ改正に含まれています。
Q3国内連絡先には誰がなれますか?
自然人でも法人でも可能です。親族、不動産管理会社、司法書士事務所などが実務上の候補で、連絡先となる者本人の承諾が必要とされています。
Q4国内連絡先になってくれる人がいない場合はどうなりますか?
「国内における連絡先はない」旨が登記されます。登記自体はできますが、その記載は誰でも取得できる登記事項証明書に公示され、取引相手の判断材料になります。
Q5国内連絡先の登記に必要な書類は何ですか?
連絡先となる者の承諾を示す書面と、その氏名・名称および住所を特定できる資料が必要です。具体的な取扱いは法務省令および登記所の運用によります。
Q6国内連絡先は後から変更できますか?
登記事項ですので、変更があれば変更の登記により修正します。連絡先を引き受けた人が辞めたい場合も、名義人側で変更登記を行う必要があります。
Q7会社法人等番号を書かないと登記はどうなりますか?
登記事項ですので、申請情報に記載がなければ補正または却下の対象になります。番号は登記情報提供サービス等で事前に確認しておくのが安全です。
Q8外国籍でも日本に住んでいれば国内連絡先は不要ですか?
不要です。本条の基準は国籍ではなく「国内に住所を有しないとき」です。日本人でも海外在住なら対象、外国人でも国内在住なら対象外となります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1海外に住んでいる親が日本のマンションを持っています。今すぐ連絡先を登記しないとダメですか?
既存の登記に遡って義務が生じるわけではなく、新たに所有権の登記や住所変更登記をする時点で登記事項になる。ただし放置すると、将来の売却・相続の場面で手続きが止まる。実務のポイント:司法書士に相談すると、司法書士自身を国内連絡先として引き受けてくれる事務所がある。親族に頼めない事情がある人ほど、この選択肢を先に知っているかどうかで手続きの進みが変わる
Q2会社法人等番号って、法人番号(マイナンバー的なやつ)と同じものですか?
違う。会社法人等番号は商業登記法7条に基づく12桁で登記所が管理し、国税庁の法人番号は13桁でこれに検査用数字を頭に付けたもの。本条が求めるのは前者である。実務のポイント:国税庁法人番号公表サイトで13桁を調べ、先頭1桁を落とせば会社法人等番号になる。登記情報を取らずに番号を確認したいとき、この裏道を知っていると数百円と待ち時間が浮く
Q3国内連絡先に指定された人は、何か責任を負わされるんですか?
連絡先として登記されること自体から、代理権や管理責任が生じるわけではない。あくまで到達手段としての公示である。ただし氏名と住所が公開情報として登記簿に載る点は理解しておくべきだ。実務のポイント:承諾は必要とされているため、知らないうちに名前を使われることは想定されていない。だが逆に、安易に承諾すると自分の住所が誰でも取得できる登記簿に載る。引き受ける前に、その公示性を確認する
間違えやすい点 AI による整理
- 「相続登記の義務化が2024年の目玉だった」という理解は正しいが、同じ改正パッケージに登記事項の拡張が入っていたことを知る人は少ない。所有者不明土地対策は、相続の入口を締めるだけでなく、法人と非居住者の出口も同時に塞いだ。片方だけ知っていると、非居住者の物件を扱うときに手続きが止まる理由が分からない
- 「国内連絡先の人は所有者の代理人だから、法的責任を負う」と誤解されやすいが、連絡先として登記されただけでは代理権も管理義務も生じない。あくまで到達手段の登記であって、権限の登記ではない。ただし、承諾なしに他人を連絡先として登記することはできない
- あなたから見れば会社法人等番号は「書類に書く数字が一つ増えただけ」だが、法律とデータの側から見れば、これは不動産登記簿が法人の名寄せ可能なデータベースに変わったことを意味する。同名法人の混同、商号変更後の追跡困難、これらが番号で解消される。事務負担が増えたと感じるあなたと、名寄せ精度が跳ね上がったと見る調査側の落差がここにある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用対象の登記 | 73条の2:所有権の登記に固有の登記事項 | 59条:権利に関する登記の共通登記事項 27条:表示に関する登記の共通登記事項 |
| 登記される内容 | 会社法人等番号その他の法人識別事項、国内における連絡先事項 | 登記の目的、申請の受付年月日・受付番号、登記名義人の氏名・住所等 登記原因および日付、所在・地番・地目・面積等の物理的表示 |
| 義務の性質 | 申請期限の定めはなく、所有権登記・住所変更登記を行うときの登記事項 | 権利登記一般に共通する記録事項(申請時に当然に記録) 表示登記は1か月以内の申請義務がある類型がある(36条・37条等) |
| 同一改正での位置づけ | 所有者への到達可能性を公示する新設規定(2024年4月1日施行) | 従来からの基本規定(改正の影響は限定的) 従来からの基本規定(改正の影響は限定的) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の土地登記では登記名義人の統一編號(法人)・統一證號(外国人)が記載され、法人の名寄せは早くから可能。他方、非居住者の国内連絡先を登記事項として公示する仕組みは日本の本条ほど明確ではない
