要点不動産登記法 83 条は、抵当権など担保権の登記事項として、債権額、債務者の氏名・住所、目的となる権利、二以上の不動産の表示、外貨建て債権の円貨担保限度額を定める。
Q · 登記簿の抵当権の欄には、いったい何が書かれているんですか?
担保権の登記に何を書くかを定めた条文です
不動産登記法 83 条は、抵当権などの担保権を登記するときに記録すべき事項を定めます。具体的には債権額、債務者の氏名又は名称及び住所、所有権以外の権利を目的とするときはその権利、二以上の不動産を目的とするときは当該不動産及び権利、外貨建て債権の場合は本邦通貨で表示した担保限度額です。これらは同法 59 条の共通登記事項に上乗せされる項目であり、登記官は複数不動産の担保関係を明らかにするため共同担保目録を作成することができます(2 項)。
住宅ローンを組んだとき、あなたの土地建物の登記簿には抵当権の登記が刻まれる。その中身を決めているのが本条だ。債権額、債務者の氏名・住所、担保の目的となる権利、複数不動産にまたがる場合はその全部。ここで見落とされがちなのが第二号「債務者の氏名又は名称及び住所」である。この債務者欄は、あなたが物件を担保に出しただけの物上保証人であっても、実際に借りた人の名前がそこに公示されることを意味する。つまり登記簿を取れば、誰がいくら借りているかが第三者に丸見えになる。逆に言えば、あなたが不動産を買おうとするとき、その登記簿の抵当権の債権額と債務者名を見るだけで、売主の資金繰りの実態がかなり読める。そして第五号、外貨建て債権の担保限度額の登記。円建てしか想定していない人は、この一行の存在すら知らない。
不動産登記法 83 条は、先取特権、質権若しくは転質又は抵当権の登記について、同法 59 条各号の共通登記事項に加えて記録すべき事項を定める規定である。登記事項は、債権額、債務者の氏名又は名称及び住所、所有権以外の権利を目的とする場合のその権利、二以上の不動産に関する権利を目的とする場合の当該不動産及び権利、外貨建て債権を担保する場合の本邦通貨で表示した担保限度額であり、担保権の内容を第三者に公示する機能を担う。
不動産登記法 83 条により、債権額、債務者の氏名又は名称及び住所、所有権以外の権利を目的とするときはその権利、二以上の不動産を目的とするときは当該不動産、外貨建て債権なら円貨での担保限度額です。
全国どこの法務局窓口でも取得でき、郵送請求やオンライン(登記情報提供サービス・かんたん証明書請求)も利用できます。物件の管轄外の法務局でも請求可能です。
交付請求書の「共同担保目録」欄で「現に効力を有するもの」等を指定します。指定しないと目録は付かず、売主の他の担保物件が見えません。
違います。根抵当権は不動産登記法 88 条 2 項の特則により、債権額ではなく極度額、債権の範囲、確定期日などが登記事項になります。
できます。83 条 1 項 5 号により、外国通貨で債権額を指定した債権を担保する場合は、本邦通貨で表示した担保限度額を登記します。
抹消や移転の前提として求められる場合があり、放置すると決済時に手続が止まります。売却予定があるなら事前に司法書士へ確認してください。
59 条は権利に関する登記の共通登記事項、83 条は担保権に固有の上乗せ事項です。担保権の登記は両方が記録されます。
被担保債権を完済しても自動では消えません。抵当権者と共同で抹消登記を申請してはじめて登記簿から消えます。
違います。本条第一項第一号の債権額は抵当権設定時の元本額であり、返済が進んでも登記は自動で減りません。実際の残高は金融機関の残高証明書でしか分かりません。業界裏話ヒント:不動産仲介の実務では、登記の債権額と築年数・購入時期から逆算して残債を推定します。設定から 15 年経った 3,000 万円の抵当権なら残債は 2,000 万円前後、という読み方です。売主が「値下げできない」と言う本当の理由が、この推定で見えることがある
本条第二項に基づき登記官が作成する、同じ債権を担保する複数の不動産をまとめた一覧です。登記事項証明書を請求するとき、共同担保目録付きを明示的に指定しないと付いてきません。業界裏話ヒント:申請書の「共同担保目録」欄にチェックを入れるだけで、売主が他にどの物件を担保に入れているかが見えます。仲介業者がこれを取らずに話を進めるケースは珍しくない。買主が自分で法務局またはオンライン(登記情報提供サービス)で取れば、業者より先に売主の全体像を握れる
あなたが物上保証人だからです。本条第一項第二号は債務者の氏名を登記事項としますが、抵当権の目的物はあなたの不動産です。債務者が返済を怠れば、抵当権者はあなたの不動産を競売にかけられます。業界裏話ヒント:物上保証人は代位弁済すれば債務者に求償できます(民法 372 条、351 条)。競売開始後でも、開札前なら弁済して競売を止められる。この期限を知らずに諦めて家を失う人が実際にいる
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| 規律する登記事項の範囲 | 不動産登記法 83 条:担保権に固有の上乗せ事項(債権額・債務者・目的権利・複数不動産・外貨建て限度額) | — |
| 対象となる権利 | 先取特権、質権・転質、抵当権 | — |
| 金額の記録方法 | 債権額(設定時の元本額)、外貨建てなら円貨の担保限度額 | — |
| 実務上のチェックポイント | 共同担保目録の有無、債務者表示の一致 | — |
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