債権の一部について譲渡又は代位弁済がされた場合における先取特権、質権若しくは転質又は抵当権の移転の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、当該譲渡又は代位弁済の目的である債権の額とする。
要点不動産登記法 84 条は、債権の一部譲渡又は一部代位弁済による担保権移転の登記事項として、59 条各号のほか、その目的である債権の額を登記させる規定である。
Q · 抵当権を一部だけ肩代わりしたら、その金額まで登記簿に出るんですか?
一部だけの肩代わりなら、弁済額が登記簿に刻まれます
不動産登記法 84 条により、債権の一部について譲渡又は代位弁済がされた場合の先取特権・質権・転質・抵当権の移転の登記では、59 条各号の一般的登記事項に加えて、譲渡又は代位弁済の目的である債権の額が必ず登記されます。全額を弁済して担保権が丸ごと移転する場合は本条の対象外で、金額は登記事項になりません。なお登記されるのは債権の額であって、債権の売買代金ではありません。
登記簿の金額欄は、ふつう最初に設定された債権額しか語らない。ところが債権の一部だけが譲渡されたり、保証人や第三者が一部だけ代位弁済したりすると、この条文が例外を作る。担保権(先取特権・質権・転質・抵当権)の移転の登記には、59 条が求める通常の登記事項に加えて、譲渡または代位弁済の目的となった債権の額、つまり「いくら分が動いたのか」を必ず書かせる。結果として、登記簿を開いた第三者は「この不動産の債務者は返済に詰まり、誰かが一定額だけ肩代わりした」という物語まで読み取れてしまう。あなたが保証人として一部を払うとき、あるいは債権を一部買い取るとき、その金額は当事者間の内緒話ではなく公示情報になる。そして公示されたからといって、あなたが優先的に回収できるようになるわけではない。ここが最大の落差である。
不動産登記法 84 条は、債権の一部譲渡又は一部代位弁済に伴う担保権移転登記の登記事項を定める規定である。先取特権、質権、転質又は抵当権が一部移転した場合、第 59 条各号の一般的登記事項に加え、譲渡又は代位弁済の目的となった債権の額が必要的登記事項となる。譲渡の対価そのものは登記事項に含まれない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
債権の一部譲渡や一部代位弁済で担保権が一部移転したとき、59 条各号の登記事項に加えて、その目的である債権の額を登記させる規定です。
59 条各号の一般的登記事項に、譲渡又は代位弁済の目的である債権の額が加わります。額の記載を欠く申請は補正または却下の対象になります。
権利に関する登記の原則どおり、登記権利者である代位者と登記義務者である原債権者の共同申請です。原債権者の登記識別情報と印鑑証明書が必要になります。
移転する債権の額が課税標準です。抵当権移転は債権額の 1000 分の 2 が原則ですが、税率は改正されうるため最新の登録免許税法をご確認ください。
担保権の一部移転は元の担保権の順位を維持する必要があるため、主登記ではなく付記登記で実行されるのが登記実務の扱いです。
載りません。84 条が登記事項とするのは譲渡又は代位弁済の目的である債権の額であって、売買代金ではありません。額面と買取価格の差は公示されません。
単独ではできません。民法 502 条 1 項により、一部代位者が担保権を実行するには債権者の同意が必要です。登記があっても引き金は原債権者が握ります。
代位自体は法律上当然に生じますが、登記がないと競売手続で債権届出の催告先に載らず、配当要求の終期に間に合わなければその手続では配当を受けられません。
省けません。84 条は 59 条各号の一般的登記事項に加えて当該債権の額を必須としており、記載を欠けば申請は却下されます。代位弁済なら実際に弁済した額、譲渡なら対象債権の額面が登記されます。業界裏話ヒント:登記されるのは債権の額であって、譲渡の売買代金ではありません。額面と買取価格の差は公示されない。ここを分かっていると、債権買取の交渉で身構える場所が変わります
抵当権は債権に随伴して自動的に移るのであなたの同意は不要ですが、債権譲渡を債務者に主張するには通知または承諾が必要(民法 467 条 1 項)なので、通常は通知が届きます。業界裏話ヒント:その通知が届いた時点こそ交渉の窓が開いた瞬間です。買い取った側は額面より低い価格で仕入れているため、一括和解に応じる余地が元の銀行より広いことが多い。登記簿の付記登記の日付は、その窓が開いた日付でもあります
全額なら抵当権そのものが移転し、84 条の出番はなく金額は登記事項に加わりません。一部なら「○番抵当権一部移転」の付記登記に弁済額が刻まれます。業界裏話ヒント:違いは見た目だけではありません。一部代位者は民法 502 条 1 項により債権者の同意なしに競売を申し立てられず、同条 3 項で配当も残債権者に劣後する。全部か一部かで、手にする権利の質が段違いに変わります
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 何を定める条文か | 84 条:債権の一部譲渡・一部代位弁済による担保権移転登記の追加登記事項 | — |
| 適用場面 | 債権の一部だけが動いたとき(先取特権・質権・転質・抵当権の一部移転) | — |
| 公示される金額 | 譲渡又は代位弁済の目的である債権の額(動いた分の額) | — |
| 実務上の登記形式 | 順位を維持するため付記登記で実行されるのが通例 | — |
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