韓国は登記名義人の登録番号を登記事項とし、外国人・在外国民・法人には부동산등기용등록번호を付与して同一性を担保する。番号による名寄せという発想は本条の法人識別事項と共通する
ドイツは所有者が法人の場合、商号・本店に加えて登記裁判所と登記番号を併記させ、商業登記簿との接続を確保する。日本の会社法人等番号の登記と機能的にほぼ同じ
米国の不動産記録制度は州ごとに分かれ、法人番号による全国的な名寄せは弱い。代わりに近年はマネーロンダリング対策の枠組みで、法人・非居住者による不動産取得の実質的所有者報告を強化する方向にある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 隣地が数年前から荒れ放題で、草木が越境してきた。登記簿を取ると所有者は海外在住の外国人。従来なら住所を頼りに国際郵便を出すしかなかったが、2024年4月以降に登記された物件なら国内連絡先が記載されている。管理不全土地の交渉相手が、いきなり地球の裏側から国内の誰かに変わる
- あなたが売主として法人所有の物件を売却する。買主側の司法書士が登記簿の会社法人等番号を控え、その場で商業登記情報を照会する。休眠状態か、代表者が最近変わったか、本店移転を繰り返していないか。番号一本で、あなたの会社の履歴が三分で読まれる側に立つ
- 海外赴任が決まり、日本のマンションを保有したまま出国することになった。あと2週間で住所は国外になる。この状態で新たに不動産を取得する、または住所変更登記をするなら、国内連絡先となってくれる人を探し、その承諾を取り付けなければならない。親族に頼むのか、管理会社に頼むのか、決めておかないと登記手続きが止まる
- 買主として物件を検討中、登記簿の甲区に「国内における連絡先はない」と記載されているのを見つけた。売主は非居住者で、国内に連絡役すら置いていない。決済後にトラブルが起きたとき、誰に連絡するのか。この一行は物件の瑕疵ではないが、取引リスクの温度計になる
取るべき行動
被害を受けた側:隣地や共有地の所有者に連絡がつかない場合、1. 最新の登記事項証明書を取得し、甲区に国内連絡先の記載があるか確認する2. 記載があればまずそこへ書面で連絡、記載が「なし」なら市区町村の固定資産税担当へ納税管理人の有無を照会3. それでも到達できなければ、所有者不明土地管理制度(民法264条の2)や不在者財産管理人の選任申立てを検討4. 越境や管理不全による実害があるなら、写真と日付の記録を並行して蓄積する
訴えられた側:非居住者または法人として登記義務を問われる立場なら、1. 自分の物件がいつ登記されたものか確認、2024年4月1日以降の新規登記・住所変更登記が対象2. 国内連絡先となる者の候補(親族、管理会社、司法書士等)に承諾を取得、承諾書を書面で残す3. 適任者がいない場合は「国内連絡先なし」として登記する道がある、無理に他人の名を書かない4. 法人なら会社法人等番号を登記申請書に記載、番号は登記情報提供サービスや国税庁法人番号公表サイトで確認できる
時効(請求できる期限):本条自体に申請期限の定めはない。ただし所有権の保存・移転登記、登記名義人の住所変更登記を行う際の登記事項として要求されるため、その申請時が事実上の期限となる。なお同じ改正パッケージの相続登記申請義務は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ所有権を取得したことを知った日から3年(不動産登記法76条の2)、住所等変更登記の申請義務は変更の日から2年(同76条の5、2026年4月1日施行予定、最新の施行状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 令和3年(2021年)改正、令和6年(2024年4月1日)施行 所有者不明土地の解消を目的とする民法・不動産登記法等の改正により新設。所有権の登記名義人が法人の場合の会社法人等番号、国内に住所を有しない場合の国内連絡先を登記事項に追加した
改正の年表
- 1.令和3年(2021年) 新設:所有者不明土地の解消を目的とする民法・不動産登記法等の改正により新設。所有権の登記名義人が法人の場合の会社法人等番号、国内に住所を有しない場合の国内連絡先を登記事項に追加した。施行は令和6年(2024年)4月1日
- 不動産登記法 第59条権利に関する登記の共通登記事項
- 不動産登記法 第76条の2相続登記の申請義務、同一改正の中核
- 不動産登記法 第76条の5登記名義人の住所等変更登記の申請義務
- 不動産登記法 第27条表示に関する登記の共通登記事項との対比
- 商業登記法 第7条会社法人等番号の根拠規定
- 民法 第264条の2所有者不明土地管理命令、到達不能時の受け皿
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